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3連休のいくつかを利用して、丸田祥三さんの廃道撮影の道案内をした。いずれも私は行ったことがある物件で、あとは時間があれば地図上で目星をつけておいたものや、道中、目についたものを撮影する、というスタンスで出発。往復1300kmの道程となった。

ひとつは、『廃道本』を制作する際にnagajis氏の写真に大変衝撃を受け、制作中に見に行ってしまった長野隧道。
20101011-01.JPG明治時代に掘られたもので、重厚な切石作りの坑門が見るものを圧倒する。しかも周辺の生えた、苔むした木々がこの坑門を神々しいまでに高める。…というものだったのだが、2年前に訪れたときと比べると、明らかに雰囲気が異なる。坑門が小さくなっている気がするのだ。というのも、土砂の流入が増え、以前は見えていた坑口が相当の深さまで見えなくなっている。すべて埋まることはないような気がするが、豪雨の影響というのはまったく予測できないので、今後を静かに見守りたい。

なお、この明治・長野隧道に至る道が整備されていた。また、昭和に掘られた長野隧道は、非常に残念なことになっていた。これらのことは、いずれここに記すつもりだ。


20101011-02.JPG時が止まったかに見える明治・長野隧道周辺。向かって左手の、葉っぱ一つつけていない木の枝に、若い葉が芽吹いていた。この木が生命力を絞っているのか、あるいはまったく別の種がここに芽吹いたのかはわからない。



とある国道の橋。走行中に「?」と思い、裏側に回ってみた。
20101011-03.JPG道路面は、「2車線+歩道」だが、裏側を見ると、明らかに架けた年代の異なる鈑桁(プレートガーダー)が並行して架けられている。

向かって左はカンチレバー・プレートガーダー。リベット結合なので、昭和30年代よりは古いと思う。銘板がないので諸元不明。向かって右は単純鈑桁で、I型鋼+ボルト留め(一部リベット)。1968年駒井鉄工所製。道路面は<写真集>をお楽しみに。



とある橋。個人的には昨夏に一度、訪ねている。
20101011-04.JPG奥の緑色の橋は、東海道本線。手前のクリーム色のが、今回の対象だ。ダブルワーレントラスという、本邦鉄道橋黎明期の形式を今に伝える。1886年、イギリスのパテントシャフト&アクスルトゥリー製。この製作会社についてはこちらを参照。現存しない企業だが、日本には多数の橋梁が残されている(右カラムのカテゴリ参照;すべてではありません)。また、東海道本線の橋梁の変遷についてはこちらを参照。

いまは歩道橋となったこの橋に「幅員3.4m/重さ3.0t」という標識が立っている。かつては蒸気機関車が走っていたこの橋梁の重量制限が3tか…。





これも橋。とある国道の旧道で、廃道ではないが、立ち寄った。廃道・旧道、現役・廃止問わない。
20101011-07.JPGポニー
・ボーストリングトラスという形式で、現存するものは多くない。8パネルのプラットトラスだ。

1953年、横河橋梁製。鉄道橋としては列車荷重の増加に対応できないため早々に撤去されてしまったこの形式だが、戦後の一時期、道路橋としていくつか製造された。そのうちのひとつである。
(新潟県の例:ボーストリングトラス(ワーレントラス)で上路という、おそらく本邦唯一の例はこちら



これは、とある廃道。
20101011-05.JPGそこそこに整備されており、私のハイエースならばここに乗り入れることができるが、今回は丸田さんのクルマだったのでここは徒歩。とある尾根の突き出し部分の岩石を削り取って道をつけ、ぐるりと回り込んでいる。左端が丸田さん。


20101011-06.JPGその先の、とある石垣を撮影中。もう深い藪の中。

この先にあるものがあまりに美しく、結局、そこに1時間以上滞在した。


ほかにもいくつか回ったが、それは<写真集>あるいは丸田さんのブログでの発表をお待ちください。
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