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オレ鉄ナイト2でご好評いただいた「5年ごとに見る鉄道路線延伸図(国鉄に準ずる路線のみ)」。

そして、ハイライト、全国の鉄道網延伸図。
anigif35.gif
(クリックで拡大/1秒刻みの画像にジャンプ)

これを、きちんと掲載しておきたい。140年で29枚もあるので、適度に割っていく。

ご留意いただきたいことがいくつかある。

・元号で把握する…時代の雰囲気や時間の長さが西暦より具体的にわかる
・歴史的事項の起きた年と重ねて見る…政治的な出来事や戦争の影響がわかる
・官設鉄道の路線名は、1895年に制定されたので、それ以前を「○○線」と呼ぶのは便宜的なものである
・下記の地図は5年の間に開通したものをまとめて掲載したものであり、それぞれの年に開通した路線ではない
・赤が国営に準ずるもの、青は民営、黒は廃止。


【1872年(明治5年)】

20120210_01.gif●鉄道開通

今はなき国鉄汐留駅から、現在の桜木町駅の間に官設鉄道が開通した。単線。この区間は徐々に複線化されていき、全区間の複線化が完了したのは1881年(明治14年)である。9年を費やしている。

この間、六郷川に橋が架かっていたが、最初は木製だった。すぐに鉄橋に架け替えられ、そのうち一連が明治村に保存されている

桜木町駅が当時の「横浜駅」で、のち、1887年(明治20年)に国府津まで延伸された際には、横浜駅でスイッチバックする形になった。それが解消するのは1898年(明治31年)、つまり東海道本線が全通してから9年後である。


【1877年(明治10年)】

20120210_02.gif●神戸~京都間開通


官設鉄道の京都と神戸の間が開通している。

特筆すべきは大阪駅の位置で、北の果てに駅を位置したとはいえ、神崎川と淀川をそれぞれ2回、渡っているという点だ。そのため、日本初の鉄道用鉄橋がここに架けられている。そして、その桁が道路橋に転用され、今も残っているのは特筆できることであろう。

・東海道本線上神崎川橋梁(上り内外線)
・東海道本線上神崎川橋梁(下り内外線)
・東海道本線上神崎川橋梁(梅田貨物線)
・東海道本線上神崎川橋梁(北方貨物線)



【1882年(明治15年)】

20120210_03.gif●敦賀へ

鉄道開業から10年で、一気に広がる。本州では、琵琶湖を経由して神戸から敦賀までがつながった。現在のルートとは大きく異なり、(1)京都~大津間は南に大きく迂回していたし、(2)琵琶湖北側は柳ヶ瀬越えルートである。

(1)について。逢坂山隧道が掘られ、それは今、鉄道記念物となっている。ということよりも、明治維新直後はないかとお雇い外国人の指導がないとなにもできなかった土木工事のうち、この隧道は日本人が設計し、日本人だけで完成させているという点が意義深いであろう。200フィートクラスの橋梁は1910年代までアメリカ製に頼っているとか、レールの製造はもっとあとまで外国製のものを輸入していたとかを考えると、隧道はかなり早い時期に国産化できたのである。

(2)の柳ヶ瀬ルート

現在の北陸本線は、木ノ本から余呉湖の北を迂回し、西隣の大川水系を遡る形で大分水嶺を深坂越えルートで越えてているが、当初は木ノ本から余呉川を遡り、柳ヶ瀬越えで越えていた。深坂越えの新線が開通したのは1957年(昭和32年)、実に柳ヶ瀬ルートの開通(1884年)から73年後である。柳ヶ瀬ルートはのちに分離され、廃止された。現在は車道として利用されている。

●北海道

幌内炭鉱の石炭を手宮から積み出すための官営幌内鉄道が開通している。こちらは豊平川(苗穂の東)を渡る部分の建設に困難を極める。その経緯は『北海道の鉄道』(田中和夫/北海道新聞社)に詳しい。ぜひご一読を。

●釜石

釜石鉱山(1874年から官営)の鉄鉱石を釜石製鉄所(官営)に運ぶための、工部省による鉄道。開通は1880年で、新橋~横浜、京都~神戸に次いで三番目。製鉄所が休止した後に旅客輸送を開始し、じきに鉄道は廃止される。2フィート9インチ(838mm)軌間。













(つづく)




 
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