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山口県萩市から国道490号を南下していると、とってもかわいいコンクリートアートが目に入った。なにしろ、欄干がアーチ型をしている。しかも、たったこれだけのスパンを渡すのに、スキューしている。

 
親柱はあるが、銘板等はない。「全国Q地図」の「2018年度全国橋梁マップ」によれば、名を「堂々橋」というようだ。こんな橋まで網羅しているQ地図すごい。国道ではありますが。

 
国道ですよ。この、ガードレールより低い欄干。よくぞ「より内側にもっと高い手すり」が設置されないものだ。黄色いガードレールが山口県であることを主張する。

 
欄干は、橋の構造そのものではないし、規格型というか既製品を使われることも多いのであまりバリエーション的関心がないのだけれど、こうした、手の込んだ意匠には心惹かれる。欄干のアーチは7。奇数であることも、凝っているというか、なんらかの意志を感じる。トラス橋が水平方向に奇数で分割されるのとは異なり、この欄干の「7」には構造の意味はない。普通に考えれば、全長から偶数で割って数値を決めるのが自然に思える。

Q地図によれば完工は1964年。もっと昔かと思った。それは、コンクリートの登場で比較的自由に造形できる喜びがこの欄干にも表れているのかと思ったからである。

 
国道490号の一光景。

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●菱形扉
 

大きな木造建築。1階部分は全部倉庫で2階部分が居住区画か。一見、4枚戸、あるいは6枚戸に見えなくもないが、左から1、2、…6とすると、中央の3・4、板が菱形に貼られた2枚の戸のみが左右に開き、2・5はその戸袋的スペース、1・6はそれに合わせた意匠のようだ。

●大きな木造バス車庫
 
小豆島のバス路線の終点の一つ、坂手東。そのバス停脇にある大きな木造車庫。開口部は鉄製の柱と梁が組まれている。

●弧を描く木製窓枠
 
 
とある場所で見かけた、おそらく無住の住宅。2階の属面の明かり取り窓の上部が弧を描いている。煉瓦建築物の縦長の窓で上部をアーチにしているものがあるが、その意匠をまねたのだろうか。

●児島の鋸屋根
 
 
学生服の街・児島の田ノ口。カンコー、フジヨット、サクラの3メーカーがいまも拠点を構える。そこで見かけた鋸屋根。浮き輪さんのご教示によると、縫製工場の所有とのこと。もしかしたら、建てられた当時は紡績や織物工場だった可能性もある。そうした工場でも採光はとても重要だったんだな。

 
背面(?)には引き戸。この堀にかつて橋がかかっていたのだろう。








岡山県岡山市水門町。地図で見ると、千町川の河口に中洲のようなものがあり、そこには家が建っている。その両側は橋と表現されている。

 
現地で空撮するとこうだ(もっと高く上げればよかったのだが、現地が制限区域だと勘違いして上げなかった)。中洲のようなところには家がいくつか建ち、その両側には水門がある。ここの地名は水門町。

ここに建つお宅は、かつては(?)水門を管理する役割を担っていたらしい。

 
左岸川の水門を下流から。

 
ゲートの柱に銘板がいくつもある。上から

千町川大水門

しゅん功 昭和47年3月
施工 大本組

千町川水門
扉体形式 鋼製ローラーゲート…
製造年月 昭和46年12月
製造者名 三井造船株式会社

一級河川千町川
千町川大水門
岡山県岡山地方振興局建設部

 
右岸側の水門を下流側から。

 
こちらの銘板は、上から

千町大水門

千町大水門
純径間×扉高 16.00m×4.60m…
製作年月 昭和59年12月
製作 三井造船株式会社

一級河川千町川
千町大水門
岡山県岡山地方振興局建設部

となっている。

ということは、左岸は「千町川大水門」または「千町川水門」、右岸は「千町大水門」という、微妙に異なる名称なのだろうか。それとも単純に誤記なのだろうか。




 
鳥取県の大山(だいせん)の北、赤碕の海岸沿いの高台を走っていたら、眼下の海側に広大な墓地が見えた。その規模がすごい。

 
説明板によれば、東西約349m、南北約19~79m、面積2万平米。この写真では見えないが、見下ろすと、そこには、古い墓石をまとめた場所があった。

 
 
 
 
 
嘉永や天保といった元号が彫られた墓石と、きれいな墓石が混ざる。古いものも彫られた文字がクッキリを見える。新潟の私の生家の建て替える前の墓は明治以降のものだったけれど、風化で文字はほとんど見えなくなっていた。周辺の墓もそんな感じだった。同じ海沿いにも拘わらず、かなり違う気がする。石が異なるのだろうか。

 
この墓地には「赤碕塔」がある。鎌倉時代末期に作られた、宝篋印塔と宝塔の様式を合わせもつ石塔だ。

 
このような置き場所がいくつかある。

 
「しぶ」とはヒサカキのことらしい。

 
説明板。



 
兵庫県養父市に「天滝」という大きな滝がある。クルマでは行けず、駐車場から1.2kmほど歩く。一般に、この手の場所は歩きやすい遊歩道なのだが、ここは登山道といっていいくらいの道。しかも標高差が200mほどもある。実際、ハイキングの格好をした人が多い。その登山道の橋として、近年、ボーストリングトラスが架けられたと聞いたので行ってみた。

 
こちらのレポート(PDF)に詳細があるのだが、旧橋は2017年に積雪により落橋、仮橋が架けられたものの人気観光地でもあるために2018年に架け替えた。その際の条件はこうだ。

・支間長10m
・積雪に耐える
・「鼓ヶ滝」の前にあるため、景観が考慮される
・2018年の水害からの復旧のためにヘリが払底しており、資材を人力で運ぶ必要がある。部材は20kg以下とする
・維持管理の都合上、部材を養父市内で完結できる

これらの条件から、部材が小さく、景観にも優れる(!)ピン結合のボーストリングトラスとなった。これは、ボーストリングトラスの上限がアーチ状であることも、この形式を採用する理由となった。

「(アーチ橋が)景観にも優れる/トラス橋は醜い」というのは関東大震災後の復興橋梁の頃にすでにあった意識であり、ここではトラス橋ながら上限がアーチに見えるボーストリングトラスにそれがあてはめられた。アーチ橋にしなかったのは、資材搬入の都合と部材調達が養父市内で完結しないという理由である。

 
直前まで通り雨が降っていたこともあいまって、滝の前に佇む小さなボーストリングトラスの美しい赤は、緑と焦げ茶を背景として美しく光っていた。見た目は、2本の鋼材をガセットを介して弦材としていることもあり、ブロックで作った多関節の玩具のような印象だ。

 
最大で20kg、合計で8.8トンとなる資材は、神戸大学山岳部・山岳会とそのOBがボッカとして運び上げた。

 
 
ピン結合はアイバーが弱点と言われるが、現代においてはどうなのだろう。おそらく、採用すると維持管理の人件費のほうが高くなるのだろうが。

この橋は通常の下路だが、奥多摩橋や和賀仙人橋の側径間のような上下反転した逆ボーストリングトラスは力のかかり方からしても理想的なのだが、架橋の費用…つまり人権費や細かな足場の組み方等が通常の平行弦よりもかなりかかるため、採用されることがないようだ。


 
 
対岸から。ここから天滝までは、まだ少しある。

 
天滝。「滝なんて、別に…」と思っていたのだけれど、想像の何倍もの高さがあり(落差98m)、その迫力に圧倒された。

繰り返しになるが、こちらのレポートに詳細がある。







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