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なんとも唐突に町中にある橋である。 こんなところに百十余年年前の(以下ry 見た目もごく「普通」に見えるし。 南側からは望むことができないので、 北側の橋(うっかり。峰見橋だっけな)から。 東側(吉田側)には、A&Pロバーツの銘板がある。 西側(矢作側)には、国鉄の銘板がある。 しかし、こちらは塗膜が厚すぎて文字が読めない。 もともと、この橋梁は阪鶴鉄道、即ち現在の福知山線のものである。 第3または第4武庫川橋梁を1952年に架け替えたときに旧橋梁を転用したもので、ここへの架橋はその2年後、1954年。 その間に、支間120ftを98ft4inに短縮改造を受けている。 BUILT BY
A&P ROBERTS COMPANY PENCOYD IRON WORKS PENCOYD PA.U.S.A. 1898 PR
これも、すでにない橋梁である。
国土画像情報閲覧システム(CCB-75-22_C19B_9)より転載、トリミング。 鶴来駅(画面右上)から西(左下)へ分岐し、手取川を渡る3連の橋梁のうち、 ひときわ目を引くのが右端の桁だろう。 250フィートのペンシルベニアトラス。 紀和鉄道和歌山線からの転用品だ。 製造は1899年、A&Pロバーツ。 かの地で紀ノ川を渡るのに30年間使用され、1930年には撤去、 そしてこの地に落ち着き1932年から供用開始された。 1980年の路線の廃止まで、48年もの余生をここで過ごした。 250フィートの分格曲弦トラスは、最大高さが41フィート6インチ(12.649m)もある。 電車は、その高さの半分にも届かなかった。 そういう写真がたくさん残っている。 前述の金名線の手取川橋は、web上では写真を見つけられなかった。 場所はココ。 すぐ北の道路橋(曲弦ワーレン)は、今も残るが 架け替えの準備が進んでいるようである。 樽見鉄道の揖斐川橋梁。 すぐ横に、旧東海道線の橋梁であるパテント・シャフト製ダブルワーレントラスの 旧揖斐川橋梁があり、その隣には東海道本線の複線トラスがある。 『歴史的鋼橋集覧』には「A.&P.Roberts Co.製」とあるが、 のちのアメリカン・ブリッジであることは後述する。 98フィートのプラットトラスが道路をまたぎ、その向こうに巨大な200フィートの 曲弦プラットトラス5連がつながっている。 手前(大垣)側から塗り替えが進行中なのか、奥(樽見側)の上弦は錆びている。 せっかくのピン結合曲弦プラットトラスなのに、画面左の樹木が邪魔で ピントラスのアイバーのか弱さ、美しさが感じられないのが残念だ。 こうして2種類のトラスを比べると、平行弦トラスはよりも曲弦トラスのほうがずっと好みだ。 冷たさがない。 堅さがない。 この橋梁を走る樽見鉄道の列車の前面展望は非常に楽しい。 揖斐川を渡る鉄道は、地上のそれなりの高さを走っており、 両側の駅、すなわち東大垣と横屋は低い位置にある。 これがどうなるかというと、すごい下り勾配の向こう、 レールが左カーブしている先に駅が見えるのだが、 それがあまりに模型のような光景なのだ。 それが楽しい。 さて、アメリカン・ブリッジとの関係である。 『歴史的鋼橋集覧』には「A.&P.Roberts Co.製」とあるが、各種文献には 「のちにアメリカン・ブリッジに統合される」とある。 アメリカン・ブリッジはジョン・ピアポント・モルガンが28の企業を統合して作り上げた鉄鋼メーカーだが、その28分の1にしてのちにアメリカン・ブリッジペンコイド工場となったのがペンコイド製鉄所である。そして、そのペンコイド製鉄所の設立者が AlgernonとPercivalのRoberts兄弟であり、それをしてA&Pロバーツと称した。二人はペンコイド開拓者の末裔である。その他いろいろわかったので、まとめることができたら某事典にでもアップ ペンコイド製鉄所の後進、ペンコイド工場は、余部橋りょうのトレッスルを製造したと 各種文献で紹介されている。 なお、1913年に同名のベッセルがアメリカン・シップ・ビルディングにより建造されているので 混同しないように注意されたい。 迂闊にも、というか現地では第1連もアメリカン・ブリッジ製だと思い込んでいた。 だって、磐越西線の一連の橋梁は、こうした短いプラットトラスはおろか、 ガーダー橋までアメリカン・ブリッジ製なのだ。 そのため第1連の銘板のみを撮影してきたが、第1連は川崎造船所製である。 銘板は割れているが、こうだ。 |
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