伊豆大島の都立大島動物公園に行った。入ってすぐ、バーバリーシープとワオニツネザルを見ようと思ったが、そのエリア上空をまたぐ橋のほうが先に目に入ってしまった。この橋は「サル島橋」という。このエリアを「サル島」というからだろう、この橋の上から見下ろすと、動物たちをより間近で見ることができる。
ご覧のとおりの吊床版橋、公式サイトでは「吊橋」となっている。長さ62m。 歩くと、わずかに揺れる。グラウンドアンカーがどうなっているのか、確認していない…。 裏面。 公園や動物園は、ちょっと特徴的な橋がありがちなのかもしれない。 ・アドベンチャーブリッジ(栃木県) ・猿のための吊橋 PR 岐阜県丸山ダム付近はいろいろある。丸山ダムそのものもダム関係の方々には有名なようだが、これに目が釘付けになる。 まさかまさかの上路ボウストリングトラス!とか思ってしまうよね。思わないか。 ちょっと拡大。構造は吊り床版橋。吊橋の主塔をなくして路面の高さからケーブルを張り、当然それは弛むのだけれど、その上に吊床版を載せ、その上に、道路面が水平になるように上床版をかけるというもの。 この「のぞみ橋」は土木学会田中賞を受けている。その理由は、この構造にしてスパンが長いということによる。 たもとに立つと、こう。向かって右の吊橋は小和沢橋。現在は通行止め。 こののぞみ橋は、新丸山ダム建設のために架けられた。見ての通り、小和沢橋の通行制限が、総重量6t、幅員2mだったことによる。小和沢橋については機を改めて。 小和沢橋の側から。ちょっと「手入れがなされていない感」が漂う…。 対岸へ。画像右、フ型の付け根のコンクリートブロックがこの橋のキモだ。従来の吊床版橋は、吊床版を橋台(写真右端)に剛結していたのだが、こののぞみ橋では、吊床版と上床版をブロックに固定し、そのブロックに支承をかませて橋台に置いている。 端部を拡大。 銘板もある。「のぞみ橋」。ちょっといまいちな名前だ。新丸山ダム建設後は他の場所に転用する前提らしいが…。 橋台の側面にある、マジックインキの蓋みたいな出っ張りは、橋台を地面に固定しているケーブルの端部。 吊床版と上床版を結ぶ部材は鋼製でトラス構造。吊床版は、人間の重さならそのまま歩いて行けそうだ。 センター部分。とくにPCでできた吊床版を見ると、コンクリートが大空に浮いているような気分になる。 なお、肝心な、吊床版の「裏」の写真を撮っていない。というのも、小和沢橋もあわせて撮影していたら、けっこうな雨になってしまい、道でもないところを降りていく気にならなかったのである。言い訳がましいが、また行こうと思っている。 この「のぞみ橋」に関する土木学会の資料はこちら。 宇都宮に友人たちと餃子を食べに出かけた折、腹ごなしに八幡山公園まで歩いた。そこに「アドベンチャーブリッジ」「アドベンチャーU」なる、そこはかとなく興味が引かれる名称が案内標識に記載されていた。どうやら吊橋らしいのだが、行ってみて驚いた。主索で床版を吊る通常の吊橋ではなく、主索に直接床版を載せる鋼吊床版橋であった。 私の影が間抜けにも写っているが、太陽が低いのでご勘弁を。この向こうに「アドベンチャーU」がある。何かと思ったら遊園地だった。しかし、いまは閉鎖中である。 親柱を見ると、変な像がある? 左。これはなんだ。団栗の精か。 右。たたき割られた上に角が丸くなっているように見えるが、そんなことはあるまい。意味不明。自分の影がすみません。 前方向かって左に銘板がある。 ●右 アドベンチャーブリッジ 1998年8月 宇都宮市 小規模吊橋指針・同解説(1984年) 使用鋼材:SS400 製作:川田工業株式会社 ●左 塗装記録表 塗装年月 1998年9月 塗装会社 下塗 川田工業(株) 中塗 川田工業(株) 上塗 <同> 塗装材料 下塗 鉛系さび止めペイント 中塗 長油性フタル酸樹脂塗料 上塗 <同> 塗料製造会社 下塗 日本ペイント(株) 中塗 日本ペイント(株) 上塗 <同> 渡る。吊橋だからといって揺れることはない。手すりは、その接合部を見るとほとんど動くことを許容しないようになっている。 床版も、どこかに可動部分があるようには見えない。 そのまま対岸まで行き、振り返る。 そのまま後ずさりし、対岸側の親柱を見ると、やはり変なものがいる。 左。 団栗を立てている。 右。 なんだこれは。 ツイッターでは随時写真をアップしていたけれど、宇都宮は変なものが多い。ワンダーJAPANに「宇都宮ワンダー」とか言って特集してほしいくらいだ。 ここまで来ても、ケーブルは見ていない。幸い、真下にもぐれる場所があった。 どうですか、この5本のケーブル。このアドベンチャーブリッジは、この主ケーブルが5本あり、その下に耐風索(耐風のための補助ケーブル)が1本あるが、この場所からは見えなかった。このように耐風索が1本のタイプをモノストーム式というので、さしずめこの橋めモノストーム式鋼吊床版橋となる。 この角度で見ると、耐風索は見えなくとも、そこに至るハンガー(床版と耐風索を結ぶケーブル)はわかるだろう。 アンカー。 がっちりとコンクリートブロックに食い込んでいる。 ググると、現地には説明版があるそうだが、私は気がつかなかった。まあ、節穴だから仕方あるまい。 川田工業による技術解説はこちら。 またはこちら。 どうやら「日本初の、補剛桁を有する吊床版橋」らしい。そして「歩行者に遊び心と冒険心を持たせる」と紹介されている。遊び心はどうかわからないが、冒険心というのはちょっとわかる気がした。「冒険」というキーワードに似つかわしいのは、ガッチリ組まれたトラス橋やアーチ橋、あるいはスッキリした鈑桁橋よりは、多少は風で揺れる吊橋のほうがふさわしい。 親柱と、橋の名前が残念なだけで、非常に特徴的な橋に出会えてうれしかった。 ●こちらもどうぞ 宇都宮での収穫・天測点 |
カレンダー
最新記事
(01/01)
(12/31)
(11/20)
(11/11)
(11/05)
(10/26)
(10/25)
(10/22)
(10/21)
(10/20)
カテゴリー
プロフィール
ブログ内検索
アーカイブ
カウンター
since 2010.7.30
アクセス解析
フリーエリア
|