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新潟県において、「くそうず」という地名が「臭い水」を意味し、石油が湧くところであるというのは常識である。県内に何カ所か「くそうず」がある。黒川、西山、馬下、そしてこの新津だ。

 
 
新津のここには「煮坪」がある。ここでボコボコと湧いていたらしい。いまは泡がプク…プク…と出るような感じ。


(時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」の「新潟1911」((C)谷 謙二)をカシミール3Dスーパー地形と組み合わせて表示・切り出し)

1911年頃の地形図を見るとここは「高坪」という地名がある。ここには線路のほうから西南に向けて入っていくのだが、この先には「熊澤」という地名があり、「油井・ガス田」のマークがいくつもある。ここ秋葉丘陵の東側が、石油が湧く地域だったのだ。石油のある層が褶曲し、このあたりだけ地表近くに来ているらしい。


* * *

 
 
新津市街・能代川の土手に湧く石油、オイルキャッチフェンス。周囲は油の臭いが漂い、黒く湿った土も、油臭い。


天然ガスを引き込む個人宅もいくつもある。最近は利用されていないものも多いようだ。メンテ費用や汚染の危険性と隣り合わせではあるが、燃料代はかなり助かるに違いない。

 
個人宅に石油が湧いてしまい、その処理費用はその土地所有者の負担になってしまうというのは、おそらく行政的には想定外なのだろう。個人が1000万の単位で負担しなければならず、もちろんそんなふうになった土地は売ろうにも売れず…。


続く。

(2017年6月、路地連新津+路地連新潟+東京スリバチ学会合同FW)



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