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20121005_000.JPG国道4号が(←誤記と思われるので訂正します)阿武隈川を渡っていた橋である。4連のボーストリングトラス。現在、上流側に大仏橋が架けられ、国道もそちらに移され、南に向かう一方通行となった。

20121005_009.JPG美しい弧を描く上弦。

20121005_002.JPG北側から渡る。親柱がしっかりしている。

20121005_004.JPG左、「松齢橋」。

20121005_003.JPG右、「阿武隈川」。

20121005_011.JPG渡りつつ、振り返る。少しだけ見えているが、新道の両脇にも、この松齢橋の意匠を模したと思しき半円形の地下道の入口?らしきものが見える。

20121005_006.JPG南側、左側。「しょうれいはし」。

20121005_007.JPG南側、右。「大正十四年十二月竣功」。

20121005_012.JPG4連の姿。

20121005_001.JPG少し離れて。新しい大仏橋は連続ワーレントラス。支間を長くとり、阿武隈川の中に立つ橋脚が1組少ないのがわかる。

20121005_008.JPG桁の裏側。縦桁は3本しかない。また、かつてはもう1本、水道管が渡されていたのもわかる。


地下道(?)の意匠に見るように、この松齢橋は大切にされているようだ。末永くこの地にあり続けますように。


この松齢橋については『日本の廃道』42号に、TUKA氏による詳細なレポートがある。何を書いてもそれの転載にしかならないほどのすばらしいレポートだ。だから私はここでは写真しか載せていない。ぜひご一読を。




 
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20121008_001.JPG地図・地形図をはじめ、さまざまな媒体を通じて自在な視点を提供してくれる石川初氏の著書。Twitterなどで氏の考察が展開されていくさまをよく見かけるのだけれど(いや、とうに考察されたものを整理してポストしているのだろう)、本書はそれらの集大成である。「スケール」をキーワードに、目に見える、あるいは見えないものを「見る」ヒントが散りばめられている。

本書に書かれているひとつひとつの項目は、文字数こそ少ないものの、内容に触発されて自分で考えを巡らせたくなる良質なものばかり。いくつかは、大学の演習のテーマとして使われている。それに対する学生の発表も見事だ。

通底するテーマは、ものを見るときのスケールを切り替えること。この方法は、だれもがなんとなく知っているに違いない。ベストセラーの書籍を見ると「そういう切り口があったのか!」と感じることはよくある。スケールの切り替えは、切り口の切り替え。そして大切なのは、スケールを切り替える着眼点である。

世の中にはオリジナルの着眼点を持っている人はおそらくものすごくたくさんいて、それぞれ小規模に発信している。でも、それをもう少し広い場で発表する機会があると、「そうそう!」と賛同者が実にたくさん現れる。こうしたオリジナルの着眼点=スケール切り替え方法の知見の共有は、近年のネット/ソーシャルメディア/USTREAMなどの発達で楽しく共有されるようになってきた。この流れは、どんどん広がるべきだと思う。広がることは、視聴者・読者がそれまでに蓄積していた知識をさらに豊かにする。カルカルでのイベント『オレ鉄ナイト』で発表される数々は、この流れのひとつである。

まだまだこれからもたくさんの教えをいただくことになるだろう。そして、私も、また別の方面に、スケールの切り替えを提唱していきたいと思っている。10月14日のオレ鉄ナイト4に出るかも(連続で出過ぎているので自粛するかも)。本書との出会いに感謝。


20121001_000.JPG昔から、そこらじゅうにあった5連のイス(「ベンチ」は、狭義では横長の連続した座面を持つものなので、ここでは椅子とする)。2010年初頭に愛知県の愛知県の武豊駅岐阜県の中津川駅で見かけたものだ。見どころはふたつ。椅子と、看板だ。

20121001_002.JPGますはイス。冒頭写真のとおり、長手方向に3本の脚が出ている。片側の5連につき「王」の字のようなのフレームとなり…と思いきや。

20121001_003.JPG座面の下には2本、長手方向のフレームがある。

20121001_004.JPGたいてい、脚は地面にのめり込んでいる。ナットが見えるが、ボルトを地面に埋め込んでいるのか。

20121001_005.JPGこの座面は、あまり褪色が見られない。座面により褪色にはかなりの差がある。全国的に撤去されつつあるこのタイプのイス、その理由は存外こんな褪色にあるのかもしれない。

さて。

20121001_000.JPG再掲。もうひとつの魅力は、この看板である。長円形の看板もいいし、そこに手書きのペンキ文字があるのもいい。文字は、看板太丸ゴシックとでも名付けたい、国鉄時代の駅名表示板などでもよく使われていた「看板らしい」書体だ。

20121001_006.JPG褪色しやすい赤い文字に見る、筆運び。美しい。イスの劣化(のしてなさ)具合から考えても、この看板も相当古いものだろう。

20121001_001.JPG看板部分。板を貼り合わせてある。まるで、かつての小中学校の机の天板のようだ。ここに、看板をビス留めしている。


たぶん、30年後くらいには、こういうイスがあること自体が観光要素になるだろうな。

 
英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考(番外1-1)山形鉄道最上川橋梁
英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考(番外1-2)山形鉄道最上川橋梁
と並行して県道が走っていて、荒砥橋という橋で、最上川を渡っている。

20121002_000.JPG
カンチレバー・プレートガーダーである。といっても、それほど支間が大きくは見えない…。

20121002_001.JPG左に切れているのが碇着桁、その右隣りが吊り桁である。吊り桁がのしかかっている部分は、雨どいが2本並んでいるのでわかりやすい。また、画面内に山形鉄道の最上川橋梁が見えている。

20121002_003.JPG接合部を下から見る。右が碇着桁、左が吊り桁。張り出しは、たったこれだけ…。

接合部は剛結してはあるが、大きな地震があったらずれてしまうのではないか、と思うような…。

20121002_002.JPG並行して、上流側には歩道橋が架けられている。こちらは箱桁の通常の橋だ。カンチレバーではない。


20121003_000.JPG「ヴィジュアルブック」(裏表紙より)なのに、簡潔に、現在の世界の橋梁の潮流までわかる良書。原著はイギリスのもので、日本ではガイアブックス発行/産調出版発売、となっている。

内容は、第1章として材料、様式、用途、技術者たちということが紹介され、メ第2章がメインのカタログ。桁橋、アーチ橋、トラス橋、可動橋、片持ち梁橋、吊橋、斜張橋に分け、それぞれ10件ほど、写真とイラストで解説している。

20121003_001.JPGほぼ正方形の判型で用紙も分厚いため、ちょっと見開きの写真を撮りづらいのだが、このように、1見開きに1件、写真とイラスト、それに伴うキャプションがある。

ただし、翻訳者が専門家ではないのか、日本の用語にうまく当てはめていないものがある。たとえば「細分型トラス」という語句が頻出するが、分格の場合と、ワーレントラスに垂直材を付加する場合に使われている。また「パイロン」も、吊橋等の主塔の場合と、橋脚の上端の場合がある。たしかに英語ではdevided trussだったりpylonだったりするのだが、ここは日本の用語にしてほしかった。また、校正上の誤りも散見される。

とはいえ、ごく簡単に橋の歴史を見渡して、いまの橋を知るには好適だと思う。『世界の橋』のような大著を、思い切り簡潔にするとこうなるのかもしれない。(『世界の橋』は大変すばらしい本であるが、大型で高価で、それぞれの解説が詳細であるため、なかなか「見渡せない」)

誰に向けて作ったのか、そこに疑問はある。橋の専門家たちにはまったくものたりないだろうし、「なんとなく橋が好きな人」などは、ものすごく少ないだろう。しかし、こういう本があることで、少しでも橋のおもしろさ、美しさを紹介できるなら、とてもありがたいことだと思うのだ。

奥付の発行日に訂正シールが貼ってあるのはご愛敬だ。1995円。





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