地下道(?)の意匠に見るように、この松齢橋は大切にされているようだ。末永くこの地にあり続けますように。 この松齢橋については『日本の廃道』42号に、TUKA氏による詳細なレポートがある。何を書いてもそれの転載にしかならないほどのすばらしいレポートだ。だから私はここでは写真しか載せていない。ぜひご一読を。 PR 本書に書かれているひとつひとつの項目は、文字数こそ少ないものの、内容に触発されて自分で考えを巡らせたくなる良質なものばかり。いくつかは、大学の演習のテーマとして使われている。それに対する学生の発表も見事だ。 通底するテーマは、ものを見るときのスケールを切り替えること。この方法は、だれもがなんとなく知っているに違いない。ベストセラーの書籍を見ると「そういう切り口があったのか!」と感じることはよくある。スケールの切り替えは、切り口の切り替え。そして大切なのは、スケールを切り替える着眼点である。 世の中にはオリジナルの着眼点を持っている人はおそらくものすごくたくさんいて、それぞれ小規模に発信している。でも、それをもう少し広い場で発表する機会があると、「そうそう!」と賛同者が実にたくさん現れる。こうしたオリジナルの着眼点=スケール切り替え方法の知見の共有は、近年のネット/ソーシャルメディア/USTREAMなどの発達で楽しく共有されるようになってきた。この流れは、どんどん広がるべきだと思う。広がることは、視聴者・読者がそれまでに蓄積していた知識をさらに豊かにする。カルカルでのイベント『オレ鉄ナイト』で発表される数々は、この流れのひとつである。 まだまだこれからもたくさんの教えをいただくことになるだろう。そして、私も、また別の方面に、スケールの切り替えを提唱していきたいと思っている。10月14日のオレ鉄ナイト4に出るかも(連続で出過ぎているので自粛するかも)。本書との出会いに感謝。 さて。 たぶん、30年後くらいには、こういうイスがあること自体が観光要素になるだろうな。
英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考(番外1-1)山形鉄道最上川橋梁
英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考(番外1-2)山形鉄道最上川橋梁 と並行して県道が走っていて、荒砥橋という橋で、最上川を渡っている。 カンチレバー・プレートガーダーである。といっても、それほど支間が大きくは見えない…。 接合部は剛結してはあるが、大きな地震があったらずれてしまうのではないか、と思うような…。 内容は、第1章として材料、様式、用途、技術者たちということが紹介され、メ第2章がメインのカタログ。桁橋、アーチ橋、トラス橋、可動橋、片持ち梁橋、吊橋、斜張橋に分け、それぞれ10件ほど、写真とイラストで解説している。 ただし、翻訳者が専門家ではないのか、日本の用語にうまく当てはめていないものがある。たとえば「細分型トラス」という語句が頻出するが、分格の場合と、ワーレントラスに垂直材を付加する場合に使われている。また「パイロン」も、吊橋等の主塔の場合と、橋脚の上端の場合がある。たしかに英語ではdevided trussだったりpylonだったりするのだが、ここは日本の用語にしてほしかった。また、校正上の誤りも散見される。 とはいえ、ごく簡単に橋の歴史を見渡して、いまの橋を知るには好適だと思う。『世界の橋』のような大著を、思い切り簡潔にするとこうなるのかもしれない。(『世界の橋』は大変すばらしい本であるが、大型で高価で、それぞれの解説が詳細であるため、なかなか「見渡せない」) 誰に向けて作ったのか、そこに疑問はある。橋の専門家たちにはまったくものたりないだろうし、「なんとなく橋が好きな人」などは、ものすごく少ないだろう。しかし、こういう本があることで、少しでも橋のおもしろさ、美しさを紹介できるなら、とてもありがたいことだと思うのだ。 奥付の発行日に訂正シールが貼ってあるのはご愛敬だ。1995円。 |
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