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20120915_000.JPG三笠鉄道記念館は、すてきなところだ。欲を言えば、もっと近づいたり触ったり上ったりしたいのだが、それは仕方ないか。

ソ80形81である。古くからTOMYTECからNゲージの鉄道模型が発売されている。

20120915_001.JPG20120915_002.JPGこの手の事業用車両は、製造ロットによって、配置地区によって大きな差異があるのが常である。ソ81以外をみたことはないので、ソ81の特徴なのかどうかはわからないのだが、興味を覚えた機械的な可動部分を紹介する。

20120915_003.JPGまず、走行装置。3軸台車を2組備える。機器室内のディーゼル発電機を搭載し(エンジンはDMH17型)、モーターでブームやワイヤーを操作する。その電力で、台車に架装したモーターで自走もできる。3軸台車の左端と中央の車輪の間に歯車が見える。これが、自走用の歯車だろう。後端(画像右端)にはアウトリガが見える。


20120915_005.JPGキャブ後部。キャブの旋回には、小さな歯車を、走行装置上部の大きな歯車の外周を走らせることで行う。写真中央部にある小さな歯車がソレだ。

20120915_007.JPGキャブ前部には、このように四つの走行輪が備えられている。その左右にターンバックルがあるが、これは移動時にキャブが旋回しないようにするための固定具。2枚上の台車内の歯車を見せた写真を見ると、後端にもターンバックルが見える。

20120915_004.JPG真横からキャブの走行輪を見る。

20120915_006.JPG台枠および台車の前部のアップ。ここが大変に興味深い。

赤い丸の部分はそれぞれの可動部分が不意に動かないようにロックするためのピンが刺さっている。

右側のピンを抜くとアウトリガを下げることができるようになる。ハンドル(棒)を回転させると、ジャッキの要領でアウトリガが地面のほうに伸びていく。また、アウトリガ自体は線路の外側に開く構造。写真には写っていないが、確か、勝手に外側に開かないようにロック機構があった気がする。

左側のピンを抜くと、レールをつかむクランプを動かすことができる。写真ではペンチのようなクランプ先端が上を向いているが、これを180度回転させて地面に向け、上部に飛び出したハンドルを回転してクランプをレール面に落とす。そこから引き上げると、自然にクランプがレールをつかみ、転動防止となる。これは前後左右の四ヶ所にある。

ほか、ブレーキパイプの取り回しと連結器部分のブレーキホースへの接続、軸バネ(板バネ)とその固定、それらの破損防止ガードなど、ひとつひとつの部品が必ず役割を持って存在している。過剰と思えるほど他の部品を守っていたりするのだが、これは、こうした労働環境では必須のものなのだろう。

* * *

事業用車は趣味的にかなり厳しい部分だが、とりわけ貨車、なかでも操重車の暗黒っぷりは一番かもしれない。趣味誌に諸元などが載ったことはほとんどなく、ディーゼルエンジンがどういう形で載っているのか、その制御板はどうなっているのか、走り装置はどうなっているのか、そういったことは一切わからない。ましてや蒸気機関を積んでいた時代のことなど知る由もない。RMライブラリーで、操重車を特集してもらえないだろうか。



 
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20120913_000.JPG国道233号を秩父別から深川駅に向かうと、左手から道道281号が合流してくる。そこに、この給油所跡はある。給油所「裏手」が国道233号、写真手前の道は道道281号。右に伸びる道道は「幌加内 41km」と表示されている。

20120913_003.JPG国鉄のカプセル駅舎のようなサービスルーム。色の氾濫したコスモ石油の痕跡はすっかり消え失せ、むしろ他のブランド跡に見える。

まった同じ「窓/ドア」の配置が左右に並ぶ。左の上下隅にはRがあり、右にはないのがおもしろい。ドアが規格品だからだろうか。

20120913_004.JPG道道側の側面も開口部が大きくとられている。

20120913_002.JPG20120913_007.JPG地下タンクへの注油口でコスモ石油とわかる。

20120913_001.JPG冒頭の写真のように、少し離れて灯油用のスペース。ここだけ防火壁がある。なぜだろう?

 
20120912.jpg積丹半島東側、余市湾側にある滝ノ澗トンネルの旧道、東側に相当する。突然、道が断絶している。金網で封鎖されているのは旧道だ。

「向こう」から「こっち」に向かう形で、白い菱形がある。横断歩道等がある場合の注意喚起の表示だが、その存在もむなしい。

20120914_002.JPG
東明から西へ、道道美135号美唄富良野線が延びている。といっても富良野に抜けているわけではなく、美唄ダムを遡ったところで道路は途切れている。一般交通はその手前で遮断されているかもしれない。

道道に沿って、美唄鉄道の廃線跡がサイクリングロードとなって伸びている。美唄川の右岸にある。盤の沢という集落で支流をふたつ渡り、やがて美唄川を渡り、すぐに渡り返す。最初に美唄川を渡るのがこの橋である。橋梁名は不明。

この場所にかかる鉄道橋。
20120914_001.JPG20120914_000.JPG全然引けないのでこれで。

プレートガーダーなのだけれど、下部が補強されている。そして、本来は1スパンであるべきところ、補強の下に橋脚をあてがっている。ということは、この桁はどこかからの転用であろう。

床版は自転車道路にふさわしく舗装されたものに張り替えられている。

* * *

そのまま進むと、我路の集落。あまりの雰囲気に、写真は1枚も撮れなかった。廃屋が並ぶ中、焼き鳥屋があった。まさかと思ったが、中で人が動いていた。住民の気配がしないこの我路で商売が成り立つのだろうか、などと思っていたが、名物店らしく、わざわざ買いに来る人がいるようだ。美唄のモツ焼き鳥についても、今回初めて知った。

その我路の小学校跡地に我路ファミリー公園がある。無人だった。そこに、奇妙な橋があった。

20120914_007.JPG中路プラットトラス。床版を支える横桁は、ゲタを履かせて格点と接合されているように見える。

20120914_006.JPG引いて見る。3径間で、中央径間が中路プラットトラス、側径間は下路のPC桁。

20120914_003.JPG20120914_005.JPG20120914_004.JPG中路にする意味はないから、このトラス桁もどこかからの転用だろう。

* * *

隣接する三菱美唄記念館は、本来ならば営業中のはずだし、クルマの跡もあったのだが、開いていなかった。残念。




 
20120911_009.JPG三菱鉱業美唄鉄道といえば、4110形の払い下げが3両、同型の自社発注機が3両の合計7両が活躍していたことで有名だ。現在、東明駅が保存され、そこに2号機(自社発注機)が保存されている。

20120911_008.JPG線路側。美しい状態で保存されている。駅前にはサイクリングターミナルがあり、レンタサイクルがある…と思うが、いまやっているかどうか不明。廃線跡は自転車道路になっている。

20120911_000.JPGホーム。ポツンと、2号機。8月の平日だ、好き放題に堪能できる。

20120911_001.JPG20120911_002.JPG20120911_004.JPG残念ながら、運転台には入れない。

20120911_003.JPG動輪径が小さいので、加減リンクの位置がこんなに低い。

さて、本機で興味を引かれたのはブレーキロッド(制動引棒)である。

20120911_005.JPG写真は左が前。運転台の下にブレーキシリンダー(A)があり、制動軸腕(B)の前端(細いほう、写真左)を上下させると、後端(太いほう)に固定された軸を回転させる。それが、ロッド(制動引棒、C)を前後させる。

20120911_006.JPG後部から見た画像。以下、部品を見やすくするために画像を明るくしている。この太い軸が回転すると、そこに固定されたカムがロッド(C)を前後させる。

20120911_007.JPG動輪の間にロッド(C)が見える。ブレーキシューは(D)。ロッド(C)の上に見える帯板は、板台枠で、そこにブレーキシューの支持棒の根本が固定されている。

ひとつ疑問なのだが、ブレーキシューの上に伸びてきてる細い管は、冬期にシュー凍結防止用のために蒸気を噴き出す管だろうか?

20120911_010.jpg写真左が前。いちばん前の第1動輪にはブレーキがなく、第2から第5動輪にのみブレーキシューがある(D)。それぞれ、ブレーキシューの支持棒の長さや固定方法には差がある。また、ブレーキロッドも各動軸間の長さの棒が連結されており、要所にターンバックルがあって引きしろを調整できるようになっている。

砂撒き管(E)は、前進用としては第2動輪の前に、後進用としては第3動輪の後ろにある。

* * *

鉄道模型では、4110形または美唄4号機(この項で紹介したものではない)がトレインハウスからブラスが、マイクロエースからプラ製品が数回でている。どちらもリアルタイムで見ていた。マイクロエースの蒸機はプロポーションが破綻したものが多いのに、これらはスマートだった。買おうか迷ったけれど、買っていない。

いま改めてNゲージの蒸気機関車の加工をされている方のサイトで模型を見ると、実物では目につく場所だと思うのだけれど、マイクロエースは論外、トレインショップもちょっとディテールに埋もれている。残念。

N蒸機の世界
Nゲージ蒸気機関車

* * *

このあと、我路に向かった。我路は、とても印象深いところだった。我路については後日。


 


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