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20120905.jpg国道7号を青森港に曲がるところにあるENEOSの給油所。サービスルームと計量器が一体となり、キノコのような形になっている。もし休憩したいなら、きのこの軸部分に入ってもいいのだろうか。

過去、何度かここで給油したことがある。今回は夜景ということもあり、スタッフに断って撮らせてもらった。

夜景ということが、旅のイメージを醸し出す。タイムスタンプは22時36分。函館行きフェリーの出航は深夜2時40分。あと4時間ある。ターミナルはすぐそこ。時間はたっぷりある。まあ、半田屋で夜食とって、待合室で仮眠かな。



 
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副港橋梁(留萌)脇にかつてあったアラントラス?のつづき。

●関連記事
副港橋梁 留萌本線脇の廃橋梁

20120904_000.JPG昨夏は大雨の中バイクで移動していたので立ち寄れなかったが、今年は立ち寄れた。こんなだった。3主桁と、その横構が残っている。

中路橋のように見えるが、リンク先を見ると上路鈑桁のようにしか見えないので、実際にはこの上に床版を置いていたはずだ。

20120904_001.JPG横から見た主桁。

20120904_002.JPGかつては、こんな川幅でさえ、川の中に橋脚を建てなければならなかったのだろうか。後年の、つまり現役の橋梁はひとまたぎにしている。


 
20120902_012.JPG木曽森林鉄道の橋梁の遺構として有名な鬼渕橋梁。すでに製作から99年を経ている。道路用に転用されたが、現在はすぐ横(南側・下流側)に新しいランガー橋が架設され、いまは封鎖されて保存されている。なかなか引いた写真が撮れないのが残念。

写真左(西)から、上路プレートガーダー、下路プラットトラス、その向こうは上路ワーレントラスの3径間。それを、新しい中路のランガー桁はひとまたぎにしている。

20120902_007.JPGこのように。河床には脚を建てないに越したことはないので、完璧な「新道」である。

20120902_000.JPG方向が前後するが、鬼渕橋梁たるプラットトラスを西から。橋門口の、ふたつの大きな四角形+対角線がかっこいい。

トラスの左側(上流側)に歩道がある。これは道路橋に転用した時に増設したものだ。

20120902_001.JPG
左側に「鬼渕橋」と書かれた銘板が見える。

20120902_009.JPG20120902_010.JPG20120902_011.JPG歴史的鋼橋集覧によれば、最初期のリベット留め国産鉄道用鋼橋で、鋼材も八幡製鉄所製。1913年製だが、この数年前までは、まだアメリカ製のピントラス全盛期だった。

茶色く錆びたトラスの隙間から、床版を支える縦桁のピンク色が見える。これは道路橋に改造した際に追加した部材だろう。

こうして、100年前の、日本の製鉄の夜明けのような時期に生産された鋼材でできた橋が、錆ているとはいえ部材が欠けることもなくいまここにあるというのは、すごいことだと思う。

20120902_002.JPG東側の左側には、大正二年の横河橋梁製作所製作の銘板がある。右書きだ。右側には「鬼渕橋」の銘板があるが、前出のものと同じなので省略する。この銘板は、道路橋に改造した際に取り付けられたものだろうと推測する。鉄道橋には橋梁名の銘板がつくことはない。こちらにかつての西側の姿があるが、銘板はない。

続いて、西側の鈑桁。
20120902_013.JPGありふれた道路橋にしか見えない。

橋脚はコンクリート製に改築されたか、補強されたか。こちらにかの湯口徹氏の写真があるが、どちらの橋脚も石積みに見える。

20120902_005.JPG東側の上路トラス桁。橋台側含めてコンクリートで改修されたのだと推測。

20120902_006.JPG橋台側の端部はこのように補強されている。

20120902_003.JPG橋脚側にはその補強はない。

20120902_004.JPG真横から。

この鬼渕橋は木曽森林鉄道現役時から有名だったので、ネットでも多数の現役時の写真を閲覧できる。というのだから、ある意味、キソシンの象徴でもあったのだろう。その橋がいまあることを噛みしめたい。
 
一緒に「きっぷジャンケン」に出演したのが縁で仲よくなったイシトヤチグサさんの出演する舞台『しんや、にじ、くらくらと。』に行ってきた。芝居を見るのは十数年ぶり、といっても芝居をしていた友人のを何度か見に行ったくらいで、前回は猫のホテルの舞台だった(いまサイトを見たけれど、古すぎて載ってない)。

紙・電子問わず出版での表現を主として少しは映像に関心がある者として「芝居」を見て思うのは、芝居というのはいろいろな表現手法のいいところを取り入れることができる器なのだということ。代わりに、その労力たるやたぶん最大級だし、大規模な形で広がることも難しい。出版物や映像と異なり、現地に行かないと共有できないからだ。でも、仕方ない。映像(テレビなど)で、芝居の手法を取り入れたりすることがときどきあるが、私はあれは大嫌いである。伝わらないよ、無理だよ。芝居は「生」なんだ。



『しんや、にじ、くらくらと。』で圧倒されたのは、声と、身体での表現だ。見ている者をどんどん引き込んでいく。まるで役者と自分が同じテーブル、あるいは近くのテーブルで飲んでいて、会話に加わってもいいかのような錯覚に陥る。

ちょっと気の利いたレストランや飲み屋で、客に誕生日イベントをすることがある。店主導で、ケーキとかデザートをプレゼントするもので、店員たちが手拍子しながら客の元にやってきて、それにつられて店の中が一体となって手拍子をする、といったイベントだ。そのときのように、思わず、役者と一緒に叫んだり、盛り上げたり(そういうシーンなのだ)したくなってしまう。声が漏れてしまいそうになる。この引き込みようはすごい。



ストーリーは…予想していたのは、深夜二時の青春群像。でも、ちょっと違った。人は誰でも与えられたステージがあり、それを見守っている人がいるということ。気持ちが明るくなる青春の物語。そういうのは、40のおっさんが見ても、とても楽しいもので、感動するものだ。こういう芝居は、中学生などに見せたらいいんじゃないか? すばらしい教育になると思うのだけれど。


追伸:ストーリーについては、フライヤー等には一切書いてないのに、公式サイトに少し書いてあった。事前に見なくてよかった。。。
20120903_004.jpg今日は9月1日。ちょうど89年前、1923年(大正12年)に起きた関東大震災に関する労作である。ページを繰るのがもどかしくなる良書。「○○と鉄道」というタイトルの本がいくつかあり、いくつか読んだが、その多くがなかなか本題にとらわれて迷走する内容が多い中で、本書は的確に関東大震災と鉄道に関するいままでない(わけではないがメジャーだったり常識になったりはしていない)切り口で記述している。帯にはこうある。「89年前、激震と猛火に立ち向かった鉄道員たちの機転と勇気」。

関東大震災については一般的には被害だけが採り上げられることが多い。記録とはそういうものであろう。しかし、実際に大変なのは「その後」であり、完全復旧までの道のりである。そうしたことを採り上げたものとしては『人物国鉄百年』(青木槐三著)『国鉄を企業にした男 片岡謌郎伝』(高坂盛彦著)がある。とくに前者は本書と同じ「関東大震災と鉄道」という一節がある。これらを読んでいたので、ある程度の流れやエピソードは把握して本書に取り掛かったのだが、著者は『日本鉄道旅行地図帳』に関わっているだけに、評伝と記録をバランスよく記載している。

この手の本といえば、資料や既刊本からあらすじをまとめ直すだけでおしまい、ということも多い。しかし、本書は実際に丹念な取材をした上で書かれている。巻末に取材協力者の名前があることからわかるように、ルポライターのように(と私は感じる)地道な取材をしたと聞いている。そうした裏付けが厚みとなって出ている。また、ドキュメントの要素を含んだ本にありがちな、登場人物に会話をさせたりするようなことがほとんどない。リアリティを出すための会話調の部分は当時の新聞を引用するなどして、うまく、創作にならないように留意しているようだ。

私がもっともおもしろく読み進んだのは、第6章(最終章)「避難列車」所収の「救援に駆けつけた関釜連絡線」だ。その「勝手な行動」は感動的である。第6章は、全般的に東日本大震災後に三陸鉄道が復興の象徴として無料で運転を開始したというエピソードに重なるものである。そういえば、そのことを描いた漫画『さんてつ』も新潮社だ。

* * *

20120903_003.jpg本書には電子版が用意されている。いまのところアップル製品のみ対応しているようだ。うまくダウンロードできなかったので問い合わせ中なのだが、地図が表示され、そこから各ページに飛べる。各ページには、多数の写真といくつかの動画が埋め込まれている。内容は本書に関連したものではあるが、別物である。

写真を見るにつけ、被害のひどさを実感する。現在は地震対策が進んでいるため、関東大震災と同じことが起こってもここまで破壊されることはないだろうし、各地を襲い、被害者を倍増させた火災もいまほど起きないだろうとは思うが、果たして…?

ほぼ同時に、災害と鉄道を扱う新書が刊行され、それも読んだが、各社が講じている対策に「十分ではない」と難癖をつけているだけにしか見えなかった。そういうあげつらい方なら、災害対策にどれだけ投資しても「まだだ、まだ不十分だ」と言い続けることができるようなあげつらい方。内容も、土木や災害の専門家ではない人が調べて一所懸命書きましたという印象を含めて水増し感がとても大きい。この著者はこの本でもブログでも他者や同業者に対する嫌みを書いており、ちょっと見方が変わった。読まぬが吉。

* * *

本書の主旨とはまったく異なるのだが、おもしろい記述がある。のちの御殿場線の第二酒匂川橋梁の下り線で仕様されていた100フィート英国系ポニーワーレントラス2連が、タイのクワイ川橋梁に転用されたというのだ。まとめは御殿場線の橋梁群(1)3つの酒匂川橋梁概説を参照されたい。



本書のような、鉄道専業のライターではない著者が執筆した、鉄道に対する新しい視点を与えるものが、今後も続々と刊行されることを期待する。もちろん、鉄道ライター諸氏には、愛好者のための本を存分に書き続けてほしい。
 


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