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P8219598.JPG鉄道でいえば、井上勝から始まるトップと、小林一三や五島慶太、その番頭たちの物語…の、電力会社版である。自分の知らなかった世界なので、すこぶるおもしろい。いや、小林や五島も絡んでくるのだけれど。

現在は「9電力体制」になっている日本の電力会社は、戦時中に国策で統合されるまではかなりの乱立状態で、事業としても不安定な要素を含むものだった。そのなかで、異様な情熱を持ったカリスマたちが着々と勢力と権力を強め、日本を仕切っていく。そうした電力史を人物の面から、主として好意的に描いたのが本書だ。

それぞれがどういう人物か、生まれから育ち、職に就いてからの師弟関係などが、その人物の性格とともに、それぞれ細かに述べられている。そういう書き方だから、多少は色がついているだろうし、客観的事実を読み取ることの妨げになるかもしれない。それでも、こうしたことを把握するには、本来は評伝(掲載されているのは評伝がかかれるような人々がほとんどかもしれない)を読破しなければならないところ、簡単に把握できることはありがたい。

そういう書き方だから、いとも簡単に電力会社が設立され、資金が集まり、買収が成功していく。本書の読み方としては、あくまでおあらすじであって、そこから個々の人物の探求を始めるというのがいいのだろう。

刊行は2009年。東日本大震災の前なので、原子力発電に関することも、肯定的に書かれている。いまなら、そこにいろいろな配慮を入れざるを得ないだろう。そう考えると、本書は「震災前の電力史観」の集大成なのかもしれない。

カバーは左上から時計回りに松永安左エ門、藤岡市助、小林一三、岩垂邦彦、新井章治、福沢桃介。掲載されている肖像写真と見比べて同定しようとしたが、似顔絵が下手だから全部わからなかった。と思ったらカバー袖に書いてあった。


実は、本書とほぼ同じものが、帝京大学のサーバにPDFであがっている。
『電気事業家と九電力体制』。
https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/kshimura30.pdf

これをベースに、章立てを再構成したものが本書のようだ。ぜひご覧いただきたい。
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20120830_000.JPG北海道南部の北岸は、ずっとこんな光景が続く。新しいトンネルを抜けるとまたトンネルが見える。その海側には閉鎖された旧道の廃隧道が残る。明かり区間に出て左を振り向けば、いま走ってきた新トンネルに対する旧道と廃隧道が見える…。

写真は、いまいるのが磯谷トンネル、向こうにあるのが刀掛トンネル、その左の閉塞している坑門はイセバチトンネルだ。

20120830_002.JPG出て、振り返って。磯谷トンネルと、その海側には廃隧道。

20120830_001.JPGとてもシンプルな坑門だけれどとてつもない違和感があるのは、坑門全体が山から飛び出しており、すでにこの部分ではアーチの形状に意味がなくなっているからかもしれない。本来ならば、この坑門のこちらの面とほぼツライチで、地山があるべきだ。地山からヴォールトに力が加わらないのに、いちいち坑門にアーチと要石が意匠されているので、それが違和感になる。

右下には銘板があるのだが、現地では気づかなかった。節穴。

20120830_003.JPG振り向く(北を向く)を、刀掛トンネル。旧道がこちらからあちらへとつながっているのがわかる。

20120830_004.JPGあいにく廃隧道には行けない。金網で閉じられている。しかし、その向こうの閉鎖された隧道には「イセバチトンネル」の銘板がしっかりと残っている。まさか、銘板盗掘防止のためにこんな金網をつけているわけではなかろうが。。。

20120821_011.JPG豊浜トンネル(檜山)の南側に、この郵便局はある。

20120821_012.JPG真正面からは、郵便マークのサインもゆうちょのサインも見えないというのはお約束。

冷涼と思しき積丹の地でもクーラーは導入されているようで、つい、国鉄において、国鉄職員が乗る荷物車は被冷房なのに、郵政職員が乗る郵便車が冷房だったということを思い出す。もっとも、それは車内で区分をするために窓を開けられない(風で郵便物が飛散してしまう)ためでもあるのだが。

20120821_013.JPGすてきな郵政書体で「豊浜郵便局」。この書体がない局舎は撮っていない。
 
20120827_000.JPG寿都の市街から北に向かうと、歌棄(うたすつ)、種前という集落がある。両者を結ぶ国道229号に、こんな場所がある。

手元の2万5000図では、まだ旧道しかないのだが、更新が遅いのだろう。新道が開通したのは1987年だ。旧道となった種前トンネルは、完全に閉鎖することの多い国道229号沿いの多の隧道とは異なり、まだ口を開けている。

20120827_001.JPG大型車の車庫として。すぐ手前は漁具置き場、その手前(撮影地点の左後ろ)では、鉄骨造りの建物を建設中だった。

まだ7時すぎだた、建設工事中なので、ここで引き返し、向こう側から見ることにした。

20120827_002.JPG旧道よりも新道のほうが盛られている。

20120827_003.JPG旧道の手前には、大きな街灯が転倒していた。

20120827_004.JPG旧道。閉鎖されていないのも例外なら、扁額や坑門意匠もそのままというのも例外。扁額には「種前隧道」とある。意匠は、要石までしつらえてある。

ヴォールト内部、坑口側のみ鉄骨で補強されている。これは、地山が坑門を押す力が働くことによるヴォールト入口部分のひび割れを補修したものだろう。


20120826_005.JPG積丹半島を時計回りに回るとき、北西に反り始めるあたりに盃という集落がある。温泉もある。そこに、小さな青空給油所があった。2トンのローリーさえはみ出す大きさだ。

20120826_004.JPG背後は、海である。レギュラーの計量器が、ひとつ。右端のカバーのあるものは、灯油だろうか。その後ろには小さな小さなピット…なのか、それとも保管庫か。その計量器の上にだけ屋根がかかっているのも面白い。

通りがかったのはまだ9時前。店員さんは見あたらなかったが、周辺の商店が兼ねているのかもしれない。


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