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重油を運ぶ水管橋 東北電力新潟火力発電所が、かつての臨港線をまたいでいることは記事に書いたとおりだが、この水管橋と道路1本隔てて線路が放置されている。途中で分断されている箇所もあり、本当に放置状態である。その場所は真っ暗なので、少し南下した場所で撮った。

20120624_000.JPG横断歩道と並行するように、線路が道路を横切っていた…はずである。しかし、その痕跡は舗装の下に埋もれている。

20120624_001.JPG水管橋側を見る。線路内には雑草が生え、両脇は住宅街のため、敷地内が物置として、おそらく勝手に使用されていたり。

20120624_002.JPG角度を変えて。推測するに、レールはそのまま舗装で埋められたのかもしれない。

20120624_004.JPG警報機跡。灯火類はすべて撤去されている。

20120624_011.JPG影を落とす。

20120624_003.JPG反対側、すなわち焼島側を見ると、道路の街灯が、まるで線路沿いを照らす水銀灯のように一列に光っている。

20120624_010.JPG詰所も勾配票も残っている。あ、左に傾いている…(←修正しろよ)

20120624_008.JPG遠くに煙突が見える。地図を見たけれど、ちょっとどこの工場かはわからない。

すてきだ。


(昼間の様子は後日アップ予定)
 
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20120625_000.JPG6月20日、『月刊IKKI』の江上編集長から「『鉄道ファン大全』を見ました、磯部さんがやりたいと言ってたものと方向性が近いのかな?」というご連絡をいただいた。まだ発売前だったので、表紙を見る限りなんとも言えない。この本は、後述する内田宗治さんからも「出るよ」とお知らせいただいていたので、以前から気になっていた。そして今日、入手。

いい。すごくいい。

巻頭言では『十勝の森林鉄道』の著者・小林実さんを本書の象徴のように扱っている。わかる。わかります。

<参考>
『十勝の森林鉄道』(小林実著/森林舎)

いま、自分の中で温めている企画があって、それとは幸いにも少し違うのだけれど、おそらく方向性や、作り手の考え方は、同じだと思う。この本は、既存のB5判/A4判の写真中心の鉄道誌では絶対にできない。いや、それらはそれらで大切な存在だし、それを必要としている人も多いのだけれど、そこではない層を取りにいく鉄道書が、ほぼすべてそれらの本の方法論から抜け出せていない、というのが私の見解。それを突き破る方法のひとつが、この本だと感じる。編集長の田中比呂之さんに、くわしくお話をうかがってみたい。明後日の『地図ナイト3』でお目にかかれると思うけれど、お話する時間はあるかな…?

地図ナイト3~鉄道と地図道・今尾恵介と鉄道旅行地図帳
<参考>
『鉄道乗りつぶしナイト!!!』開催します!
『乗りつぶしナイト』ありがとうございました


本書の内容は、どれもとても興味深い。文字を追うのもものかしく、読み続けてしまう。個人的に嬉しかった記事をふたつあげる。

20120625_005.JPG「鉄道趣味メディア大増殖 平成鉄道趣味史」という記事。執筆は内田宗治さん、6年前まで私の上司だった方。その記事に、書泉グランデにこの人ありという鉄道書のご意見番的な存在、笠間さんが「印象に残っている本10冊」というコーナーがある。そこに、わが『鉄道の旅手帖』が入っている。とてもうれしい。

この本は私のアイデアだが、書名は内田さんによるものだと記憶している。最初はもっと説明っぽいタイトルだった。おかげさまで1年間で8刷という好成績。ただし、その後、「質の悪い」類書が多数出たために打ち止め。改訂したカラー版も出したが、初版ほどの爆発力は発揮できなかった。ただし、それは予想通りでもあった。

なお『鉄道の旅手帖』の装丁・地図デザインは、「鉄道趣味メディア大増殖 平成鉄道趣味史」で『鉄道廃線跡を歩く』のデザインを担当したということで談話が掲載されている道信勝彦さんである。これは、偶然。『~歩く』は出てすぐ買っていたけれど、それが道信さんの手によるものだとはまったく知らなかった。(当時はそういう見方をしていなかった)

<参考>
『鉄道の旅手帖』類似品


20120625_004.JPGもうひとつはこれ。『魅惑の鉄道ポスター』。ポスターそのものもすばらしいし、なによりもそこに描かれた文字の字体に目がいくのだれど、本論ではここに目が留まった。

「里見宗次作」。

里見氏は、アメリカにかつてあった機関車メーカー、アメリカン・ロコモティブのポスターを多数制作している。その記事が、『鉄道ファン』1981年11月号にある。執筆者は汽車会社の高田隆雄氏だ。20120625_003.JPGいまではwikipediaにも項目があるような里見氏だが、いまのように検索などできない時代、文末は「里見さんの消息はその後杳としてわからぬままに今日にいたっている.」となっている。里見氏の業績が広く日本で知られるようになったのは1990年代なのかもしれない。


ほかの多数の記事も、どれもすばらしい。これだけの本を作る労力は並大抵の物ではない。そこを読者に読み取れというのは無理な話だが、自分の編集者としての技倆を顧みずに言えば、この本は恐れを感じる仕上がりである。有象無象の「鉄道本を出せば売れるだろう」という世の出版関係者は、本書の爪の垢を煎じて飲むといい。


この本の第二弾が読みたい。しかし、自分のものが形になるまではやめてくれとの気持ちはもちろんあるのだけれど、そんなことではいけない、両者(まだ私のほうは目処も立っていないけれど)相乗効果で、趣味の世界を豊かにできればと思っている。がんばらねば!


 
20120622-999.jpg埼玉県の越生駅前。JRと東武の接続駅とは思えないような、地元のための駅。だから、駅前も商店街みたいなものはなく、民家や商店が少しずつ並び、路地もある。その商店も、なかなかに古びたものばかり…と思っていたら、明るい黄色が目に飛び込んできた。キグナス石油。

煉瓦タイルをまぶしく黄色と白でぬりつぶし、印象としては私はまったく好きではない。目が向いたのは、サービスルームの左側の壁に、円形を見たからだ。

20120622-998.jpgここだけ小さなタイルを使い、円形に仕上げている。おそらく、ここにはモービル石油のペガサスマークがあったのではなかろうか。大きさも、それくらいである。いまキグナスは三愛石油(理研系)の経営だが、三愛はモービルやESSOのブランドでも販売している。ここも、もしかしたら、かつてはモービルだったのだろうか。

そう思って@g_standさんにお聞きしたら、「仕入れ先の関係で、近年モービルからキグナスになった例は埼玉にとくに多い」とのこと。いつもありがとうございます。

gogo.gsに挙がっている写真を見ると、2007年の時点ではノーブランドだったようだ。ブランド店→ノーブランド店になる例はよくみかけるが、モービルからノーブランドになり、またキグナスというブランドに戻ったのはおもしろい例かもしれない。

なお、私はノーブランド店では給油しない。

 
20120621_001.JPG.JPG西新井駅の伊勢崎線ホームの南側(北千住側)は、古レール支柱による上屋がかかっている。断面はπ型。ここでは上り線ホームを紹介する。

北側(春日部側)は、新しい上屋。両者の差は、支柱の太さもさることながら、天井の高さがすごい。近年の基準なのだろう。西武池袋線の各駅も、高架化に伴う改築で、おそろしい高さの屋根に生まれ変わった。

20120621_999.JPG支柱ではなく、枕木方向の梁をまずご覧いただきたい。頂点は/\という形にレールを縦方向に曲げ、その下を二等辺三角形のアングル材で補強。支柱との接合部にもアングルをかましている。屋根の波板の下、線路方向の部材は角型のようだ。

20120621_002.JPG支柱同士をつなぐように使われているレールは、直線が1本、その下に台形のように1本。これが延々と繰り返されている。東武鉄道の駅で見かける上屋の支柱は、このタイプが多い印象。

20120621_003.JPGレール方向の部材と支柱とのつきあわせ部。支柱はレール頭頂部同士を向かい合わせていることもわかる。


続いて、大師線のホーム。

20120621_004.JPGこちらの断面はY型。しかし、そのセンターを線路方向に古レールが結んでいる。その形状は、伊勢崎線のそれとそっくりだ。

20120621_006.JPGY字が支えている部分。

20120621_005.JPGこの部分のレールはいろいろなものがあった。この写真の上のレールは1960年代の50kgレール。ひとつ前の写真には1927年の陽刻が見える。

20120621_008.JPGこのレールなど、偏摩耗がひどい。戦時中に酷使されたものだろうか。どのレールも、頭頂部の形状がおかしい。

ぱっと眺めたところ、1927年製のレールはそこそこあったが、1960年製のレールもまざっていた。他の年代や外国メーカーのものがあるかどうかは不明である。
20120619_000.JPGもっともかっこいいと思う蒸気機関車は、キューロクである。スマートなボイラが高い位置にあり、一方で短足と形容できる径の小さな動輪、そして1両ごとに位置がバラバラなエアタンクとパイピング。なぜキューロクの動態保存機がないのか、私はおおいに不満である。

デフはあってもなくてもいいが、あるなら切り詰めデフがいい。煙突は化粧煙突がいい。その後ろに給水温め器があるとなおいい。エアタンクは、少なくとも左は前方がいい。右は、コンプレッサーとの兼ね合いで前方でない場合もあるが、それはそれでいい。キャブ下のS字カーブはどちらでもいい。…となると、具体的には79618などがかなり近い。


これは、大井川鐵道の千頭駅構内に保存展示してあるキューロクで、49616。雨ざらしゆえ多少のくすみはあるけれども、容姿の美しさは毫も揺るがない。

エイ出版の『9600』、ひどいできのものが多いエイの本とは思えないほど普通に鉄道書だ。キューロクの専門書はなかなかないので、大切に眺めている。

20120619_002.JPG20120619_001.JPG
 


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