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20111016_000.JPG只見の街(といっても只見だから…)から東へ向かった。撮影ポイントとして有名な叶津川(かのうづがわ)橋梁の手前から、相当な被害が見えてきた。金山町の落橋地点にしろ、家屋への被害は眼に見える形ではなかった(すでに片付けが済んでいただけかもしれない)けれど、そこでは、明らかに被害を受けた家屋が立ち並んでいた。また、山側の沢から土石流が流れ出た跡がたくさんあった。

叶津川橋梁を過ぎたところの右側は、さらにひどかった。家のガラスは割れ、戸は開け放たれ、人は住んでいなかった。その先、土砂を除去する作業をしている先に、上の写真のような橋が見えた

20111016_001.JPG最初、手前側の桁が流失したのかと思った。しかし、望遠レンズで覗いてみるとそうではなく、橋台を残したまま、堤防部分が流失してしまっていることに気づいた。

アプローチ道路がどうだったのかはわからないが、鋪装はされていただろう。その築堤の、法面も、路面も剥がれた。そして、橋と繋がっていた土盛りが流失した。このアプローチ道路は工事中で、クルマが出入りしていたため、近づいての撮影はしなかった。

トラス桁に引っかかっている流木。あの高さまで水があった、ということにはならないけれど、漂流物はあの高さに達した。

20111016_002.JPG東側に廻って、西方向(上流方向)として見る。

この写真ではわからないと思うが、右側の建物の窓のいくつかは割れている。そして、建物の前の道は完全にえぐり取られている。国道の路面と只見川のふだんの水面は、2mくらいの差しかなかった(と思う)ので、とくに川幅が狭まったこの八木沢地区はひどいことになったのだろうか。

国道252号が通行止めになっているのは、これよりもう少し下流、会津塩沢駅付近以東である。



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五礼橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町













 
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20111015-06.JPGそそり立つ田子倉ダム(その向こうが田子倉湖)。手前の湖面は只見ダムが作り出す只見湖。二段構えのダムとして知られるふたつのダム。この、只見湖に架かる万代橋の1スパンが、平成23年新潟・福島豪雨で落橋した。

20111015-01.JPG湖面の標高は地形図にないので不明だが、万代橋たもとの道路に392mの標高点があるので、おそらく380m程度だろう。護岸部分には流木等のひっかかりが見えず、またトラス桁にもなにもひっかかっていない。もし、そのような状況であれば、このように「1スパンが落ちる」というのではなく、他の桁も流失する可能性も高いだろうから、只見湖の湖面はそれほど上昇しなかったものと推測する。

では、なぜこの1スパンだけ落ちたのか。それは、橋台側がごそっとえぐり取られたからである。桁の両端は橋台・橋脚によって支えられているが、その一方がなくなれば、落ちる。思い出すのは、新潟地震(1964年)の昭和大橋だ。








20111015-05.JPG橋台部分はこのようになってしまった。1m以上もえぐられた。奥の東屋の右にある立て看板が傾いているが、それも、片方の足の下がえぐられた結果だ。

20111015-04.JPG少し離れて、上流側から。只見ダムの堰堤の上の道路は通行可能なので、対岸に渡ることに問題はない。


20111015-03.JPG下流側から。

20111015-02.JPGトラス桁。このトラスをはじめ、万代橋は歴史的鋼橋集覧にも収録されているが、詳細なデータはない。

只見湖の中に、このように破損したまま不安定な桁を置いておくことは危険だと思うので、早晩撤去されるものと思うが、優先順位はもっと下流の被災地だろうし、どうなるのだろうか。


RoadExplorerさん撮影の、被災前の画像のリンクを貼っておく。この親柱もろとも、流された…?

・正面より
シチサン





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20111014-01.JPG
桁の流失はないが、橋脚が移動し、桁も水平方向に移動してしまった橋。写真は伊南川の左岸で、右が上流、左が下流。欄干が、見かけ上「>」型になっているので逆かと思うが、伊南川の流れは「←」である。

20111014-02.JPG欄干でもよくわかるが、鈑桁を見てもよくわかる。これくらい、「>」型になっている。

路面の継ぎ目がどうなっているか見たかったが、自重した。

20111014-04.JPG手前(左岸の橋台部分)の継ぎ目はこう。

20111014-03.JPG左岸上流側から。右岸側(向こう側)の橋脚がずれた…というわけではないようだし、左岸側(手前側)の橋脚が上流側に傾いたわけでもないようだ。冒頭の写真のとおり、左岸側の橋脚が上流側に移動したように見える。

橋脚の上端のコンクリートが欠けている。そこまで水が来ていたということか。



反対、右岸側。
20111014-05.JPG一見、なんともないように見えるが、取り壊され、架け替えられるのだろうと思う。しかし、それはいつになるのだろうか。



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20111012_0000.JPG只見川の支流、伊南川(いながわ)流域も、甚大な被害を出している。伊南川は、田子倉ダムの少し下流で只見川に合流する川で、遡れば旧南郷村(現南会津町)、旧伊南村(同)、そして檜枝岐村となる。檜枝岐村の中で檜枝岐川と名前を変える。只見川の、とても大きな支流である。

伊南川末端は、両岸に道路が走っている。南側が国道289号、北側が県道360号。両者を結ぶ橋がいくつかあるが、3本が使用不能となった。見た目の被害がもっと大きいのが、この小川橋である。ご覧の通り、中間の桁が2スパン、流失している。

南側から、対岸の残された桁を見る。
20111012_000.JPG左(下流側)に落ちている桁は、ひっくり返っている。

眼を川に向けると…
20111012_001.JPG橋脚が倒壊している。洗掘され、橋脚が流失したことで、上に載っていた桁が落ちたのだろうか。

詳細は後述するとして、落ちている桁。
20111012_005.JPG護岸がえぐり取られているさまが恐ろしい。

南側橋台の支承。
20111012_002.JPG20111012_003.JPG20111012_004.JPG上から、下流側・中央・上流側。三つある。

対岸に渡る。
20111012_007.JPG「通行止」の立て看板がある。

20111012_008.JPGちょっと進む。南側に落ちている桁。

20111012_009.JPGその手前の橋脚。

20111012_013.JPG南側の橋台。

その下(下流側)。

20111012_012.JPG左岸側(南側)に落ちている桁。やはり裏返しになっている。そして、大きな傷がついている。心なしか、歪んでいるようにも見える。


20111012_010.JPG桁の下をくぐり、右岸・下流側から桁を見る。

20111012_011.JPG真下から。このように、「向こう」がない。

下に降りてみる。

20111012_015.JPG砂地は川底の泥のようにふわふわしている。

桁の端が、ぐんにゃりと曲がっている。恐ろしい。

20111012_014.JPG端部を拡大。厚さ1cmほどの鉄板でできたI型鋼が曲がっている!

20111012_017.JPG

天を仰いでいる(裏側)をのぞき込むと、スティッフナーが剥げているのに気がついた。溶接のはずなのに…。

20111012_016.JPG中間部のフランジもこのとおり、ぐにゃぐにゃ。こういう部分は、落橋したときにどこかに打ち付けたのだろうか。




落ちている桁の大きさ、ぜひ実感して震えてほしい…。





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20111011_003.JPGこの第八只見川橋梁は「渡らずの橋」だ。蒲生岳の山裾が只見川に深く落ち込んでいるこの地点では路盤を造りづらいため、桟橋としてこの橋が架けてある。地図で見るとこうなっている。「とりつく島がない」のがよくわかるだろう。
20111011map.jpgカシミール3Dと山旅倶楽部の10mメッシュ標高データで作成)

上の写真はA地点である。

全18連、RC桁と鋼橋の組み合わせで、会津若松側の第1連~第8連はRC桁(T型断面)9.8m、第9連は鈑桁で31.5m、第10連は25.4m、第11連・第12連が62.4mのワーレントラス、第13連が31.5mの鈑桁、第14連・第15連が19.2mの鈑桁、第16連~第18連が9.8mのRC桁である。赤字のものは、飯田線からの転用桁で、ワーレントラスは天竜川橋梁、三信鉄道の発注である。第14連は不明。

第12連(右端のトラス)・第13連・第14連。
20111011_000.JPG電柱のような流木が、手すりを突き破って桁の上に横たわっている。

20111011_001.JPG第12連のトラス桁。やはり、桁の上に流木が横たわっている。

20111011_002.JPG第18連のRC桁が終わると、スノーシェッドとなる。この部分の地盤は人工のものだろうか。地形図や衛星画像を見る限り、土を盛っているように見える。

路盤の側面、壁柱とでも言おうか、コンクリートの壁面を抑えている縦の柱の上半分が折れて下に落ちている(三ヶ所)。これも直さねばならない…のだろうな。また、シェッドの中にも流木が入っている。

写真には撮っていないのだが、第1連より東側に、路盤が流失して軌匡が宙づりになっているところがあった。只見線は橋だけでなく、細かな被害を多数受けている。


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