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20110814-05.JPG8月13日(土)、待望の『廃道ナイト4(よん)!』がが東京カルチャーカルチャーで開催された。出演はヨッキれんさんと石井あつこさん(トリさん)。

過去のイベントレポートはこちらに。
廃道ナイト!(メインはORJにて<PDF>
廃道ナイト2
廃道ナイト3!!!

今回は、チケット発売が確か7月15日。しかし、18日にはチケットが完売していたと思う。カルカルで開催された過去3回はすべてチケット完売だったが、この早さは過去最速。異常。早すぎてチケット取れなかった方が、私の友人たちにも何人もいた。ざんねん! ざんねんさん!(後述)

20110814-03.JPG17時開場。私は物販ブースで『廃道本』ほかトリさんが作成したグッズ(後述)などの販売を担当。一緒にバドンさんが、このイベントでのコラボTシャツを販売(後述)。私もTシャツを購入し、着用して販売した。

18時、まだ外が明るいうちに、スタート! まずはヨッキさん入場、第1回と同様、自転車にて!
20110814-06.JPG(一眼レフを持って行かなかったのでシャッタータイミングが…)

本当は、横山店長から「客席を突き抜けて厨房(舞台に向かって左端)に突っ込んで折り返してこようか」という提案があったらしい。

続いて、トリさんの入場。
20110814-07.JPGこちらはおしとやかに、着物でしずしずと。いい対比だ!

20110814-08.JPGステージでのふたり。前回までは、ステージ上には出演者のほか、シンスケ横山さん(店長)が司会として上がり、進行していたけれど、今回は完全にふたりで進行する。会場内は熱気に包まれているなか、簡単に自己紹介。今回は、トリさんと「落とす」形で紹介。トリさんのキャラが確立していく…(笑)。

20110814-09.JPG第1幕『廃隧道で涼みたい』。

クルマでしか隧道に入ったことがない人は、ピンとこないかもしれない。隧道は、寒いのだ。とくに峠を抜ける隧道は、あちらとこちらで気温差も標高差もあるために風の通路になっており、気温が低いだけでなく風により体感温度も下がる。

今回、ミリンダ細田氏と、まずは現役の国道隧道で調査し、廃線跡の廃隧道で調査し、道路の閉塞廃隧道にたまった水の温度を調査し、最後に仙岩トンネルを調査した。その驚くべき考察。
20110814-13.JPG土被りの大きさが洞内気温を左右する。

普通に考えると、隧道の中央部がもっとも気温が低くなりそうな気がする。しかし、そうではなく、偏りがある。また、坑口近くでは、気温の下がり方が急激である。こうしてグラフだけを見るとなんてことないけれど、なんという「疑問力」と「考察力」だろう。これこそヨッキれんさんの真骨頂。


続いて好例の『道路ファンが選ぶ残念&粋な風景』。「ふれあい橋」やら道路にある看板やらの「残念」なものに注目していくもので、事前に募集がかけられていた。いくつか発表された中から、かいわれ氏のものを。
20110814-16.JPGざんねんさん橋」。由来は検索してのお楽しみ。いや、人が死んでる(たぶん)のにお楽しみ、というのはよろしくないか。

なお、帰宅後検索すると、「残念さん」は、幕末には一般名詞化していたようだ。参考→残念さん

続いて。
20110814-17.JPGこれはヨッキれんさんによるものだと思うが、どうしてこうなった。

20110814-19.JPG新潟県の中山隧道。最長の手掘り隧道として知られている。私は1997年頃、バイクで通ったことがあるが、その坑門がこんなふうに擬木で装飾されているのだ!

ところがトリさんが地元の人に話を聞くと「坑門が延長されて落雪の被害もなくなってよかった」というような反応が来たそうだ。鑑賞者と実用者(ただし、この発言は地元の人ではあるが、ぺらぺら話したがりの人らしい)との意識の差が出た一瞬。

第3幕は、noganaさんによる発表。
20110814-20.JPG四国で見つけた旧道にある背向クランクの話。この警戒標識の大きさが異常で、しかも三つ見えてる。いわゆる「饒舌な道」でもる。

次は「粋な動画」。20110814-21.JPG

バアアーーーン!

なんかすごいの来たよ! 栗子隧道が現役だ!
20110814-22.JPG前面展望もあるのだが、運転士がハンドルを右へ左へひたすら回転させている。当時は「思ステ」、さぞかし大変だったろう。

当然、路面はダート。いまでもダートだしな。この程度の旧曲線でもバスやトラックをフレームに収め切れていない。これが撮影された昭和30年代前半(たぶん)の機材の事情もわかろうというもの。

20110814-23.JPG山形側坑口の前に、オニギリがあったという事実。いまも残っていれば…。

この動画で現役当時の姿を店ながら、その合間に現在の姿の画像を挟
む。とてもわかりやすい、興味深い動画だった。なお、このフィルムでも、すでに山形側坑口は改修されて直線状になっており、初代坑口は「廃」として採り上げられていた。


次は「夏のオブローダー自由発表」と題して「連番名称の愉しみ」。
20110814-24.JPG鉄道では「第三十四閉伊川橋梁」「第四松川隧道」みたいに、「第○」という名称が使われる。対して、道路ではその例は多くない。ヨッキれんさんが見た中で、いままで一番多かったのは、JR北上線沿いの国道105号、黒沢1号橋~9号橋だ。なお、道路では、橋梁は「第○橋梁」、隧道では「○号隧道」となることが実感として多いそうだ。

なお、鉄道では、おそらく山田線の閉伊川橋梁が「第三十四」まであり、最多ではなかろうか。そして、その第三十四閉伊川橋梁は、東日本大震災による津波で流失している。


いくつか例が出たのだが、これはちょっと残念な例。
20110814-26.JPG片倉森であいトンネル、片倉木もれび橋、片倉紅葉橋…。ざんねん名前がたくさん。ほかにも、林業関係をイメージさせる名前、全12本の構造物にそれぞれ睦月、如月…と名付けた例などを紹介。そして、ちょっと不思議なのがこれだ。

20110814-27.JPGこれは、開通記念碑に刻まれた碑文の文字を抜き出したもの。なかなか凝っている。ヨッキれんさんは、これは好きだ、と感動していた。

20110814-28.JPG考察。この関連名称は、道路の個性ではないか。たしかにそうだ。鉄道の橋梁に、どう考えても個人の人名の名称を人為的につけることは考えられない。


ここで第一部終了。の前に、トリさんが作ったグッズの紹介。これでまた、物販コーナーもおおいそがしに。



第2部は、『熱中スタジアム』に出演したトリさんに聞く裏話。15分ほどの番組だったが、5日もロケをしたとか。トリさんは身軽にひょいひょいと廃道をあるき、道がない場所にも踏み込もうとすると、スタッフから「カメラがあるから無理…」(もしかしたら、安全への配慮かも)と言われて行けなかった場所がある等、こうした場ならではの裏話。

続いてあづさ2号さんのレポ。
20110814-29.JPG私も似たようなことをやっているだけに、恐ろしく楽しかった。

そして、いよいよ廃道ナイトのメインイベント、後述レポート。だ。
20110814-30.JPG正月からこんな恐ろしいことをしていたのか…と誰もが思ったレポ。なにしろ、岩場に刻まれた道が凍結しているのだ。

20110814-31.JPG場所は山梨県早川町。旧版地形図に隧道まで描かれた道が、まるまる現在では消えている場所。

20110814-32.JPG地図には隧道はひとつだったが、いくつも出てくる。

20110814-33.JPGこの道に関する調査はまだ完璧ではないらしい。しかし、かつてはこの道を浴衣姿の人が温泉に入るために使っていたとか、そんな驚く話が次々に出てくる。この、ライブならではのテンポがたまらない。おそらく、調査終了後、『日本の廃道』でレポートされるに違いない。


いつも通り(?)時間もオーバーし、なごやかにラスト。『トリの隧道連想クイズ』

20110814-34.JPG全10問。成績上位者にはトリさんお手製の商品がもらえる。

第1問は、とても簡単。三島通庸の写真や地図が3つ表示され、答えも三択。ところが第10問、ヒントは1枚の写真、回答は10択!

結果、全問正解者はなし。9問正解者が5名となった。

ここで、おひらき…から、二次会のスタート!
20110814-35.JPG乾杯!

20110814-36.JPG本編でやるはずだったけれど時間の都合でカットした、細田氏の「渡橋術四十八手入門」。なんだこの爆笑ビデオは!

細田氏が眺めて育ったとある廃橋で、さまざまな渡橋方法を披露する!

「梁渡り」「抱き渡り」「尻渡り」「ハイハイ渡り」「竹竿渡り」など、名称からその内容がわかろうと言うものだ。竹竿渡りは、植村直己が単独で南極に向かったとき、クレパスに落ちてもひっかかるように、自分の身体に竹竿を横にくくりつけて歩いたという話を思い出した。ビデオでは、林鉄規格の細いレールを手に持って歩いていた。なお、細田氏はいつも「スタスタ歩き」。

そしてこれ。机上の空論。
20110814-37.JPGベニヤ渡り。

2枚のコンパネを交互に敷きながら歩いて行く。無限軌道のようだ。もちろん、廃橋と出会うシチュエーションにベニヤ板など持ち込めないだろ!というツッコミが入る。なにより、重労働だ(笑)。

重労働すぎて、細田氏と、撮影役のヨッキれんさんはコンパネの上で横になる。そして、起きようとしたとき! プレートガーダーからはみ出ている部分には足か頭があるのだが、うっかり上半身を起こすと、コンパネごと落下する危険が! みなさん! 廃橋の上にコンパネ敷いて寝転がるのはとても危険です!

20110814-38.JPG本当のラスト。「竹竿歩き」で持っていたレールを、この廃橋に敷いてみた。これがやりたかったのだそうだ。

かつて、鉄道として機能していた橋。そこに、フェイクとはいえ、一瞬でもレールが載った。この感動を胸に、第4回廃道ナイト、終了!


物販について。

●廃道マグカップ(1000円)…トリさんのお手元に、まだいくつか在庫があります。お問い合わせを。→トリさんのブログまたはツイッター

●やまいが携帯ストラップ(500円)…黒と白があります。こちらもトリさんまで。

●「危険」Tシャツ/トートバッグ…ヨッキさんが来ていたTシャツと、同じデザインのトート。会場でもバカ売れ。各2280円+送料で通販開始! →マニアパレル

●『日本の廃道』(通常号)…「日本の廃道」まで。
●『日本の廃道』(バックナンバー/バックナンバCD#2)「日本の廃道」まで。

『日本の廃道』は、ヨッキれんさんとnagajisさんで編集しているPDF形式の同人誌。PC回線とクレジットカードがあえば、即、購入できます。これを読めば、ますます「廃道ナイト」が楽しくなる。直接のエールにもなりますので、ぜひ購入を。
 
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東京・神保町の南洋堂書店で開催されている東京の微地形模型』展に行ってきた。

20110811_001.JPGどういうものかというと、東京の新宿以西くらいの範囲の地形データ(国土地理院が提供している5mメッシュ標高データ)をカシミール3Dで読み出し、7500分の1にして立体的に起こしたもの。実際のサイズは1500mm四方、厚さは最大で60mm。高さは8倍強調としている。上の写真は、北を右として写している。わたしの東京の認識はこうなのだ。

地形はおわかりだろうか? 右上から手前に縦に流れる谷は、目白通りと神田川。上のほうが高田馬場。右下の盛り上がった台地は、JR山手線が上野を出て日暮里に向かう途中で車窓左に見える断崖、その上にある三つの四角形が不忍池。山手線の地形も浮かび上がるので、私は同定するのに皇居と高田馬場を用いた。

いままで、国土地理院が提供する5mメッシュや10mメッシュの標高データとカシミール3Dを用いて東京の地形を立体化して眺めては喜んでいたが、このように立体的になると、これはまた違った面白さや発見がある。主催者・制作者の店主・荒田氏がおっしゃっていたのだが、谷の両側の角度が異なるなど、一枚の静止画像であるカシミール3Dで描いたものからは気づかないことに気づくことに、驚いた。

20110811_000.JPG駿河台を真っ二つにする神田川。



この展示、お盆シーズンは終了が早めだが、27日まで長期間、展示されているので、ぜひご覧いただきたい。

なお、現地には、高額な『五千分一東京図測量原図』などが閲覧できるようになっている。
8月4日夜からさきほど(8月8日夜)まで、クルマで青森ねぶた、五所川原の立佞武多などを見て回り、新潟の実家に少しだけ立ち寄って、そこからはJRで帰京した。しばし更新できなかったのにこんなネタ。

写真家・中井精也さんのテーマ、「ゆる鉄」。写真展やポストカード、告知等で、赤い、丸っこいトラクター(?)が踏切を横切るシーンを覚えておられる方も多いだろう。これだ。昨日、青森県内でこれを見た…ような気がした。


20110808_000.JPG赤信号で止まっていたら、左方向から左折して私のいる線に入った。カメラを準備している間にこんな角度になってしまった。

20110808_001.JPG私の進行方向が青信号になって発進させたら、おもむろに道路を横断しはじめた。

20110808_002.JPG後続車両がいなかったので止まって写したり。

20110808_003.JPG

見れば、小型特殊のナンバーがついている。

さらによく見ると、中井さんの被写体とは少し違う。中井さんの方は、後方のファン(?)の外周にホースを巻き付け、さらに側面にホースを収納する溝があるが、私の撮ったものは、後ろのファン(?)の外周にまきつけているだけだ。


さてこの謎の赤いクルマ。検索を繰り返してやっと見つけた。丸山製作所製のステレオスプレーヤという、農薬散布車だ。サイトはこちら。

さすが農作業用機械、高いじゃないか! 安くても200まんえん近く、高いのだと700まんえん近い! そんなに高価なのに、それを微塵も感じさせない外観! 

カタログに見入ってしまった。丸山製作所、資本金46億の東証一部上場企業でしたのね。すみませんでした。。。




ずいぶん以前から気になっている地名がある。ダイソーの「北海道全図」という小縮尺の地図にも記載されている字名だ。もちろん、国土地理院の20万分の1地勢図にも載っている。ただ、現在はその字名はないようだ。

303213e9.jpg(DAN杉本氏製作のカシミール3Dを使用)

地図では「A」とした。

このような地名は、えてして地主にちなむ。ここがそうであるかはまったく調べていないが、まあ、似たようなものだろう。

では、その「16万坪」とは、どのような大きさだろうかというと、上の地図で半透明の赤い四角の部分「B」、これで16万坪である。16万坪とは、言い換えれば52万8000平米。ルートを出すと、約726.6m四方。なんだ、「16万」という言葉の響きからして、もっと大きいと思っていた。これくらいの土地なら、とくに農家ばらば持ってる人はゴロゴロいるだろう…。


ここで、私の夢を。私は、1km四方の土地を所有してみたい。その気になれば、そして選ばなければ、いまの生活をうっちゃれば入手することは可能なんだろうなあ、とは思っている。その理由はと言えば、100万分の1の地図(北東北の東西幅が15cmくらいになる地図)でさえ、1mm四方に相当するからだ。地図に載りたい、みたいな、空虚な欲求だが、夢のある欲求……だと自分では思っている。
副港橋梁 留萌本線脇の廃橋梁に関連して。

映画や映像に造詣の深い、写真家の丸田祥三さんと倉本聰氏の話をしていたとき、『駅 STATION』の話になり、血糊の話になった。この時期の木村大作氏の撮影した映画は、ピストルで撃たれると、血しぶきが水鉄砲のように飛ぶ…というのだ。そうだったのか。そう思って、以前録画してあった『駅 STATION』を再度、見てみた。

倍賞千恵子さんがとてもすてきなのだが、そんなことは割愛して、これだ。

20110730-2.JPG私のPCでは、VRモードのDVD-RWを読めないので、やむなくテレビ画面を撮影した。見苦しいのはご容赦いただきたい。

画面下、歩いているのは烏丸せつ子演じる「すず子」だ。でも、私の目は、右上の三つのトラス橋に釘付けだ。

いちばん向こう、端柱が立っているのが副港橋梁。今も廃橋として残っている。その手前が、留萌本線。いまもある。そして、その手前にあるのが…木製のトラス橋! というか、鋼と木の複合橋?

これは道路橋である。鋼製のプレートガーダーを、木製のトラスが補強している…なんてことは強度からしてもなさそうだ。トラスの横桁の上にプレートガーダーが乗っているようにも見えるが、横桁が朽ちて離れている部分もあるし、後述の理由もあるので、そうした構造ではないだろう。そして、いちばん注目点したいのは、トラスの組み方はダブルワーレンのようにも見えるが、基本はアラントラスになっている点である。

アラントラスについての参考:上士幌町の仙翠橋/アラントラス備忘録


画面に映っている範囲で書くと、

太い=上弦、下弦、端柱と同じ方向の斜材(/方向)
細い=端柱と逆向きの斜材(\方向)
鉄線?=垂直材

である。拡大してみる。
20110730-3.JPGモアレがひどい場合は、画像をダウンロードし、拡大・縮小してみてほしい。それで、ずいぶんと見え方が変わるはずだ。


実は、先の副港橋梁を訪ねたときには、この橋のことを知らなかったのだが、ちょっとだけ写っていた。
20110730-1.jpgプレートガーダーだけ写っているのがおわかりいただけるだろう。現地に行って、これに気づかない私の迂闊さがいやになる。

この道路橋は、いまはない。改めて地図を見ると、ここだけ道路が分断されている。そして、衛星画像を見ると、プレートガーダーだけ残っているのがわかる。



8月中に北海道を再訪することができれば、ここも見直しておきたい。


この橋の情報、求む!!!

==
2012.9.4追記
留萌本線の脇にかつてあったアラントラス?のつづき。


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