隧道手前は、やはりというか、峠特有の「次、曲がったら来る!」という感覚がある。
閉塞していることはないだろうと思うものの、
逸るような無理な平常心なような気持ちで進む。
強い風が吹いつけてきたら、視界に大峠隧道が入った。
山形側の光がすぐそこに見える。
意外なほど短いということだ。
水没もしておらず、安心した。
中は、寒い。
強い風が吹き抜ける。
まさに、福島と山形を貫く風穴。
隧道内で撮影大会。
小一時間もいただろうか。
結局、三脚もカメラもここでしか使っていない。
ここでペットボトルを見ると、まだ300mlくらいしか飲んでいない。
残念だったのは、『廃道本』で見た、隧道内の「通行止め」看板がなかったことだ。
隧道内には米沢の管理施設名(忘れた)の書かれた
柵状の足場パイプ(だったと思う、これも忘れた)があったのみだ。
山形側に出ると道は左右に分かれる。
地図を見た上、左に行くと、また左右に分かれる。
かなりの雨になったので地図が濡れるが、まあいい。
どちらの「右」も、地図には載っていない。
ここからしばらくはダートだか舗装路だか見分けがつかないところを進む。
いろいろなサイトで見たとおり、フェンスが道の上に倒壊しており、
その支柱の鉄骨を乗り越えながら進む。
道幅のほぼすべてに崩壊土砂が堆積しており、
崖側の白線とおぼしき線よりも外側を歩かざるを得ないこともしばしば。
ただ、基本的に下りなのが幸せだ。
都合1時間ほどですべて下ってしまった。
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