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昨年は大晦日も元日も仕事で、まったくそれどころではなくて端折ってしまった「轍のあった道アワード」。1年間に書いたブログを、自分で「これ、よかったなあ」と自画自賛し、かつ、もっと読んで欲しいので広めるために行うものだ。

2017年に書いた記事は91本。時期はかなり偏っている。これまた仕事の都合だ。6月の北海道出張で見かけて撮りためたものなどを書き終えたのはなんと12月。30日までの記事で91本しかない。
写真1点とコメントだけのものもあるが、それでも、みなさんに見ていただきたいものばかりだ。

今回は、【部門】を(適当に)考えて、それぞれの賞を設けた。大賞は最後に発表する。

【発見部門】

●発見部門賞

 
錆に覆われ、実際に「白看」だったかはわからない。それでも、林道内にこうした標識があるのはとても珍しいケースだ。


●次点
北海道で見かけたいすゞTW
 
岩手県を中心に、三陸での目撃談が多いいすゞ・TW。「釧11」ナンバーをつけた現役の車両が、行き止まり(その先は通行止めという意味)の林道に佇んでいた。


●次点
謎のカプセルハウス
 
「フローラ」というカプセルハウスがある。その仲間かと思うような建物(といえるのか)を、四国で4回見かけたのだが、情報がまったくない。ご存じの方いらっしゃいましたらぜひ。

【ドボク部門】

●ドボク部門賞

ドボクのすさまじさ
 
位置関係はこうだ。この林道をアンカーにして、地図上で見ると約1km対岸の崩壊地を望遠レンズでのぞき込むと、

こんな、圧倒的な世界が展開されていた。斜めに横切るのは作業道。緑の段々畑状のものは、これから植林がなされるということか。


●次点
架け替えられた親不知の歌高架橋
 
すっぱりと切り落とされている旧橋。いずれすべてがなくなるだろう。アクセスが多かった回。

●次点・橋梁賞
 
動物園や公園にある橋は、その目的からして歩道橋だ。歩道橋は、橋梁の世界でも独特で、鉄道橋や道路橋では見られない形式が展開されたりもする。この「サル島橋」は、吊床版桁。伊豆大島の、ほぼ客がいない無料の動物園にある。

【文化部門】

●文化部門賞

白馬村の青鬼(あおに)集落と青鬼神社
 

重要伝統的建造物群保存地区とされた地域に、いかにも神社への道という雰囲気の階段があった。登って登って登って登って…。高齢者しかいなそうな集落だが、この参道は、とてもきれいに整備されていた。


●次点

隣の建物が取り壊されると、そこに隠れていた防火壁のペイントがあらわになることがある。一度はパステルグリーンに塗られたのだろうか。

【地図部門】

●地図部門賞

GoogleMapsおいて「北海道」はパンケニコロベツ林道を指す

ベクトル地図では、地名を表示する際に、どこを基準にするか設定されている。市町村名は、ほとんどの場合は市役所または町村役場。しかし、県庁所在地の名称が都道府県名と異なる都市や広域地名は、おそらく図の重心にそれがセットされている。

「北海道」。ルート検索では、なぜか鉄道が選べないので自動車で表示。「北海道」は新得町のパンケニコロ川近くにある。「東京」は江戸川橋だ。

* * *

さて、いよいよ。

【轍のあった道大賞】 

鉄道・道路併用洞門 平岩洞門 
鉄道・道路併用トンネルといえば羽越本線の新五十川トンネルが有名だが、大糸線平岩駅近くに、鉄道・道路併用洞門があった。自分としては、「発見」である。この手の設備は、たいていは鉄道側からは気がつけない。道路側からも、それなりに注意していないと気づけない。

この洞門は、私の観測範囲では、触れたものを見たことがない。この記事をアップした後、ある方がわざわざ見に行ってくれたのもうれしかった。


2018年も、こうした「そこに行ってみたくなる報告」をブログにアップしていきたいと思っています。来年もよろしくお願いいたします。


●関連項目
2013年『轍のあった道』アワード
2014年『轍のあった道』アワード
2015年『轍のあった道』アワード











 
(SRTM30+Kashmir3D)

 
2017年のGPSログ。今年も、北海道・四国・九州ともに行くことができました。全部仕事ですが。うらやましいというなかれ。9泊9日車中泊の仕事、前後休みナシ4ヶ月、とかです。おまけに自分のクルマで行ったので、飛び石でフロントガラス破損修理代8万は自腹。これは、本来ならば仕事だから会社負担でレンタカーとしたいけれどもそれだとコストがかかりすぎるので作りたい本が作れない、という狭間の悩みなんですが。余録はグランクラスに乗れたこと。

北陸に伸びてるGPSログは、新幹線が2回、クルマが1回。久しぶりに直江津から富山あたりをクルマで走って、あのあたりはバイクツーリングでももうずいぶん行っていないのですが、ちょっとゆっくり回ってみたくなりました。例年、なかなか足を踏み入れない福井県にも行かねば。

2018年は、裏日本と瀬戸内に生きたい所存。


■関連項目
2016年のGPSログ
2015年『轍のあった道』アワード内の記事
2014年のGPSログ
2013年のGPSログ









 
大垣ICにほど近い、養老鉄道烏江駅には、パテントシャフト&アクスルトゥリー製のダブルワーレントラスの一部が保存されている。これは杭瀬川と牧田川を連続して乗り越す牧田川橋梁の、牧田川を渡る部分にかかっていた174フィート4インチのダブルワーレントラスだ。

 
作に囲われていて、触ることはできない。雑草越しに遠巻きに眺めるのみ。


製造は左沢線最上川橋梁と同じくパテントシャフト&アクスルトゥリーなのだが、横桁にレーシングが施してある。見るからに、後年の補強だろう。

 
なにしろ、ブレースが「ない」場所もあるのだ。

 
このような形で保存されている。近づけないのは残念だが、保存されているということは、
この橋梁が果たした役割が、非常に価値あるものと考えられているということだろう。


地理院地図の空中写真(1974~1978)を見ると、この桁が現役だったころの様子がわかる。右川の杭瀬川のほうが水量があるが、スパンの長いこの桁が渡っている牧瀬川はあまりない。


「今昔マップ on the WEB」中京圏編を見ると、牧田川が杭瀬川と分けられる前の地図を見ることができる。かつては両川がここで合流していたため、たびたびの氾濫があった。この烏江周辺も、輪中となっており、いまも田んぼは「堤防に囲まれている」ようになっている。


■関連項目
英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考の整理ページ














 
栗ノ木バイパス。信濃川の万国橋と鳥屋野潟付近とを結んでいた川を付け替え、埋め立て、バイパスとしたものだ。新潟バイパスの要・紫竹山ICと新潟島を結ぶ超重要な路線のため、非常に混雑が激しい。現在、完全立体交差化の工事が進行中である。

この計画は「都市計画道路 万代島ルート線」といい、柳都大橋の建設やその北側、西堀までつないだのもこの一環だ。

その過渡期の記録が上の写真。線路の南側だ。道幅66mほどに拡幅した後、両脇につけかえ、中央部に高架を建設する。両脇のは地域の道路となり、通過交通は高架を行くことになる。詳細は「くりのき通信」に詳しい。

 
ここで都市計画図を見てみよう(新潟市のサイトよりDL、回転させて真北をほぼ上にしたもの)。北側、万国橋付近までも高架化されると、「新潟市内の不可思議な道路」で紹介した東港線バイパスともつながるように見える。そこで左折し、ピア万代前の空きスペースを高架のまま進み、柳都大橋の現・上下線間に入り、信濃川を渡ったとろこで広小路の道と合流する。

その西端近く、いまは西堀広小路付近で終わっている感じがするが、そのままさらに西に進み、勝楽寺の墓地をどうするのか、そのあたりを直進してから左に折れて寺町の裏を進んで寄居町交差点に至る。西堀広小路から寄居町は、どのようになるのだろうか。







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