個人的には、国道352号といえば檜枝岐を抜ける道、というイメージを持っているのだが、旧舘岩村(現・南会津町)を東西に走る道でもある。この岩本橋は、そのルート上にある。伊南川に沿った国道400号から、その支流・舘岩川を遡る形で東へ向かい、中山峠を越えて国道121号とを結ぶ。 国道400号から東へ入ってほどなく、上の写真のように古い吊橋の主塔が見える橋がある。岩本橋。昭和39年竣功の橋だ。橋梁史年表によれば、この場所には1911年10月と1919年8月に橋が架けられている。形式は不明だが、1911年のものが8年後に架け替え(?)られているとすると、1911年のものは木橋、1918年のものはもう少し恒久的な橋か。とはいえ大正7年である。 西側の主塔。いまも電線を渡すのに使われている。現橋の桁裏を使えば、メンテナンスもラクだろうのに…。 東側の主塔。 このふたつの主塔、ちょっと藪が深くて近づけない。もし近づけたとしたら、竣功年の銘板を見つけたいものなのだが。 PR 只見川沿いの国道252号の横田から南下し、松坂峠を越えて国道289号とを結ぶ県道352号/153号が国道289号と出会う地点にある。伊南川のかかっている。写真は北側(下流川)右岸より撮影。このポニーワーレントラスが気になった。 こちら、道路橋。 こちら、歩道橋。 見つけたとき、このポニーワーレントラスが旧橋で、隣りに新橋が架けられたのだろう…と思ったのだが、ポニートラスはこのような溶接+ボルト留め。そして、国土画像情報で昭和51年撮影の航空写真を見ても、ポニートラスはない。 ということは、単なる後付けの歩道橋であった。 右岸の上流を見る。 中心付近を拡大。 橋台がある。 この橋台はいつの時代のものか。左岸にはないようだ。昭和39年のものにも写っていない。 こうして冒頭の写真を見てみると、同じスパンで桁の構造がまったく異なる。方や車道でワーレントラス、方や歩道橋でポニーワーレントラス。。負担する荷重、橋梁の幅・高さ等の違いだけでここまでの差になる、というのがよくわかる。 引き続き、第七只見川橋梁。上の地図には記載がないが、上流側に「四季彩橋」がある(航空写真に切り替えると見える)。その四季彩橋が、いまの只見側両岸の生命線である。 四季彩橋付近からは、このように見える。川の流れは画像下から上方向。右が右岸、会津川口方面。左が左岸、只見方面。 右岸には残った桁と橋脚があり、川の中には転げ落ちたトラス桁。左岸の断崖には、レールが垂れ下がっている。第1連~第4連は無事で、落ちたのは第5連(支間22.3mのプレートガーダー)、第6連(77.5mの上路ワーレントラス)。 トラス桁から見ていく。 上路トラスだった第6連。線路があった面が左、底が右。ご覧のとおり、向こう側が歪んでいる。こうなると、廃棄だろうか。 拡大すると、左下の、桁のコーナーには支承が見える。一部に枕木が残っているのも見える。下横構は、左からふたつめのパネルでは歪んでいるように見える。 少し右に振る。 レールは残っている。 さらに右。 このあたりはまだ歪んでいるように見えない。これより右(この場所からは取れない)が歪んでいる。 再び引く。 こうして見ると、トラス桁がねじれているのがわかる。 右の橋脚の支承を見ると、置くのはすべて引きはがされているが、手前のは下部が残っている。そして、それに草木が絡みついている。 さらに引く。 引き抜かれた、橋の上にあったレール。手前側(只見に向かって左)のレールはジョイント部で分断されているが、奥川(同右)は、そこからさらに1本分、レールがつながっている。すなわち、枕木から引き抜かれている。そして末端が、滝(?)に洗われている。よく見ると、継ぎ目板がついている。 残っている第4連。第5連(プレートガーダー)は、第6連に載せかけるように架かっていた(第一利根川橋梁のようにはなっていない)ので、第5連も、第6連とともにもっていかれたのだろう。 3脱線防止ガードを含めて4本のレールが敷かれていたが、垂れ下がっているのは3本。なぜだろう。 残っている桁に、下から近づこうとしたが、藪に遮られて無理だった。 回り込んで、残っているプレートガーダー。歩み板の一部がめくれあがっている。台風の風のせいだろうか、樹木が線路にもたれかかっている。 振り向けば、こう。 夏の期間中、放置していたのだら、当然だ。しかしつらい。 【関連記事】平成23年新潟・福島豪雨で被害に遭った橋梁群の記事 (金山町側) 西部橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 国道252号 二本木橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 田沢橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第五只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第六只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第七只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) (只見町側) 只見線 第八只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 小川橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 楢戸橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 万代橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 五礼橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町
10月2日(日)、カルカルで開催された『オレ鉄ナイト』に参加してきた。
このイベントが開催されると聞いて、すぐ企画者の武田保志さんに「出たい!」と伝えた。話したいことは山ほどあるが、とくに話したいのは、鉄道と地図との関係。鉄道は地形とは密接な関係を持つのに、それを「地図」で見てしまうと、あまりおもしろみを理解してもらえない。だが、鳥瞰図で見ると、鉄道路線が峠を越えるときは、川を遡り、登り切れなくなったところでトンネルに入って峠の下を抜け、向こう側の谷筋に入る…というのがとてもよくわかる。そこから、さまざまな想像が始まる。これを伝えたい。 かつて、そんな本を作った。『カシミール3Dで見る・自分で描く 空から眺める鉄道ルート』だ。2006年の刊行で、書店には在庫しているはずなので、ぜひご覧いただきたい。著者は松本典久さん、写真はRGG(ほとんどが荒川好夫さん撮影)。そこに、この鳥瞰図を自分で作れるソフト「カシミール3D」と地図データ、その解説(すべて杉本智彦さんによる)が入っている。 当日は15時に会場入りし、リハ。 おお、伊藤壮さんの「彫り鉄」が図らずも見えている。(撮影時点では、壮さんが何を出すのか秘密にされていた) 17時30分、第一部スタート。私はステージに向かって右端で、写真家の米屋浩二さんと一緒に観覧していた。 ・栗原景さんの『ほろ酔い鉄』 ・ヤスコーンさんの『寝台特急鉄』 ・武田さんの『社長公募鉄』 そして第二部。私が一人目。けっこう緊張する。一人目だし。 自分がステージに上がっている写真は、米屋さんが撮ってくださった(ありがとうございます)。足閉じろよ>自分。 十数ページのPDFと十数枚の画像を用意していったのだが、思った以上にコメンテーターたち(第一部の方たち)との会話になったので、実際はステージ上でカシミール3Dを操作することに終始した。お見せしたのは、タクさんが話した越美南線・越美北線を結ぶショートカット(油坂峠)ルートの鳥瞰図。これでカシミール3Dに興味を持たれた方は多いと思うので、ぜひこういう楽しみ方を試してみて欲しいなと思う。 ほとんど未発表となった画像はこちら。 (Frickrにアップしてあるので、ジャンプ先からご覧ください) 第二部は、こう。 ・レオンさんの模型動画鉄 ・しろうまりもえきちょうさんの中の人鉄 ・伊藤壮さんの彫り鉄 ・松ヒトシさんのオブジェ鉄 ・やまもとさんの旅人鉄+写真 ・佐藤弘樹さんのスポーツ撮り鉄 松さんの「オブジェ」がすごかった。 8630。こういうものは、バルブギアの仕組みや位置関係等を立体的に把握していないと、作ることはできない。なおかつ、大胆なデフォルメもお見事。 クリスタルのC11は、砂撒缶がボイラケーシングとサイドタンクの間を通る様子などまでわかる。いろいろと製作のお話もお伺いしたのだが、ほんとにすごい。 壮さんの彫り鉄。 (ほかの皆さん、写真撮ってないのですみません)。 出演者で集合写真。 . このイベント、会場のお客さんも、UST見ている人たちも(かなり多かったようだ)、口を挟みたくてうずうずしているのがよくわかった。横山店長はまたやる!と言っているので、次回ももちろん申し込む。 好きなことについて話すのが、こんなに楽しいとは思わなかった。次は倍率上がるかな? 当日のTL(togetter) |
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