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第六只見川橋梁。テレビのニュースですぐ上流の本名ダムからのものすごい放流が映り、時間の問題のようにも見えていた橋。やはりというか、落ちた。そのときの映像や画像はネットにずいぶん上がってたと思うが、ちょっといま見あたらない。ニュースサイトものきなみ削除されている。

場所はここ。


本名ダムの堤体の上が国道252号で、そこは問題なく通れる。その手前、ダム下流左岸側からはこう見える。
20111002a_002.JPG川の中央に、落ちたトラス桁。右に橋台。左の樹木の向こうには、残っているプレートガーダー。画像の左が左岸、会津川口方面で、右が只見方面。画像下の草が生えている部分は、旧道かもしれない。

線路の高さに行ってみる。
20111002_000.JPGトラス桁が落ちていて、その向こうに隧道の坑口が開いている。

20111002_003.JPG本名ダムとはこの近さ。豪雨の日は、放流する水のしぶきがこの線路の高さまで上がっていた気がする。


20111002_002.JPG上記地図には記されていないのだが、国道252号左岸側から本名ダムに行く道がある。そこから見た光景が上記のもの。

左に大きく破壊された護岸。その少し上(高台)に民家が数軒。かなりギリギリのところで助かっている…と思いきや、ごっそりとえぐられた部分で家屋が(確か)4件、流されている。その場所では、私が行ったときには重機3台でさまざまな作業を行っていた。

20111002_001.JPG流失したトラス桁はこのようになっている。

寄ってみる。

20111002_004.JPG20111002_005.JPG左が「上」。一部に枕木が残っているのが見える。右が「下」になる。

トラス桁は、他の只見線のトラスと同じ77.5m。過去に落橋したトラス桁を引き上げて再使用したケースはいくつかあるのだが、ここはどうなるのだろうか。

その向こうには、プレートガーダーが落ちている。
20111002_009.JPG径間16mの第6連か19.2mの第8連である。流失したのは第6連から第9連で、第5連までは残っている(後述)。

ダムに少し近づくと、第1連~第5連が見えてきた。こんな位置関係だ。

20111002_006.JPGもう少し近づく。

20111002_007.JPG鈑桁の先端(左端)から川に向かって、こんな角度でレールが川に落ちている。桁の下に「/」という角度で落ちているのは通信ケーブル。

20111002_008.JPGレールが落ちていくさま。「飴のように曲がる」という表現が使われるが、そういう表現があてはまる。

20111002_010.JPG見上げて、飴の出所。橋脚には銘板がある。

第六只見川橋りょう
設計 新橋工事局
施工 K.K.間組
設計荷重 KS-15
基礎工
基礎根入 天端から22.0M
着手 昭和31年9月16日
しゅん工 昭和31年10月9日

橋脚は3週間ほどでできたということか。ずいぶん仕事が早いなと思う。

20111002_012.JPG第5連を見上げる。左が会津川口方向、右が流失した桁方向。

このプレートガーダーの上でも、レールが引きはがされている。一部の枕木は場所が変わっている。

20111002-888.jpg対岸に見える、橋脚と隧道。隧道内から、支えてくれるものがなくなったレールが垂れ下がっている。また、橋台付近、護岸のコンクリートの、とくに右側が破壊されているのがわかる。川は右から左に流れている。






























本名駅。
20111002a_001.JPG20111002a_000.JPG上が只見側、下が会津川口側。

たまたま、初老の男性が通りかかった。話しかけようとしたら、先方から「電車はこないよ」と声をかけてくれた。

「電車(何度も「電車」と言った)が来ないと困る。ここらは年寄りばっかりで、クルマの運転ももうしない人もいる。そういう人たちにとって、只見線がないと病院へ行けない。会津若松まで一日がかりになるけれど。クルマがある人はクルマを使うけれど、そうじゃない人には電車しかない。早く復旧してほしい」



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只見線の橋梁を舞台に撮影された鉄道写真は多い。画像検索すれば、蒸気機関車時代の写真からつい最近のものまで、たくさんの画像がアップされている。その橋が流された。ここより上流の第六、第七只見川橋梁とともに。

20111001_000.JPG画面右が会津川口、左が只見。右端、第1連のプレートガーダーが流失している。後述するように、橋台付近にダメージを受けている。写真のとおり、第1連側がカーブのアウト側になっており、先の豪雨のようなときにはここ(とイン側の川底)に力が集中する。

歴史的鋼橋集覧
によれば、第1連と第5連の鈑桁が25.4m、第2連のワーレントラスが只見線共通の77.5m、第3連と第4連の鈑桁が31.5m。設計活荷重はワーレントラスのみKS15、他はKS-12だ。とはいえ、DD15の入線実績はある(最近では中越地震の際にあった。ほくほく博士参照)。もともとは電源開発の専用鉄道として開業し、その後、国鉄路線として転用されたものだ。

アップしてみる。
20111001_001.JPGこのような状態になっている。レールはそのままに、鈑桁だけがもっていかれた。枕木は鈑桁とボルトで固定されているはずだが、それはおそらく簡易な固定だと思うので、こうなったのだろうか(→参考画像)。また、この弛んだ分、前後のレールが引っ張られていると思うのだが、それはどうなのだろう?

ワーレントラス部。
20111001_002.JPG
こちらは異常なさそうだが、橋脚等もすべて点検するのだろうな。

ワーレントラスの向こうに、何か見える…。

20111001_009.JPG流失した鈑桁だ!

ところどころフランジが凹んでいる。流れてきた石に洗われたか。

重さが数十トンはある31mの鈑桁。橋台が水流になぎ倒されたあと、水流に押されてあの位置まで流されたのか。いずれ、この桁も解体されるのだろうが…。

第3連から第5連。
20111001_003.JPGこちらは無事のようだ。第5連は見えていない。


第1連に近づこうとして、築堤に上がった。

20111001_006.JPG(会津川口方向)
2ヶ月でこれだ。廃線跡のようだ。線路は錆び、枕木は乾ききっている。場所によっては線路も枕木も見えないほどの緑に覆われている。いつもは除草しているからか、ここまでになることはない。
橋梁側。

20111001_007.JPG橋梁の手前には鉄杭が打ってあり、ガードロープで立ち入り禁止のような処理がなされていた。

写真に見えている「落ち込んだ場所」は、川の水にえぐられたままであり、いつ崩れるともわからない、。近づかないほうがいい。

20111001_008.JPG横から見るとこんな感じ。右岸(写真手前側)の護岸は軒並み破壊されている。

20111001_011.JPG望遠で見てみる。橋脚の、天端から1mほど下以下が黒くなっている。あそこまで水が来たのだろうか。レールがつながっている様子を見ると、この桁だけが、引っこ抜かれたように流失したのかな…と思えてくる。

20111001_010.JPG橋台。おそらく、もともとあった位置からずれている。その裏に込められていた土というか護岸がなくなっている。支承ももぎとられているが、支承を単純に取っ払ったのではなく、くっついているものをむりやり剥がしたかのように、支承(の下側)がズレてしまっている。

足下が崩れる可能性もあるので、これ以上は身体を乗り出せなかったし、周囲を撮り用がなかった。

言えるのは、右岸側は、相当に破壊されているということ。テトラポッドはみなバラバラの方向を向いている。そんな中で、この鈑桁が流失したのだ。

豪雨当日に、第五只見川橋梁がこうなった、という画像をtwitpicかどこかで見かけたが、川の水があそこまで来ているときに、この場所に立った人がいるのか。無謀すぎる気がしてきた。




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1998年頃まではダートだった国道400号舟鼻峠(ふねはなとうげ)。狭隘な道で見事なつづら折れが連続していた峠道だったが、2009年10月16日に「田島バイパス」として開通した。直前の2009年9月にはその周辺をバイクで走っている。

20110930-888.jpgいつからかわからないが、旧道部分が閉鎖されていた。

旧道部分には、そこから西へ延びる大窪林道への分岐があったはずである。大窪林道は林間の斜面につけられたアップダウンのあまりないダートで、十数kmはあったと思う。川砂利かとおもうような丸い石で、いつも路面は湿っている印象がある。その道はどうなったのだろうか。

船鼻峠の北側にある旧道への分岐も塞がれていた。写真を撮っておけばよかった。


田沢橋は、渡ろうとしたら「なかった」橋である。架け替え工事をしているので、旧橋を撤去してから新橋を架けるべく工事をしているのかな…と思って近づいたら…

20110930_000.JPGこれは右岸から。新しい橋はすこし高い位置にするのか、築堤になっていて、橋桁がまだ渡していない状態。

ここからはこれ以上見えないので、反対側へ廻る。

20110930_001.JPG通行止めの様子。左の青いネットが張られている場所が、新しい桁が架けられる場所。右の橋脚がある部分が、旧橋があった部分。

20110930_004.JPG冒頭の「落ちたプレートガーダー」が反対側から。うーん…。視線を右(下流側)にずらすと…

20110930_003.JPGトラス桁が落ちてた。左岸に貼り付くように落ちている。

20110930_006.JPGそのままさらに視線を川の中程へ。これも落ちたトラスだ。

さらに右。
20110930_005.JPGくちゃっとつぶれたトラス桁。

全貌はこんな感じ。
20110930_002.JPG.

金山町のサイトに、やはり落ちる直前の画像があるので転載する。
20110930-999.JPG



金山町のサイトより転載)
これは右岸・上流側から撮っている。

新橋の橋脚は上流側にあった。これは幸いだったのだろうか。もし下流側にあれば、流失した橋桁は橋脚にぶつかって損傷させたに違いない。

それにしても。

いま、只見川の右岸と左岸は、四季彩橋一本でつながっている。もしこの四季彩橋がなかったら、西部や大塩の集落へは、延々とR352を只見町まで迂回して入らなくてはならない。奇跡の1本が残った。



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豪雨当日、只見線の橋梁流失と同時に「二本木橋もやられた」という情報は割と早い段階で入ってきた。テレビのニュース等でやっていたのかもしれない。二本木橋については、歴史的鋼橋集覧にあるのでそちらをご覧ください。

流失前の写真が、金山町のサイトにある。
20110928-999.JPG金山町のサイトより転載)

こうなったら、上路アーチはその付け根を直接水流に襲われるわけであり、流失の危険性は桁橋より格段に高いのだろうなと思う。

只見川は、川幅が広くなったり狭くなったりする。通常、極端に狭くなった場所を「銚子の口」などと言うが、この二本木橋は、そこまでではないものの、比較的狭くなっている部分に架けられている。

国土画像情報より1976年の航空写真


現況、南側から。
20110928_000.JPGさすが国道というか、まあもう2ヶ月近く経っているのだから当然かもしれないが、しっかりと塞いである。その手前に迂回路(西の四季彩橋へ誘導)への入口があるのだが、それに向けて赤い矢印が路上に置かれている。

左は商店、閉まっている。後ろにはスーパーがあり、開いていたのでペットボトルを買った。

20110928_001.JPG下流側から。アーチと接続するRCのカルバートはそのまま残っている。

流失したアーチがないか川を凝視したが、なにも見えなかった。



対岸から。

20110928_002.JPG写真左の道は、そのまま左岸を走って、昨日紹介した西部橋まで行く道である。西部橋も落ちているので、いまは長大なピストンを強いられる。

20110928_003.JPGちょっと乗り出して、右岸の橋台を見る。岩盤を利用して橋台が設置されているのがよくわかる。


ここは国道なので、比較的早く復旧するとは思うが、それでも1年では無理だろう。それでも、ここが利用できなくても、ひとつ上流の四季彩橋を利用することで、会津大塩以東はJR只見線の代行バスが走っている。


(2011年10月2日月)
ブログ「今日も疲れました」に、「ダム湖の船が流出し、それが河川の構造物にぶつかってダメージを与えた面もあるではないか(要約)」という主旨の記述がある。ぜひご覧いただきたい。



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