2週間前、氷見で久しぶりにソロテントを張った。モノはICI石井スポーツのゴアライト。購入したのは1992年か1993年頃だ。以来、1995年までは登山に、それ以降はバイクツーリングに使っていた。北アルプスや南アルプスの縦走はもとより、土曜にバイクで登山口まで行って夕方までに山頂に上がり、山頂でテント張って翌朝下山、ということもよくやっていた。元気だったなあ。ここ7~8年はほとんど使う機会もなく、物置にしまってあった。
そのようなわけで、こうなった。 こんなになったからといって、いまや滅多に使わないテントを買い換えることはしない。この、まともに機能するフライを張ればいいのだ。 続いて、合羽。これも、着てすぐに浸水した。以前はそこまでひどくなかったのだが…。 これが、ゴアテックスの劣化よりひどい。 この劣化している部分は、こするとポロポロと防水透湿層が剥がれ落ちる。もうだめだ。買い換えなければ。と思ったところで、そういえば妻の合羽があったな…。私が着れるサイズでありますように! PR お相手は、これまた私が企画した登山ガイド『東京近郊ゆる登山』の著者、西野淑子さん。このつながりは、西野さんが、イラストレーターの杉浦さやかさんとの仕事で山に行き、改めて遊びで杉浦さんと山に行くときに、杉浦さんのご紹介で落合さんがいらしたという関係だ。 『山へ行くつもりじゃなかった』は、山に登り始めて日が浅いとは思えないくらい、しっかりと、落合さん流の、山の楽しさが詰まっている。最近、山に興味を持った大人にはぴったりだと思う。私のような、高校野山岳部あがりの、昔ながらの山屋目線の人間が目を背けてきた楽しさがたくさん詰まっている。とはいえ、私も年齢を重ね、こういう楽しみ方もとても心地よい。体力が衰えるのも悪いことではない。 会場内は、アウトドア系おしゃれ雑誌に出てくるような女性、男性ばかり。ふつう、山イベントだと中高年も多くなるものだけれど、ここにはそんな人はいない。いや、実年齢でいえば40代もいるのだけれど、印象の話だ。 会場に、経験を問いかける。初めて登ったのが高尾山だった人ー。10人くらいいたかな。富士山だった人ー。2~3人。屋久島ー。1人いた! そんなところから、初めての山とか、山未経験者を想定した話を切り出す。聴いていて思うのは、「ここは東京である」ということと、みな「大人になってから興味を持った」ということだ。そうなのだなあ。 そもそも「歩くこと」とか「山の中」を楽しく感じることができるのは、ある程度、年齢を重ねないと無理だな、と思う。私は高校で山岳部に入って山に親しみ始めたけれど、その当時から、人がいないところ、徒歩でないと行けないところに行きたいと思っていた。十代のうちからそんなことを思うのは、自分のことながら特殊な人種だと思う。 落合さんと西野さんが、どういうスタイルで山を楽しんでいるか、そんなことを話題にしながら前半終了。ここで、Localite(喫茶店だ)のコーヒーと、落合さんの山仲間、中村亮子さん(本職さん)が作ったお菓子をいただく。それが、こんなかわいい、手作りのお菓子ケース(?)に入って! この休憩(?)中、落合さんとお仲間が八ヶ岳の本沢温泉に行った映像をプロジェクターで流す。音楽つきで、とても楽しそうなPVに仕上がっている。私の場所が最前列になってしまい、とても見づらかったけれど! 後半は、持ち物とか、アドバイス的なことも。大人になってから始める人は、たいていの場合は「先生」がいないので、あるいはいても「その先生の考え方」に従いがちなので、こうしたトークで、いろいろな人が「自分はこうしている」「私はこう考える」という意見を聞くのはとても有用だと思う。 大人でグループで行っていると、他のグループの見解を知る機会もなかなかない。本当は、いろいろな意見を知り、それを自分で判断して決めるのがいちばんいい。それが、「一人で山に登る」ということにもつながってくる。そう思っている。 次回は6月18日(土)、等々力の「巣巣」で落合さんと杉浦さんのトークがある。こちらも行くつもり。 なお、落合さんの著書『山に行くつもりじゃなかった』(MilleBooks)には、私も描いていただいている。偉そうに、いろいろ答えている(笑) 今日のトークを聞いていて、合点したことがある。東京で山を楽しんでいる人と話したときに、前提が違うと感じることについて、だ。 私にとっての山は、新潟の山、というか関東日帰り圏ではない山。 日帰りでも「電車で行く」という観念はないし、泊まりならばテントになる。登山口を8時とか9時に入るというのは考えられず、行動は夜明け前からで、遅くとも5時には歩き始めている。そうした、行動様式そ の他は高校野山岳部で身につけた。でも、これって生まれ育った環境みたいなものだから、そこに異を感じてもしょうがない。私以外の人から見れば、私の前提 などよくわからないだろうと思う。でも、首都圏以外に住んで山を楽しんでいる人は私に近いと思う。 幸か不幸か、衣類は綿しかない時代だっ たし、ゴアテックスインナーの安価な登山靴なんかもなかった。テントはまだ三角形のものも使われていた。ストーブはプレヒートが必要な、灯油燃料のマナス ルやオプティマスだった。なにより、ザックが、アタックではなく、キスリングだった。三つ子の魂百までとでも言おうか、山に「ちゃんと」登らなくなって久 しいが、「ちゃんと」と言うあたりが、その魂なんだろうな。
渡良瀬川橋梁(東武佐野線)その1の続き。鈑桁と橋脚編。
昨日記事の再掲だが、トラス桁を受ける煉瓦製橋脚。 対して、鈑桁を受ける橋脚。 トラス桁を受ける橋脚が床石(桁受け部)をコンクリートで補修しているのに対して、鈑桁を受ける橋脚は補修をしておらず、石積のまま。おそらくトラス桁の橋脚ももとは同様だったのだろう。 こんなときに、コンクリート製橋脚を撮っていない自分が情けない。現地ではそういうことに気づかないのだ。 橋台を撮っていないのもバカだなあと思うのだが、ここから鈑桁のことを。 眺めていたら、陽刻があった。 こういうものを検索しても、日本語のサイトはまったくひっかからない。いや、ひっかかるサイトはあるのだが、それがなんだか解説しているところはない。私がwikipediaに手を出していたのは、そうした資料がないから英語版やドイツ語版のそれを見るのがてっとりばやい、どうせなら同じ思いをした人に役立つように、ということからだ。DALZELLは日本の鉄道とも深く関わっているようなので、いずれ新規項目を起こそうかと思うが、いかんせん英語版すらない。どこまで書けるか。 めんどくさがらず、他の鈑桁もまわって銘板を見ておけばよかった。いつも同じような後悔をする。 現在、この渡良瀬川橋梁のトラス桁は、おかしな部分に架かっている。通常、スパンの長いトラス桁が本流をまたぎ、スパンの短い鈑桁が溢流部にあるのだが、衛星画像で見ると、トラス桁はなかなか理解しがたい位置にある。 そう思って、国土変遷アーカイブを見ていたら、1947年には、かろうじて本流を跨いでいた。それが、1961年になると、もう現在のものに近くなる。ということは、50年以上、トラス桁は「陸に上がった魚」みたいな状態になっているのか。流路は興味深い。 中筋さんは、1990年代より廃虚の写真を雑誌に発表したり本としてまとめている方だが、私にとってはバイクでのつながりである。初めてお目にかかったときは、雑誌『アウトライダー』の編集者を辞め、カメラマンとして独立した頃だったと思う。いまから思えばまだ30歳そこそこか…。 2009年、銀座キヤノンサロンで、中筋さんの写真展『黙示録チェルノブイリ』が開催された。元となった写真集はいま友人に貸しているので手元にないのだが、取材は秋で、無人の団地に、それを凌駕する高さに伸び伸びと育っているポプラがとても印象的な写真集だ。植物の持つ生命力が、これでもかと出てくる。廃虚は刺身のつまだ。 その写真展の時には合間に撮影に行ったなどということは聞かなかったような気がするのだが、その時期に撮影した作品が、本書『チェルノブイリ 春』である。 * * *
圧倒的な植物の力から始まる。芽吹きと、朝の光。『黙示録~』が、秋と夕景だとすれば、本書は春の朝だ。無人のコンクリートの街を、好き放題に伸びる植物。『黙示録』ではオレンジ色に輝いていたポプラも鮮やかな緑だ。ややあって、展開は断絶する。建物の中へ。人々が置いていった玩具や本、のちに盗賊が破壊したピアノなどが乱れている。そこには光ではなく影が描かれる。外に出る。再び陽光が差す。老いた男性がいる。今度は、植物が展開するのは人の存在が感じられる場所。かつては人が跨っていた、バイクの残骸。民家。教会・墓地。そして、「石棺」と、放射線マーク看板の乱立。 そこからは乱れてくる。植物の繁茂もあれば、ガスマスクもある。窓から差し込む明るい光を受けて室内に伸び始めた木もあれば、川に沈みつつある大型船もある。有刺鉄線。篠突く雨。放射線マーク。うっかり、そこが汚染地帯だということを忘れて浮かれてしまった気持ちを、ここがどこだか忘れてはならぬ、と冷たく諭すような展開。 本書の作品を元にした写真展は、この4月にニコンサロンで開催された。あいにく私が行った日のみ中筋さんは不在で、話を聞くことができなかった。会場にいた奥様にお話をうかがうと、写真集は写真展に合わせて完成するはずだったが、東日本大震災の影響で間に合わなくなったとのこと。また、写真展会場には、福島第一原発の事故が起きたことにより、写真展そのものをどうするか迷った旨の掲示もあった。それらのさまざまな判断を部外者の私がどうこう言うことはできない。展示された作品に込められた思いを、ただ受け取り、自分なりに鑑賞するのみである。 デジカメウオッチのサイトで、作品や写真展の様子を見ることができる→こちら |
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