『東京23区凸凹地図』2000円+税。 『東京スリバチの達人 分水嶺東京南部編』1500円+税、(昭文社)。
皆川典久さん監修(後者は著)/荻窪圭さん(古道・石碑・石仏)・松本泰生さん(階段・坂道)・本田創さん(暗渠・水路)協力のもとで刊行された。安い…。
お好きな…もう自分なりにかなり知っている皆さんには『東京23区凸凹地図』(右)が、シンプルで、参照性が高いと思う一方で、『東京スリバチの達人 分水嶺東京南部編』は、知っている場所でも、読むと改めて知識を整理できる。こういう話のおもしろいところは、何度聞いても、何度現地に行っても楽しいところだ。「知ってるから、聞かなくて/読まなくていい」とはならないのがおもしろい。 『東京23区凸凹地図』は通常の道路地図のようにメッシュ式、『東京スリバチの達人 分水嶺東京南部編』は任意の地点を切り出して現代・明治・江戸の地図を掲載してそれぞれ解説を加えている。 たまたま、豊島園付近にハンバーガーを食べに行く行き帰りに付近をぶらぶら。右は「スーパー地形」でのGPSログ(その日以外のものも表示されています/表示されているのは「スーパー地形」で取ったGPSログのみです)。 歩きながら、「おっ!」と思った道に入るのだけれど、暗渠ぽいところがあったらまず入る。 それを、帰宅後、地図とGPSログを見比べながら「やっぱりそうか」と思う。これ、現地でわかったらいちばんいいのだけれど、常に持参するにはちょっと重い。十数km分としても必要なのは数見開きなので、2冊買って、1冊は「地図帳」として一覧性を保持しつつ自宅に保管、おう1冊はバラして持ち運べるようにするのがいいのではないか。 となると、次に思いのは「これ、KMLデータで欲しい!」。データだけで2000円、3000円で売ってもいいでのは。あるいは、これをアプリ化してほしい。それぞれをマイマップ等で公開している方はいるのだけれど、それを自分で集めるのはめんどう…(すみません)。 冒頭の写真は帯をはずしていたけれど、帯つきだとこう。カバーも本文DTPも同じDTP会社が担当している。装丁ができるデザイナーに頼めばいいのにな、というのが率直なところ。『東京23区凸凹地図』 は「凸凹」が何を意味するのかが、カバーと帯からはわからない。本書の一番の特長である「凸凹地図」や各種情報を昭文社の『さんぽ地図』のように帯に擦り込めば、一般への訴求力が高まるのではないか。 あと、帯が大きすぎるかな。この黄色の帯が、彩りかつ「スリバチ地形」や「地形の凸凹」を端的に表現しているイラスト(写真をイラスト風に加工したもの?)を全部隠してしまっている。帯の文言がこの量と内容なら、3分の2くらいの高さでいい。とはいえ、帯というのは版元の考え方が出るもので、これらは店頭での効果だけを狙っていて、紙も薄いし、帯と一体になったデザインではないので「正しい」。個人的には「脱タモリ」しようと、と思うのだけれど、「タモリ氏推奨」も「正しい」。 帯について、さらに。これは出版業的な余談として、『東京23区凸凹地図』の帯に書名がないのに驚いた。通常、版元での帯の在庫管理や書店店頭ではがれたときのために、書名が袖に入っている。それがない、というのも、前述した「帯に対する版元の考え方」が出ているなと思った。 これが、めざしたハンバーガーです。おいしかった。セットで1500円超。 ちょっと関連して。この2冊の協力者でもある本田創さん編著の『東京「暗渠」散歩』、洋泉社版から約9年、実業之日本社から改訂版として刊行します。黒沢さん、髙山さん、樽さん、福田さん、三土さん、吉村さん(50音順)のご協力をいただきまして鋭意進行中です。地図などは総入れ替え、90×60cmの大判暗渠地図付き。1月末発売です。(カバーは仮のものです。いくつか修正が入ります) 滋賀県の、村田鶴による一連の隧道作品群の一つ、档鳥坂(あとりざか)隧道の北側坑口。国道303号の旧道。「旧道」と書いたが、いまも国道303号だ。現在は並行して新档鳥坂トンネルがある。 ポータルは、意匠を凝らした他の村田作品と異なり、とても質素な作りだ。とはいえ見た目のバランスがとてもよく、迫石などの仕上げも丁寧。 「档」は木偏に當だが、フォントとして用意されていないようだ。 ほとんど通る人もいなそうな隧道でも照明が灯っているのは国道だからか。 巻き立ては、アーチ部分は煉瓦、起拱線より下はコンクリート。地圧により坑口に向けて力がかかり、円周状に傷むのはお約束。この水漏れはそのためか。 南側坑口。 扁額は「道通天地」。nagajisさんによれば、左端は「武彦」すなわち当時の滋賀県知事・伊藤武彦。現代の目からすればこんな短い隧道でも、県知事が揮毫するほど大切な、重大な土木工事だったということだ。 この隧道については、nagajisさんの旧道倶楽部活動報告書を読んでいただくのがいちばんだ。2000年代前半の取材に基づくレポートだが、現在と違うのは、内部が別の素材で巻き立てられていること。なぜ剥がしたのだろう。劣化したのか、それともわずかでも道幅を広げたかったのか。 夜行便含めて1日3往復していた宿毛フェリー。大分県の佐伯と高知県の宿毛を結んでいた。鉄道ファンの友人たちが何人か利用していたのは見ていて、いつか乗らないと…と思っていた。2016年と2017年に四国~九州をそれぞれ往復したのだけれど、利便性の高い八幡浜と、スオーナダフェリーを使ってしまった。そんなことをしているうちに、2018年10月、休航になった。 公式サイトはまたいきているが、船舶は売却済みだ。 http://www.sukumoferry.com/ 宿毛湾港は、宿毛の市街地から西にちょっとだけ離れている。このフェリー埠頭があるのは片島地区。 事務所がきれいに残されている。フォークリフトもそのままだ。 閉鎖されている事務所を窓越しに。とてもきれいなままだ。 トラックが休んでいた。 かつてフェリーに架けられていた可動橋。駐車場の位置からして、待機していたクルマはいったん公道に出てここに回り込まねばならなそうだ。使い勝手が悪い…。 右が可動橋、左が公道。 延岡に泊まったので、九州から四国に渡るのに佐伯~宿毛航路があれば最適だったのだけれど、ないものはない。佐賀関10時発のフェリーを目指して一路北へ。ところが、現地に着いて港の駐車場に入ろうとしたら、駐車場の交通整理の人が「予約ある?」。聞けば、予約がなければ次は13時」とのこと。さすがにあまりに時間の無駄なので臼杵~八幡浜航路を調べ、電話をすると、11時35分発の予約がとれるという。一安心して来た道を戻る。今回、こんなのばっかり。そして着いた臼杵港が上の写真。 地獄に仏的な。1時間以上前に着く。まだ窓口開いてない。もちろんフェリーも着いていない。 隣には宇和島運輸フェリーの窓口。こちらはさらに1時間後の出港なので閉まっている。こちらの予約番号を持っている人が間違って九四の窓口に並んでいた。 待合室内に弁当屋がある。ちょうど昼にかかる時間帯でもあるし、ただでさえ10時には九州を出る予定が11時半になっているので下船後に食事をしていると時間が相当にキツイのと、おいしそうだったので注文。 おれんじ四国が到着。 ここにバイクを置いて待機していたのだけれど、ここでえらい目にあった。この可動橋の塗装を剥離する作業が、潜水服を着た人たちで行われていたのだけれど、サンダーで剥離した塗装の粉が風に乗ってバイクや荷物に付着していた。そのまま乗ったらこすれて傷だらけになってしまう。 このとおり。剥離作業をしていたのは専門業者なので、昼休みとして陸に上がってきた作業員に声を掛けた。「エアあったら吹き飛ばしてほしい」。幸い、業者はコンプレッサーを積んでいたので、それでしばらく吹いてもらう。ジャケットの内側に貼り付いたものもおおよそとれた。よかった。 乗船。さすがにきちんと固縛された。 排ガスの匂いが気持ちいい。ずっとここにいたかったけれど、風もあるので弁当を食べづらい。船内に戻って食事。 八幡浜港。このまま宿毛まで行く。 |
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