新之介著さんの、シリーズ3冊目となる『凹凸を楽しむ 阪神・淡路島「高低差」地形散歩』が刊行された。今回の目玉は「淡路島」だ。ぼくはそう思っている。 淡路島は、何度か「通ったことがある」が、きちんと全島を回ったことはない。ただ、えぬ氏の案内のもと、南東の海岸沿いを訪ねたことがあり、もっと淡路島のことをよく知りたいと思っていたところに本書が出た。 【関連記事】 石垣の集落 本書の章立てとして、第一部「高低差概論」の3章のうち1章が淡路島。第二部「高低差を歩く 地形視点で町を眺める」の15項のうち4項が淡路島。つまり、全体の3割ほどが淡路島に割かれているので、第一部を通読後、第二部は淡路島から読み始めた。 地形と地質について、すごく大雑把に教えてくれるものはなかなかなく、Wikipediaですらそういうふうには書かれていない。しかし、本書ではズバリ「淡路島の地形と地質は、北部と南部で大きく異なる」と書かれ、それぞれの説明がなされ、こういうことに関心を持つ人が興味を持ちそうな話題を散りばめていく。地質などは素人にはなかなか理解しづらい(覚えづらい)ことだが、それを、興味が向くよう(現地に行きたくなるよう)書かれている。 沼島の項では、こうだ。「島の北側と南側では地質構造や岩石の種類が大きく異なる」。そこには「超希少な黒崎の鞘型褶曲」等々。 通常、高低差本では地形の利用の妙味がメインであり、地質についてはあまり触れないことが多い。高校の授業としてほぼ「地学」がないために基礎知識すらない人が多いために「わかならい」と関心を示さない人が多い(=売れる要素とならない、むしろ逆)と思っているが、地質についていろいろ書いてあっても、それがスッと入ってくる、そこに行ってみたくなる構成になっている。 また、淡路島というと、つい「島」のことが書いてあるかと思いきや、言われてみれば当然なのだが、鳴門の渦潮もまた深く淡路島に関係していて、「淡路島単体」ではなく、「淡路島が果たす役割」「本州や四国との関係」についても多く言及されているのが、とてもおもしろい。紀淡海峡の要塞についてももちろん詳しく述べられている。 『凹凸を楽しむ 阪神・淡路島「高低差」地形散歩』のラストは、淡路島の三原平野の円筒分水群について書かれている。えぬ氏に、そこに連れて行っていただいたときのリンクを下記に示す。 【関連記事】 分流する用水路と円筒分水 今度は2~3日かけて回ってみたい。 PR |
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