昨日、「平成の大合併」前の市町村界をGPSデータ(GPX)としてカシミール3Dに表示する方法(以下「前記事」)をアップしたが、QGISでそれをすれば、市町村名まで表示できるのではないかと思い、試してみた。その結果が上の画像だ。 手順としては、 ①国土数値情報から該当のshapeデータをDL(前記事と同じ) ②県界のshapeデータをDL ③カシミール3DでGPSログをKML形式に書き出し ④ ①~③をQGISに読み込ませる(前記事と似ている) ⑤ ①②を修正して線だけにする ⑥ ①を修正して市町村名を表示させる となる。 順次、説明する。 * * *
⓪前段階:地理院地図をQGISに表示させる国土地理院のサイトにマニュアルがある。下記をDLし、17ページ以降を参照して、QGISに地理院地図を表示させておく。https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/other/QGIS_manual.pdf ①国土数値情報から該当のshapeデータをDL(前記事と同じ)https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N03-v3_1.htmlサイト上部には最新のデータがある。スクロールさせていくと都道府県別になり、それぞれいろいろな年のデータがあるので、任意のものをダウンロードする。私は「平成12年」(10月1日現在)を選択。これを47回繰り返す。一度にDLできる方法はない。 DLしたzipには、この五つのデータが格納されている。任意の場所(例:デスクトップに新規フォルダを作り、そこに)にすべて解凍しておく。 ②県界のshapeデータをDLEsriジャパンのサイトから、県界のデータをDLし、①と同じように展開しておく。 ③カシミール3DでGPSログをKML形式に書き出しカシミール3DはGPSデータをGDBファイル(GISで使うファイル形式とは別)で保存しているが、GPSデータエディタ(Ctrl+L)で全トラックを選択肢、[ファイル]→[選択したGPSデータの書き出し]で、KML形式に書き出すことができる。ここでは「20231231」という名前のレイヤとしている。作業の邪魔なので、左のチェックボックスをはずし、いったん非表示にする。 ④QGISに①~③を読み込ませるQGISはフリーウエア。インストールしていない場合はこちらからDLできる。windows版は1.2GBある…。それを開いて、①のshapeファイル47件、②のshapeファイル1件、③のKMLファイル1件をすべてドラッグする。 画面左下がレイヤウインドウで、上から順に重なっている。市町村界は、都道府県ごとに異なる色で塗りつぶされているが、これを⑤の手順で修正する。 作業の邪魔なので、いったん③ ⑤ ①②を修正して線だけにする①を読み込んだ47のレイヤを1件1件処理してもいいが、面倒なので、47のレイヤを結合して一括で処理する。windowsの場合、まず、レイヤの文字コードをすべてShift_JISに修正する。おそらく47のうち5~6件が該当する。レイヤをダブルクリックし、「ソース」タブをクリックすると文字コードが確認できる。ここが最初からShift_JISであれば修正不要。UTF-8だったらShift_JISを選択し、「適用」→「OK」で閉じる。 全レイヤの文字コードがShift_JISになったら、今度はレイヤをマージ(結合)する。photoshopだと複数選択して右クリックすれば結合できるが、QGISはそうはいかない。 [ベクタ]→[データ管理ツール]→[ベクタレイヤをマージ]をクリック。 このウインドウが出るので「入力レイヤ」右側の「…」をクリック。 全レイヤが表示されるので、47都道府県に該当するレイヤのチェックボックスをチェックし、「OK」。 次いで「出力レイヤ」右側の「…」をクリック、「ファイルに保存」を選択。任意のファイル名(ここでは「01-47」)を入力し、「実行」すると、レイヤが統合される。 統合されたレイヤ「01-47」と、元のレイヤ47個がすべて表示されてしまうため、元のレイヤをすべて選択して削除。 さて、ここからが本番。以下、「01-47」レイヤを選択して作業する。 レイヤウインドウの「01-47」をダブルクリックするかプロパティを表示させると、上の画面になるので、「シンボロジ」(外観を意味する)タブで「市町村」の描き方を設定する。ここでは「黄緑色の枠線だけ」を選んで「適用」→「OK」。好みによって、塗りつぶした上に半透明にすることなどもできる。 同様に、②の都道府県界も設定する。ここでは青い枠線のみにした。 これで、2000年10月1日現在の市町村界が黄緑で、現在の都道府県界が青で表示されているはずだ。 ⑥ ①を修正して市町村名を表示させるレイヤウインドウの「01-47」をダブルクリックするかプロパティを表示させると出るウインドウで「ラベル」タブをクリックし、上部に表示されるプルダウンから「第一定義(single)」を選択。 次いで「値(Value)」から「N03-004」を選択し、「適用」→「OK」すると、QGIS上に地名が表示されるはずだ。 なお、N03-001=都道府県名、-002=支庁・振興局名、-003=群・政令市名、-007=行政区域コードとなる。 ⑦完成現在、このようになっていると思う。レイヤウインドウの「20231231」にチェックを入れる。 レイヤウインドウのレイヤをドラッグして重ね順を入れ替え、上から ・GPSログ(20231231) ・都道府県境データ ・市町村界データ(01-47) ・地理院地図(淡色を選択している) となっている。 これで完成。 ⑧縦横比の変更現状、日本がかなり平べったく見えてしまっている。これは、球体である地球を平面に投影するため、北に行くほど、本来よりも横長になってしまう。日本地図で、北海道が特に横長になったものを見たことがある人もいるだろう。デフォルトでは赤道を基準に作られているようなので、記事「QGISで正距円筒図法(方眼図法)の縦横比を変える」を参考に、北緯35度を基準に修正する。 基本的に記事のとおりでいいのだが、「ユーザ定義CRS」のウインドウは、下記の画像と差し替えて実行してほしい。「形式」は、記事では「Proj文字列」となっているが、最新のQGISでは「非推奨」となっており、「WKT」を選択すればよい。そうしないと、座標系を変更したレイヤだけが、南大西洋に飛んで行ってしまう。 これで北海道の平べったさが減った。
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