
花巻電鉄の車両を知ったのは、1983年の『鉄道ファン』誌だった。この「馬ヅラ」にも惹かれたが、それよりも、砂利道の横に敷設されたレールの上を、砂埃をあげて走る「田舎電車」に強烈に惹きつけられた。高井薫平氏の連載、『昭和30年代の地方私鉄を訪ねて 古典ロコ・軽便・田舎電車、そして…』である。この時期、岩堀春男氏の『専用線の機関車』と並んで、非常に良質な連載だった。

こうして大人になってから対面すると、感慨もひとしおである。誌面で見てから30年。今で言えば、いま写真で知った20年前の車両を70歳になってから見るようなものだ。
連載時から考えると、それが連載された…私が読んでいた20~25年前には、こういうのが現役だったのである。まあ、いまから25年前、1987年頃だって、いまから考えると、あちこちに貨物列車も客車列車も走っていて、新潟交通だって全線走っていて、パラダイスだったのかもしれない。それを、その頃はまったく実感できていないというだけなのだ。いまこの2012年だって、25年後に見たら「機関車があったんだぜ!」とかなっているかもしれない。
それはさておき、台車。

1931年(昭和6年)雨宮製作所製のデハ3が装備するのは、雨宮オリジナルの板枠台車。枕バネはない…ように見えるが、板台枠センターの丸穴の奥に、枕木方向の板バネが見える気がする。軸バネはウイングバネ。

wikipediaによれば、1車体2モーターだったようで、たしかに向かって左(車端側)にはモーターのシルエットがない。向かって右には見える。また、この角度で見ると、枕梁が見える。
検索したら、銚子電鉄のデハ101が同系台車を履いていると
RMの『台車近影』にあった(このデハ3も出てきた)。
このデハ3は、とても美しい。願わくば、車内に入って木製の臭いを堪能したい。
コメント一覧
現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。