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若桜鉄道は駅舎等が登録有形文化財となっている。因幡船岡駅の駅舎もそのひとつなのだが、展示にはいささか疑問がある。いちばんの疑問は上の写真。これ、椅子じゃないから!

鉄道省時代に作られた天秤ばかり。柱に貼られた銘板には、こうある。

因幡船岡駅
定量増錘附
注意
使用ノ際
ハ必ズ●
●目ヲ調
整スベシ

その下の「D-3-1555」は後年の管理番号だろうか。

柱には昭和37年に修(理?)とある。

目盛り。こうした大型の天秤ばかりは、子供の頃、古紙回収屋さんにあったのを覚えている。

荷物の重さは、荷物を秤に乗せ、目盛りのまたがっている分銅を動かし、釣り合った位置の目盛りを読み取る…だったと思うが、最下段の写真がなんだかわからない。

この秤の使い方について、TcodeF様に教えていただきました。(9月1日追記)
旧きものを訪ねる旅路(別館)天秤式の秤

目盛りに「鉄道省 鷹取工場改造」とある。「正」「定」は校正時の刻印だろうが、いつのものかわからなくていいのだろうか。「正」にウ冠(?)がつき、2箇所その上からポンチしてある。「中」は不明。佐藤信之様よりご指摘あったので同日に追記)

支柱の根元、台座にある銘板には「秤量100'0瓩 中 鉄道省鷹取工場製造」とある。


この秤、博物館モノだと思うのだが、こんな扱いであるため、自由に見られるのもまたありがたい。
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竹の川橋梁は5連のガーダー橋である。そのうちの第4連(京都側=写真右から数えて四つ目)がラチスガーダー。おもしろいことに、第1連~第3連は国鉄になってからの架け替え桁(製作年不明)、第5連は鉄道省時代の桁であり、つまり3種類の桁が架かっている。

歴史的鋼橋集覧によれば、当初は第1連~第3連のみで、後年、おそらく高水敷の拡幅とともに第4連・5連が追加された。第1連~第3連は新しいので、当初の桁を取り替えているのだと思う。

第4連のラティス桁。橋脚にも注目して欲しい。第3連(右)と共用する橋脚はコンクリート製だが、第5連(左)と共用するものは煉瓦製の上にコンクリートを塗ったものだ。

ラティス桁の裏側とコンクリート製橋脚。

こちらは煉瓦製橋脚。隅石が貼られている。

第5連は、上下が補強されている。設計荷重はKS15なので、補強は活荷重増大のためではなく桁の老朽化のためだろうか。形式は「作30年式」ではあるが、補強は形式とは関係ない。おかげで下フランジ(カバープレートというべきか)の幅が広くなっている。



津山機関区の扇形庫
タブレット閉塞機の内部の続き。

18m級の下路式電動ターンテーブル。

ロックは手動。レールの間に凹形の受け台があり、ロッキングハンドルを操作するとリンクが作用し、ロッドが凹形の受け台にはまり込む。

これはその逆側。桁上のレールと地上のレール、ここまで離れていても、ゆっくりなら機関車でも大丈夫というのはいささか驚く。

欄ボードは、桁の上と側面にある。

操作室。

動画を撮った。


桁端部の車輪が回転している。本来、バランスすればこれは浮いたまま…なのだろうか。


(関連項目)
水上駅の転車台の走行装置


人によって惹かれる要素は異なるだろうが、私には『私が好きな写植文字、「イボテ」「イダシェ」「イナミン」等の作者である』稲田茂氏が手書きで仕上げた書体サンプル2100である。既刊かつプレミアがついていた3冊をまとめたもの。

中身はこちらを見てほしい。これが延々続く。眺めていることが楽しい。『ピクトさんの本』『タイポさんぽ』と同じカテゴリに、専門家ではない私は感じる。

ただし、本書に掲載されているものはトップのグラフィックデザイナーが描いたものなので、まったく破調がない。「お花ライズ」やクリーニング屋さんのクルクル文字につながる要素も収められている。それらは、まだまだ健全な姿をしている。そういう意味では「眺める」楽しさには若干欠けるかもしれないが、質の高いものをたくさん見ることは、街中で破調タイポに楽しさを見出すことにもつながるだろう。

(関連項目)タイポさんぽ(藤本健太郎著/誠文堂新光社)

* * *

1990年代、漫画のタイトルや男性週刊誌の記事タイトルは「レタリング屋さん」が描いていた。私が週刊漫画誌に携わっていたときは出版業界も漫画業界もまだまだ右肩上がりの頃でもあり、読み切りの1本のためにさえ、ロゴを制作してもらっていた。レタリング屋さんは独自に本書のような「書体見本」をもっており、我々編集部はそれを見て「○番のように」と発注していた。たいてい、ケント紙の上にペンで描かれた原本が届くので、それを写植屋さんに依頼して紙焼き(印画紙出力した白黒2階調のプリント)を作ってもらった。連載の場合は複数の紙焼きを作り、タイトルページの上にトレーシングペーパーを貼り、その上にその紙焼きを写植糊でダイレクトに貼り、「右下シャドウ5mm」などと指定して入稿していた。

一般的に、レタリングロゴひとつ2万円~3万円くらいだったと思う。漫画の1ページあたりの原稿料を考えれば、読み切りなら、ロゴなどなくていいから漫画家に多く支払ったほうがいいのではないか…といまなら思う。そういえば一度、平行すら出てないレタリング屋さんに5万円請求されたことがある。さすがに「それはないんじゃないの」と交渉したが、相場としてはそういう金額だった。先日、そのロゴ屋さんの前を通ったら、いまでもその名称で事務所があり、とても驚いた。まだ仕事があるのか…!

その後、勤務先に限らず各出版社はPCを導入しはじめ、安価なダイナフォントで作られたロゴが氾濫しはじめる。『のだめカンタービレ』のロゴなどを見ると「最初は金かける気がなかったんだろうな」というのがよくわかる。映画版はよくがんばってアレンジしたと思うが「のだめ」の文字にも手をつけて欲しかった。

* * *

いまでもこうしたレタリングが生きているのは、漫画や文芸書、映画のタイトルだ。既存のフォントに似ていても、よく見ると手書きで起こされているものもある。それがベクトルデータでできていたとしても、だ。そういう目で、そういう部分を見て欲しい。なお、それ以外のジャンルは既存のフォントを使っていることがほとんどだと思う。装丁家に存分に仕事ができるのは漫画や文芸書だから、そこに人が集まるのだ。

なお、いま、文字は「フォント」と呼ばれることが多い。看板屋が手書きで書いた文字さえも、だ。しかし「フォント」は近代PC(MacあるいはDOS/V)と同時に導入された「一揃いの書体」という概念だと私は定義している。だから、本書に掲載されている文字を「フォント」とは言って欲しくないというのは個人的願望。

ラティスガーダーの竹野川橋梁を撮影した後、国道178号に向かって南下していたら、竹野川にかかる木橋を見つけた。どうみても自家用の橋。クルマなどは渡れるはずもない。

なぜこのようにジグザグになっているのかはわからない。本来なら斜橋にしたいところ、そういう術がないのでこのようにした…といったところだろうか。

橋脚は、2本の木材を門形に構え、それを流れ方向の両向きに斜材を組んで補強している。

踏み板はとてもしっかりしていた。釘で打ち付けられおり、いちぶは別の釘も使われている。




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