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大山顕さんの呼びかけで、横浜市戸塚区踊場に描かれた「GPS地上絵」に参加してきた。
詳細はこちら

私は「右半身」に参加した。描いた後、みんなで集まってログを結合して動画にしたものがすでにyoutubeにアップされている。




改めて、事前に用意していただいたKMLデータをカシミール3Dと基盤地図5mメッシュ標高データを使い、その上に描いたものはこう。横浜(戸塚区)の地形はまったく知らないのだが、なかなかの起伏。この図の中で標高20~65mくらいある。低い方から、白→黄→緑。

右半身にしたのは、こちらのほうがアップダウンが多いと聞いたからだ。


スタート地点は「踊場駅」。ここがまた特徴的な地形だ。

大きな地図で見る

4車線の大通り(長後街道、県道22号)は「交番前」をサミットとして北西\南東方向に下り、交差する路地は「交番前」を谷底として北東/南西方向に登っていく。イメージとしては峠の堀割の位置だ。なお「踊場」とは地形を形容する地名のようにも思えるが、由来は昔話のようだ。(サイト「踊場を歩く」による)

で、「足」からしてこうだ。(電子国土+基盤地図5mメッシュ標高+カシミール3D)

どうだ、この上り下り具合。谷底に下りるとそこには開渠や暗渠がある。

GPSログの標高を地表面に修正して、右半身の高低図をカシミール3Dで描いてみる。空中写真と見比べていただきたいのだが、尻尾は反時計回り。その中ですでに上り下りしている。尻尾から足を反時計回りに回ったそのルートも、このとおり。


そんなこんなでかなりのアップダウン。累積標高は233m(打ち上げ会場で見た数値はたぶん「スケールファクター2倍」になっていたのではなかろうか)(電子国土+基盤地図5mメッシュ標高+カシミール3D)

「グッ!☆」
サムアップ。このデータは設計段階のもので、実際には親指を「大きく」描くように変更した。親指の左に大きな凹みがあるが、これは調整池で、そこをぐるっと回った。

この腕のあたり、地図でもわかるように新興住宅地であり、建物についても、地形についてもいろいろと興味深かった。大地主の家があり、それを迅速測図で見ると、当時はその一軒しか家がなかったりと相当に由緒ある家だったりして、そういう興味もある。

興味深いのは右耳。(電子国土+基盤地図5mメッシュ標高+カシミール3D)
今回の熊、作者の@kaynagさんがこの耳の形状にピンと来たことからできあがったそうだけれど、きれいに台地の上。紙地図(GoogleMapsを印刷したもの)では、この「三角」の外側に不自然な形状の病院があったため、最初はこの三角は凹地かと思ったが、現地に行ったら台地だった。そして、この台地からの眺めがすばらしい!

阿久和川を挟み、正面にはゴルフ場などがある丘、その向こうにランドマークタワーが見える。かなりの眺望の場所。ここは、周辺の高低差がある地形の中でもかなり印象に残る場所だった。

このルート、「土地の上下とは」ということを、住環境の面からいろいろと考えさせられるものだった。ぜひお一人でも歩いて欲しい。山ほどある坂、ナチュラルカーブ、谷、峠、そしてこんな表情が待っている。


より大きな地図で サムアップ熊_改良版 を表示

↑「峠」

谷底と川。


最後になりましたが、企画してくださった大山さん、よんますさん、@kaynagさん、そしてご一緒してくださったみなさん、ありがとうございました。

●よんますさん作成の、時層地図くま。(なぜか、画像が開かれて掲載されるものと、そうでないものがあります。不思議…)










●関連項目

DAKOTA20とM-241の差
http://togetter.com/li/473887
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僕らはレールウェイ/ときめき本線の続き。

テレビ番組『いい旅 ときめき本線』から32年。ようやくそのテーマ曲『僕らはレールウェイ』を聴くことができた。レコード入手の経緯は上述の記事をご覧いただきたい。

ふとこのことをツイートしたら、テクノポップユニット三鷹のタカハシさんが「USBでPCにつなぐプレイヤーあるよ」と反応してくださり、それをお借りした。さっそく落とした。

感無量。
ここにアップして皆さんにお聴きいただきたいのだけれど、そんなことが(倫理的に)できるはずもなく…。

エンドレスで聴いている。


英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考(7)近江鉄道愛知川橋梁に、「J型スティフナー」について追記しました。

ポニートラスの外側にときどき見かける、∠型の補強…にもならないような細い部材についてです。木造ハウトラスではその大型のものがついています。役割がわかりませんでしたが、説明のあるサイトをご教示いただきました。

詳細は上記記事をご覧ください。
都電雑司ヶ谷付近の未成道路と廃道? 東京都市計画道路幹線街路環状第5号線
坂サミットと環状4号の続き。

前回書いた、目白台二丁目交差点付近が、明治十年代にはどんな姿をしていたのか見てみよう。

まず、現在。
(カシミール3D+電子国土2500)

明治十年代(このあたりは明治16年頃測量かな)の東京図測量原図。
(カシミール3D+農研機構が提供するタイルマップ)

なんだ、不忍通りは昔っからここから分岐していたのか! 神田川の谷につながる道はなかったのか!という驚き。

東京図測量原図に描かれた道をピックアップし、電子国土2500に重ねて見よう。
こうなる。

昔からあった坂は、西から、稲荷坂、幽霊坂、胸突坂。もちろん、いまある坂は当時は獣道のような形で存在したということは十分に考えられる。

さらにいろいろ見えてくる。文京区目白台一丁目と豊島区高田一丁目の境は当時の道路を基準としている。東西方向で道路を無視して凸状になっているところがあり、これも昔の道路由来なのだろうが、なぜか最新のオンライン地図ではここは道路に沿って境が描かれている。電子国土2500のほうが正確だとは思う。

また、神田川沿いの豊島区と新宿区の境がおかしな形になっているが、これも神田川が蛇行していたころの名残だということがわかる。

GIFアニメにした。



『五千分一東京図測量原図』についてはこのリンク先にかつて書いた。いまはタイルマップで提供されているので、カシミール3Dを使えば、このような地図の閲覧や切り出しも簡単にできるようになった。しかし、電子国土2500と重ねると微妙なズレ(数m程度)を生じるので、このエントリではそれぞれの画像を手動で位置を合わせて重ねている。

(このシリーズ了)
都電雑司ヶ谷付近の未成道路と廃道? 東京都市計画道路幹線街路環状第5号線の続き。

3月3日、東京カルチャーカルチャーで開催された『坂サミット』に参加してきた。まもなく発売になる『空から見える東京の道と街づくり』の制作中、衛星画像を眺めていて見つけたところについて話してきた。

黄色い部分が「気になったところ」。画像の中心は都電面影橋電停付近。左右を横切る緑色は神田川、その下の太い道が新目白通り。左上の/型の道は明治通り。右上の\型の道路が目白通り。その上に/型に分岐しているのが不忍通り。右下が早稲田大学。

十数年前かな、突然、早稲田通りと新目白通りを結ぶ4車線道路が完成した。ここだ。
なぜこんなところをつなぐのか、まったく理解できなかった。早稲田通りはそれほどクルマ通りは多くなかったし、新目白通りへの抜け道もたくさんあった。でも、それが目白通り、不忍通りとつながるなら話は別だ。

現地へ行ってみた。といってもいつも目白通りは歩いているのだけれど…。

不忍通りとの交差点。いつのまにか不忍通りが拡幅されていた。

マンションの植え込みはマンションと並行ではなく、道路と並行になっている。新しいとはいえないマンションの植え込みの形が道路計画を反映していると思うと興味深い。

現地。ここ、小布施坂が車道になる。と思っていた、最初は。

下まで下りると、かなり立ち退きが進んでいた。1990年代にこのあたりに住んでいたのだけれど、当時のこのあたりはとくに印象がない。つまり、「普通に民家があった」のだと思う。

振り返ると、「坂」が姿を現していた。ここを道路で駆け上るのか…? 

そう思って地形に沿って角度を計算すると、10%勾配くらいになる。4車線の幹線道としてはちょっと無茶だろう。かといってここから高架橋で持ち上げるような、景観を台無しにするようなことはないだろう。それならなにかしら話題になっているはずだ。じゃあ、斜面にぶち当たったところでトンネル…?

現地に説明板があった。そこに、トンネルが書かれている。推理があたった。

事前に見ていた文京区の都市計画図(オンラインで閲覧可能)、よく見るとそこにもトンネルが書いてあるじゃないか。また、これを見ると、不忍通りがなぜ拡幅させるのかもわかった。

現地の鳥瞰図をカシミール3D+基盤地図5mメッシュ標高+電子国土2500で作図、加工。こうなるのだな。

そして、不忍通りは向こうに向かって下がっているので、いまの目白台二丁目交差点は「峠」になることになる。だれもそんなことは言わないけれど、新しく峠ができる。そんなことをプレゼンした。


次回はこうした道路が明治初期にどうだったか、などを見ます。





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