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剱岳の正字の篇、すなわち「検」の旁である。
なんだか歩き出しそうである。
しかも、左の「人」は左へ、右の「人」は右へ。
インベーダーの一番上のキャラにも見える。



文字のゲシュタルト崩壊とは異なるが、単語もそれと同じような作用を起こすことがある。
この「つるぎ」である。

かつて、大阪と郷里・新潟とを結んでいた夜行列車の名称であった。
時刻表に慣れ親しんでいた身として、「つるぎ」は常に意識していた。
小学生のとき、初めて東京の交通博物館に行った際、
かつて存在していた「つるぎ」のヘッドマークのピンバッジを買ったほどである。
そのデザインは秀逸であった。

しかし、「つるぎ」?
ふといまになって疑問に思う。
新潟県人に馴染みのある山名ではない。
剱岳の位置を言える新潟県人など、どれほどの数がいるものか。
その名称を当然のものとして受け入れていた小学生の自分に、
強烈な違和感を感じる。
私の中では、ゲシュタルト崩壊と同カテゴリの精神作用である。

なお、列車名が「つるぎ」となったのは、元々は富山までの列車であったのが、
新潟まで延長された際に、そのまま踏襲されたものである。
最初から新潟行の列車に「つるぎ」と名付けたわけではない。
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『廃道本』におけるnagajis氏の記事によれば、18世紀初頭の自然崇拝思想の中で、
エドマンド・パークなる思想家は「美」と「崇高さ」を切り分けたという。
「美」の上位に「崇高さ」があり、「崇高さ」とは恐怖を伴う美であるという。
新田次郎の『劒岳 <点の記>』を読んでいて、これを想起した。

主人公が、劒岳初登頂を試みる日本山岳会の考えについて触れる場面である。

時間と金を使い、危険な目に会っても尚未知の自然に近づこうという彼等の意気込みは、
学者や芸術家が身を挺して真理や美を追求してやまないのと似たところがあります。

この時点では、まだ「美」であり、「崇高さ」には気が付いていないようだ。
これが、どう描かれていくのかは、また後日。
健康に関する疑似科学と、占いやおまじないは同根である。
それらと宗教的信仰もまた同根である。

世の中に数多ある「○○健康法」の類、「○○でガンが治った」の類。
怪しいものは数多い。
次から次へと、よくもまあ創出するものだと思う。
利用者は、これらが科学的に正しいと考えている。
信じて実行している人のなかに、まれに同じ効果が出たりする。
創始者や関係者(メディアなど)は、信じている場合もあるし、
金儲けの手段として利用している場合もある。

占いやおまじないは、朝のテレビ番組からネットのポータルサイトまでが扱う。
でも、利用者はこれらに科学的根拠があるとは考えていない。
その通りになれば嬉しく、そうならなかったら「どうせあてにしていなかったし」と思う。
そんな存在。
こちらも、創始者や関係者(メディアなど)は、信じている場合もあるし、
金儲けの手段として利用している場合もある。

宗教的信仰とてその類である。
健康を願い、長寿を願い、死後の世界の安泰を願う人々につけこみ、
宗教は信者を増やし、財を蓄積していく。
もちろんこれも、創始者や関係者(メディアなど)は、信じている場合もあるし、
金儲けの手段として利用している場合もある。


以前、本気で疑似健康モノを創出しようとしていた人がいた。
それで商売を始めてしまった。
当然のごとく、行き詰った。
驚いたのは、破綻したことではなく、大企業までもが彼の言葉を信じ、
取引をしていたことだ。もちろんその企業は損をした。


時折、健康保険組合から通信販売のチラシをもらう。
そこに記載されている、疑似健康グッズの数々。
こんなものを、健保が売っていいのか? と思う語句が躍る。

不思議でしょうがない。


子供のころ、すなわち昭和50年代半ばか末ころまで、
新潟市の万代橋の下に鉄道の線路があったと記憶している。
近寄ろうとしても無理だった記憶もあるので、あるいは金網等で囲われていたようにも記憶している。

国土地理院の国土画像情報(1975)を見てみよう。
画面中央右側に大きな面積を占める沼垂貨物駅から
右下、万代橋方向に線路が延びている。
機能的にはここは折り返し用の線路であり、
ここでスイッチバックして河口側に向かっていた。
これの末端が見えていたのであろう。

河口側には旧万代貨物駅があったが、新潟地震で被害を受けて廃止となったと記憶している。
駅ではなくなったが、引き込み線として機能していた、ということだろう。


ここで、国土変遷アーカイブ(200dpiでご覧ください)で1952年の空中写真を見てみよう。
(注)国土変遷アーカイブは正方位ではない。右に数度傾いている。

画面下の中ほど、最下段にあるのが工事中の現・新潟駅、
その上(北)にあるのが移転前の旧新潟駅である。
両者の右(西)側の結節点から上(北)すなわち信濃川方面に向かって
一本の線路が延びており、それは信濃川に出会うと右(河口)に折れている。
その先には万代貨物駅があった。
これが、前述の線路とつながっていたはずである。

八千代橋はまだなく、画面右が万代橋、左が木造時代の昭和大橋である。


ここまで見てきて、wikipediaのこのファイルが誤っていることに気がついた。
今度、関東地方測量部で旧版地形図を見て確認してこようと思う。
両者ともに、常盤橋を重要なポイントとして設定している。
現存しないこの橋の描写が優れているのはやはりもりた版で、
質感からなにから、橋の様子が浮かび上がってくる。

阿井版では、イメージがわかない。


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