上信越道の藤岡ICを下りてR17に向かおうとしたら、いきなり対向車線に円形キャノピーが現れた。すぐ先でUターンし、クルマではなくガソリン携行缶に給油してもらった。
道路と並行して、ふたつの円形キャノピーがある。しかし、少し位置がずれている。冒頭の写真には「原付」と書いてあるので、この写真の奥、円形キャノピーを改造したような大型のキャノピーがメインのようだ。 「え? キャノピー? 古いよ、こんな古いの撮ってどうするの?」と給油所の方は言っていたが、なにを言いますか。「いや、これ以上かっこいいキャノピーはないですよ」とかなりの知ったかぶりで答える。 サービスルーム側のキャノピーは長方形の屋根がかけられているが、これは最初からなのか。(後述)アイランドやサービスルームの配置からすると、最初からなのだと思うが…。 古い航空写真を見ると、1983年までのものには影も形もない。ところが、1984年から1986年にかけて撮影したものを見ると、この長方形が見える。ということは、建築当初から、この形なのであった。でも、1984年??
* * *
同日追記: ガソリンスタンド・ノートのsgmさんから、長方形の屋根がかけられたほうは、後継の「ペガサス21形」であるとのご指摘もいただいた。つまり、「古い」円形キャノピーと「新しい」円形の名残を残しつつ長方形にしたキャノピーが同居しているのだ。その理由についてもおもしろい洞察をいただいた。敷地の形状の都合でこの配置となり、かつ手前(円形キャノピー側)はバイク、奥がクルマとなるように誘導したいのではないかというものだ。なるほど。 敷地の都合…については、前述したものをちょっと詳しく航空写真で変遷を追おう。藤岡ICの供用開始は1980年(昭和55年)、この給油所が建つのは群馬県道13号、片側2車線・中央分離帯のある道路で、藤岡市街をバイパスする形になっている。 ●1974年(CKT7418-C38-14) 真上をまたぐはずの上越新幹線の高架橋はまだ姿が見えない。 このMobilが建つことになるのはほぼ中央部。左右に伸びる太い道(現在と同じ形をしている。市道だろうか)のほぼ中央部から右斜め上に伸びている建設中の道路が現在の群馬県道13号で、その逆T字形交差点の右カドが、このMobilの敷地だ。 ●1980年(CKT-80-1) 6年で大きな変貌を遂げている。上越新幹線も、県道13号もできている。Mobilができるべき場所は、まだ更地だ。写真の範囲外(下)だが藤岡ICはすでに開通している。 ●1986年(CKT-86-1) 前述した「1986年からのもの」というのがこれ。青い長方形の屋根も、白い丸い屋根も見える。このMobilが開業したのが、1980年から1986年の間だということだ。 そこで、追記冒頭の考察となる。キャノピーの意匠が変わる過渡期、もしかしたら完全に移行したあとに、移行前後の両方が設置された。ということは、(ほぼ)最後に設置された円形キャノピーである可能性がある。開業年は…再訪して訪ねるしかあるまい。 ※航空写真3点は「航空写真画像情報所在検索・案内システム」を利用した。航空写真はトリミングした。 PR
「モービロイル」という表記(1)の続き。
この壁の向こうはプロパンガスのボンベ置き場というか捨て場というか、向かって右側の清潔さとは対照的に、雑草に覆われていた。給油所側と同じく「宮下燃料」という名前が掲げられていたので、関連施設なのだろう。 その前が空き地になっていたのでそこにクルマを停めて写真を撮っていたこともあり、こちら側はあまり撮っていない。いま、猛烈に後悔しているが、少しだけ。 「モービル」 「ガス」。 右には赤いペガサス。 ここにクルマを停めていたのだが、帰り際にふと見ると、そこにエロ本の自動販売機があった。道行くクルマは「練馬ナンバーのクルマが国道沿いの自販機でエロ本を買ってるな…」と思って見ていたに違いない。
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前回の記事に対してg_stand さんか らいくつか貴重なご指摘をいただいた。「モービロイル」の壁は、よく見ると「ル」のあたりに「es(so)」と見えている。つまり、防火壁は短縮されているうえいに、モービルからessoへ、またはその逆のブランド替えがあったことになる。これに私は気づかなかった。なんというザル。 また、この「ル」から直角に、つまり道路と並行にコンクリートブロックが積まれている。私はそれを「エロ本の自販機隠し」だと思ったのだが(当日にそう思ったことを、いま思い出した)、それはおそらく道路拡幅の際に防火壁にさわったためと思われる。…… いつもながらの貴重なご指摘に感謝いたします。
内村川の谷間の国道を東に向かって走っていると、畑の中に「モービロイル」と書かれたブロック塀が現れる。ほとんどは空色(が褪色した色)、下部は小豆色(が褪色した色)で塗られた防火壁。
その向かい、つまり右には本殿がある。 広大な敷地に、荒らされもせずに残るモービル石油の給油所。 防火壁には「軽油89円」とある。いつの水準だろう、2006年には軽油は100円こなっていた気がする。 ガソリンスタンド然としたたたずまいのサービスルーム。かつてはこの大きなガラス窓の向こうにドライバーが休むソファがあり、事務机の付近は書類で溢れており…。いまも室内には当時販売されていたままの商品が未開封(多分)のまま残されている。 いわゆる「廃墟趣味」はないので、侵入などはしない。あくまでも「自由に勝手に歩いても(たぶん)怒られない対称」として閉鎖された給油所で観察しているの。 外にはほとんど遺留品はないのだが、ここに目が行った。 (上) 「使后は元の所え 空気圧力計掛ケ」 (下) 「空気バルプは 使用后はしめる事」 そして。 「モービロイル」という、Mobil Oilを英語で読むと続いて聞こえてしまうという表記をそのまま採用したこと。そこにあったエアゲージは、イギリスのPCL製だったこと。モービルはアメリカの企業であるし、この二つはまったく関係ないのだけれど、なにか嬉しい気がした。 なお、PCLはいまも存在する。 http://www.pclairtechnology.com/ (続き)
9月のある暑い日、スーパーテネレで利根川の橋梁を撮って回った。行きがけの駄賃的にC61も見た。
岩本の北、左(西)から上越線、国道17号、利根川、と並走する場所。片品川との合流地点のすぐ上流には、国道17号から直角に曲がって利根川を渡っていく戸鹿野橋がある。そのすぐ北に、このMobilはある。 波のような屋根。それも、支柱が偏っている。電球はひとつだけ灯っている。これは、明るさのためではなく、クルマから「光っている何か=ガソリンスタンド」と認識してもらうためのサインだろう。 写真は、周辺の状況等の事情により、超広角で撮ったものをトリミングしている。左には事務所、右は防火壁とポールサインがある。屋根の向こうには洗車機もある。これだけの広さだが、計量機は2基。 この日は快晴だったが、あの屋根に当たる雨音を聞いてみたい。雨の日にバイクで訪ねたら…やっぱりそそくさと退散してしまうだろうな。バイクの場合、雨の、こういう給油所はつらいから。 場所はここ。
国道17号で三国峠を越え、新潟県に入ると、すぐに苗場プリンスホテルの門前町とでもいおうか(実際の成り立ちは違う)、三国や浅貝の集落がある。そこで、いつも得も言われぬ感情に襲われる。かつての清里の雰囲気とでもいおうか、ものすごい人数の行楽客を収容できるはずの場所なのに、そんな行楽客は皆無で、いるのは合宿の学生たちばかり。行楽客相手の店も、営業してるんだかしてないんだか、わからぬほどだ。ここで商売が成り立つとは、どうしても思えない。
そんな中に、コインパーキングがある。 両サイドに防火壁。まごうことなきガソリンスタンド。 この壁の色はゼネラル石油。壁の文字は、上段は不明、二段目はNAEBA。 張り紙が、貼られ、剥がされ。塗装はひび割れて落ちている。これが補修される日は、来るのだろうか。 |
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