こぢんまりとした印象の、100ftプラットトラス。
東武野田線の庄内古川橋梁である。 100ftでわたれてしまう庄内古川とは、東京湾に注ぐ中川そのものである。 中川を北に遡るとしよう。 武蔵野線と交差するあたりでは水のある幅が80mほどある中川は、 すぐに西に元荒川を分け、新方川を分け、大落古利根川を分ける。 すると、中川はこれくらいに細くなる。 1929年横河橋梁製の、当年80歳の橋梁である。 文字を読みやすくするためにアンダーにしてある。 昭和五年
株式会社横河橋梁製作所 製作 歴史的鋼橋一覧によれば昭和4年製となっているのは、側径間が昭和4年製であるためだろう。 さて、その側径間である。 真横からではないが、明らかに桁が斜めになっている。 対して、レールは水平。 そのため、枕木にゲタを履かせている。 こちらの銘板はこう。 ちゃんと昭和4年製である。
本邦に5例しかないらしい、300フィートのペンシルバニアトラス。
そのひとつが、大船渡線の鍋鉉に左下、真滝-陸中門崎間の北上川に架かっていた。 (国土画像情報 cto-76-16_c9_41を転載、トリミング) 見よ、水面に映ったこの美しい影を。 うまい具合に上流川に影を落としているため、波が邪魔することもない。 この桁は1922年汽車会社製。1925年開通、1979年頃まで使用されていた。 長さ約93m、高さ約15m。 こちらのサイトの写真を見ると、蒸気機関車の3倍もの高さがよくわかる。 さて、本橋梁の建設中の写真が土木図書館に多く残る。 「鉄道橋梁工事」内に「記載事項なし」とする写真の多くが、本橋梁である。 なんと美しい姿。 (土木図書館蔵) 興味を引くのは「墜落橋脚引上工事」と題する写真である。 (土木図書館蔵) 一体何があったのだろう。 なお、土木建築工事画報の記念すべき第一号にも簡単な説明がある。
先月末で、北陸鉄道石川線の末端部分、鶴来~加賀一の宮が廃止になった。
かつては石川県内に縦横に路線を敷いていた北陸鉄道は、 かつてこの加賀一の宮から南に金名線という路線を有していた。 その路線が運転をとりやめたのは1984年、廃止は1987年である。 廃止となった理由は、手取川を渡る橋梁の橋台の劣化であった。 その手取川橋梁の美しいプラットトラスのシルエットが 航空写真に記録されていた。 国土画像情報よりccb-75-22_c23_5 を転載、トリミング いま資料を探索中・・・。 ほぼ同じ場所に、いまは別の橋がかかっている。 グーグルマップで上空から見ると、同じ橋かと思ってしまうが、 実際には微妙に位置がずれている。 自転車専用の橋で、金沢市内の御影大橋の幅を詰めて転用したものである。 ここにはこのようにトラス橋が3列並行している。 パッと見ただけでは、なにがなんだかわからないと思う。 画面奥、一段高くなっているのが、緩行線の複線ワーレン。 手前の直弦ワーレンは、快速線の下り線。 それらに挟まれるようにしてある曲弦プラットが、快速線の上り線である。 この上り線の橋梁の架け替え工事がまもなく始まる。 200フィート(62メートル)の曲弦プラット8連を目の当たりにできたら さぞ美しいかろうが、上述のように、遠く、たとえば北側の国道6号からはまったく認識できない。 橋梁の真下に行って、ようやく姿を拝めるのである。 真下に行くと、このようになる(逆光なのでちょっと・・・) この、私が立って撮影した地点に新たな橋が架かる。 すなわち、一時的に4本のトラス橋が平行することになる。 ここに行ったのは、この1917年東京石川島造船所(現IHI)製のプラットトラスを見るためだったが、 実際には1980年代に入って製造された緩行線の複線トラスの、桁高さが変わる部分に圧倒された。 (製造メーカー不詳) 詳細な寸法は不詳だが、左側(方角で言えば北東。取手側)は 緩行線と同じ間隔で橋脚があるので、200フィートクラス。 右側(南西、天王台側)は緩行線2連分を一またぎにしている。 ということは400フィートクラス(支間約124メートル)。 支間が長くなれば桁の高さも大きくなる。それを連続させているのが興味深い。 しかも、この場所だけではなく、のべ4種の高さがあるのである。 航空写真を見て判断する限り、取手方から ・62m程度 4スパン(最小高) ・124m程度 3スパン(最大高) ・100m程度 2スパン(中間高) ・62m程度 3スパン(最小高) に見える。 詳細な図面が見てみたい。 全体の橋長は、『鉄道ファン』1983年2月号掲載の、国鉄運転局車務課山本五兵衛氏 「常磐線 我孫子-取手間 複々線化完成」という記事によれば、 「利根川橋げた(972m)」だという。 |
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