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岡山県の井倉のすぐ北、国道180号が蛇行する高梁川に沿って走っている。対岸の矢茂集落に向けて、鋼製主塔を持つ吊橋があった。矢茂橋という。

右側(右岸)が国道だ。主塔がギリギリまで川にせり出しているのがわかる。一方で対岸(写真の左側、左岸)は河川敷を挟んで主塔が建つ。

左岸。アプローチは鋼板で、その幅も非常に狭い。

アンカー、左は地面に埋め込まれているが、右はコンクリートの土台がある。つまり、左右で形が違う。

主塔の左右の脚には、塗装記録の表示がある。写真は右側。

対岸(左岸)のアプローチ。主塔右脚の表示は「この橋梁は歩道専用橋で諸車の通行は出来ません 新見市」。その上の○は重量制限か車幅制限の標識だろう。

代替の橋がないのに歩行者専用というのは、おそらくかつては矢茂集落に至る唯一の道がこれだったのでクルマも通行できたのだが、伯備線のルート付け替えで不要となった旧線を道路化したために、この橋の重要度が相当低下してしまったものと推測する。

アプローチと補剛桁は、かなりの角度で突き合わせてある。橋全体の構造に比べるとアプローチ部は明らかにかなり時代が下っているので、かつては写真に写っている「一段低い位置」にはもっと地面があり、こんなアプローチはいらなかったのかもしれない。

さて、補剛桁である。それなりのスパンがあるのに、単純なプラットトラスだ。そして、これはいま改めて気づいたのだが、補剛桁の下部にキングポストトラスが見えている。

これは床版の横構にあたる部分(川の流れ方向)が、キングポストトラスなのだ。こんなものは初めて見た。しかし、現地で見えていなかったので、裏面を撮ってはいない。これも非常に悔やまれる写真だ。


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