東新潟港駅付近の廃線跡(昼)その1 の続き。
東新潟港駅から南へ行くと、国道113号があり、そこに踏切跡がある。そこから逃がし新潟公益側を見ると、こんな木が育っていた。 冒頭の写真右側の敷地内は、近所の家の物置になっていた。…と、おばちゃんが線路を横切っていった。 冒頭の写真の左側は、このようにレールが途絶していた。なんとも中途半端な撤去状況。 たぶん出発信号機。 国道を挟んで反対側を見る。 右に詰所。国道を渡った2組の線路は、ここでひとつに重なる。…と、左のポイント、トングレールがない。撤去されたか盗難か。 詰所手前には勾配標。 詰所の中。平成10年(1998年)12月8日改訂の時刻表、1999年1月のカレンダー。右奥には昭和50年代半ばっぽい木目調のクーラーが見えている。時が止まった。 詰所の横あたりから北を見て、国道113号。 ポイント付近のケーブル。このように溝をきちんと作り、そこに収めたいる。全国の線路脇には、恐ろしい数の、こうした細かい函がある。 あわれ、警報機。身をすべて取られ、頭と背骨だけになった魚のようだ。 (続く) PR
東新潟港駅付近の廃線跡(夜)の続き。改めて、午前中に行った。
重油を運ぶ水管橋 東北電力新潟火力発電所で書いたワーレントラスのすぐ近くに、東新潟港駅の廃線跡がある。この距離だ。 ここは、実家からたぶん2kmもない。しかし「みなとトンネル」が開通するまでは、ここに来るには大廻りしなくては来れなかったし、そもそも新潟にいた頃にはここらへんには興味がなかった。いま思えば、自転車で駆け回っていた小中学校の頃に、ここに来ようという発想がなかったのは、実にもったいない。 何度か書いたが、その頃には越後交通の廃線跡や信越本線の青海川付近の廃線跡から、そうしたものに関心は持っていた。ただし、それを「よく考える」ことをしなかった。考えれば、手持ちの地図を見れば、ここに貨物駅があるのはわかったはずなのに。 なんともったいない。かつて、ここにワムが蝟集していた時代を、みすみす見過ごすなんて。 現地には原付で行ったが、みなとトンネルは原付通行禁止なので、結局大廻りをした。 東新潟港駅跡に残る「安全の塔」。近くに寮のようなアパートもあるが、関係あるのかないのか…。 まだ当分、このまま放置されていることだろう。なかなか港らしい、荒涼とした風景だと思っている。
重油を運ぶ水管橋 東北電力新潟火力発電所が、かつての臨港線をまたいでいることは記事に書いたとおりだが、この水管橋と道路1本隔てて線路が放置されている。途中で分断されている箇所もあり、本当に放置状態である。その場所は真っ暗なので、少し南下した場所で撮った。
横断歩道と並行するように、線路が道路を横切っていた…はずである。しかし、その痕跡は舗装の下に埋もれている。 水管橋側を見る。線路内には雑草が生え、両脇は住宅街のため、敷地内が物置として、おそらく勝手に使用されていたり。 角度を変えて。推測するに、レールはそのまま舗装で埋められたのかもしれない。 警報機跡。灯火類はすべて撤去されている。 影を落とす。 反対側、すなわち焼島側を見ると、道路の街灯が、まるで線路沿いを照らす水銀灯のように一列に光っている。 詰所も勾配票も残っている。あ、左に傾いている…(←修正しろよ) 遠くに煙突が見える。地図を見たけれど、ちょっとどこの工場かはわからない。 すてきだ。 (昼間の様子は後日アップ予定)
新潟に育ちながら、ついに現役時代を見ることがなかった越後交通長岡線。小学生だからというわけでもなく、最末期はすでに働いていたが、鉄道趣味から相当に遠ざかっていたので、関心すらないまま、いつのまにかなくなっていた。
大津農業倉庫(越後鉄道 槙原駅跡) 越後交通与板駅跡の日通倉庫 の記事でも書いたが、4月末に付近を原付で訪問した際の写真を一部、アップする。もっと多くの写真をFlickrにアップしているので、ぜひそちらもご覧いただきたい。すべて、意図的にコントラストを高め、色調を触っている。 レポートなど、既にすばらしいものが山とあるので、私などが出る幕はない。
丸田祥三さんの写真集『眠る鉄道 SLEEPING BEAUTY』が、ついに完成した。「本」というカテゴリでは比類なきものができあがった。つきつめると、印刷物として、こういうものを作ることができるのか…。
丸田さんの作品ひとつひとつについてはいまさら私が書く必要などない。また、どんな作品が掲載されているかは下記の「制作実況中継」で十分想像できると思う。私の感想など、ファンにはなんの役にも立たないが、造本と印刷についてなら多少は参考になると思う。そこで、それらについて書く。 <ぜひご覧ください> togetter:丸田祥三×祖父江慎×凸版印刷×江上英樹 『眠る鉄道』制作実況中継 本書の企画・担当は、月刊IKKIの江上英樹編集長。広田尚敬さんのデビュー60周年記念企画をとりまとめ、『Fの時代』を作り上げた方だ。(<参考>『Fの時代』と『Cの時代』)
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この本に興味をもったら、あるいはこの本を買うかどうか迷ったら、ぜひ書店で手にとってみていただきたい。とにかく、「造り」が魅力的だ。この「造り」が、本書の作品をさらに高めている。装丁は『廃道 棄てられし道』と同じく祖父江慎さん+福島よし恵さん。 上の写真のように、本書は、ノド(綴じてある側)までめいっぱいに開く。そして、紙が厚くて硬い。ノドまで開くこの製本は「コデックス装」、通称「綴じっぱなし製本」といって、本来は、この背に布を貼り、ハードカバーをつけるものだ。これを並製本にすると、こんな感じに見開ける。 ノドまで開けて、硬い紙だとすると、「絵葉書の束」のような印象になる。外周に白地があることによって、絵葉書感はなくなり、額装のような印象になる。このあたり、祖父江さんの狙いなのだろう。 印刷については前述のtogetterに詳細があるが、一部の折は蛍光ピンクを使った5色刷りである。印刷で再現できる色は、比較的限界が低いのだが、丸田さんの作品の彩度を再現するために、凸版印刷のプリンティング・ディレクター、金子氏が決断したものだ。しかも、通常、蛍光色は最後に刷るのだが、逆に先に刷って、その上にCMYKを刷ることで、シャープさと輝きを実現している。 私のダメな目では、5色刷りと教えていただいたページをルーペで覗いてもそれだとわからないので、このページもそうなのかどうかわからないのだが、丸田さんお気に入りの一枚が右の作品。こんな写真ではわからないだろうが、まるで絵画のようなのだ。最近撮影したデジタルカメラによる作品の、手が切れるようなシャープさと被写体の硬さとはうってかわって、画面全体がとても軟らかい。私はどシャープな作品も大好きだけれど、丸田さんのファンはこちらの作風を好む人も相当いるのだろうな、と思う。ほかにも、まるで昭和30年代の雑誌の付録のようなやさしい、少しくすんだ色合いの作品もいくつかある。たとえばこの作品。(自宅の蛍光灯が写り込んでいるのはご容赦!) わかりやすいように作品の一部だけを写すと… どうだろう、この絵画感は。 巻末には、江上さんこだわりのページとして、全作品の現役時代の写真が掲載されている。 この写真とデータを集めるのが、相当難儀したらしい。いや、でも、相当そこで楽しめたはず…と、実はお手伝いしたかった私はそう思っておく。 そして、ここで、広田尚敬さんの作品も掲載されている! 丸田さんは、広田さんをとても尊敬している。こんな形での共演、喜んでおられるのか、今度お会いしたら伺ってみようと思う。
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もう、うっとりする本だ。定価2625円。決して高くないと思う。3冊買って、1冊は「本」として大切にし、2冊はバラして1枚1枚の作品として額装して飾っておきたいくらいだ。25日配本なので、書店店頭には明日ころから順次並ぶはずだ。 本書で、丸田祥三さんの「三部作」は完成した。これから、本書を、丸田さんの作品を、作品世界をさらに楽しむためのイベントも企画中だ。私も絡むかもしれない。乞うご期待。 |
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