JRと東武東上線の接続駅、小川町。東武「東上」線は、東松山からほぼ西に向かっているので方向感覚が狂ってしまうのだけれど、この跨線橋は南側=駅本屋につながる跨線橋である。見ての通り、古レールをプラットトラスに組んだもの。写真は東を向いていて、右が南である。
ご覧のように、ホーム上屋の支柱も古レール。線路方向の梁として、レールを縦に2本重ねているのだけれど、下側が/ ̄\になっているのを東武ではよく見かける。 階段部分を覗く。よくある跨線橋……ん? なにか見える。 なんだこれは? 一瞬、歩く方向を分ける柵かと思ったが、もちろんそんなことはない。おそらく上弦の上に乗っかっている横梁は、上弦とつながっているだろう。アングル材を添接しやすいレールの底面が向こう側なので、反対側の写真を撮らなかったのが痛恨なのだが、時間がまったくなかったので仕方がない。 となると、跨線用としては珍しい、「3主桁のトラス橋」ということになる。3主桁のトラス橋は日本の鉄道創業期の複線桁にもあったし、条件によってはあり得るのだけれど、跨線橋のような、たいして荷重のかからないもので3主桁は、過剰な構造なのではないだろうか? こんな跨線橋は初めて見た。 古レールの陽刻には「6040 CARNEGIE 1922」と見える。また、左に監視カメラが見えるが、これは日立製。まったくの印象なのだけれど、珍しい?? 冒頭の写真を拡大すると、たしかに、跨線橋の裏側には主桁(トラスの下弦)が3本見えている。 この跨線橋は、北側=八高線ホームにもつながっているのだが、まったく形が異なる。 アングル材をプラットトラスに組んでいる。 中はこう。幅は、東上線のものよりも狭い。 しかし、どちらが先にできて、どちらが継ぎ足されたのか、そこまで見ることができなかった。近々再訪して、もっときちんと見てこようと思う。 PR
しなの鉄道と長野電鉄屋代線が共同で使用する屋代駅。駅本屋と直接つながる1番線(しなの鉄道)、島式ホームの2・3番線(しなの鉄道)、1本の通過線を挟んで長野電鉄の5・6番線島式ホームを、1本の跨線橋が結んでいる。
その跨線橋、途中で全くの別物になる。元はJR/国鉄であるしなの鉄道側は幅も広く近代的に改装されているのに対し、長野電鉄側は、幅は狭く、木製なのである。 木製ゆえに、ハウトラス。何度もこの駅を通っているが、まったく知らなかった。 跨線橋の上屋だけでなく、梁も、脚も木製。いまとなってはかなり希少なものだ。 階段を昇ってみようか。窓などないから、風が通る。 跨線橋に上がったところから、駅本屋方向を見る。ハウトラスとして、圧縮力がかかる斜材は木材だが、引張力がかかる垂直材は鉄の棒だ。 その場で振り返ると、端部はこうなっている。階段部分は下に脚があるので、トラス構造のフレームにはなっていない。 後ろ向きのまま後退して、長電方向を見る。 さらに後退し、しなの鉄道2・3番線の上あたりで、長電方向を見る。長電側が木造で幅も狭いのに対し、しなの鉄道側(繰り返すが、元JR/国鉄)は鉄骨構造だ。もう、すべての規格が異なっている。 少し角度を変える。長電側の屋根には垂木はなく、左右のトラス上弦をつなぐ上横桁から天方向に束を突き出し、束を結ぶ形で棟木が上げられ、その棟木から上弦に向けて屋根板が張られている。 斜材の存在感は、こんな。 裏側はこんな。やはり、下弦材の上に床板が通されている。 参考までに、しなの鉄道側の跨線橋。なんて立派なんだ…とは感じるけれど、古レールを利用したものだ。しなの鉄道側の跨線橋は外観含めてまったく撮っていないという間抜けさ。古レールはワーレントラスに組まれている。 この貴重なハウトラスは、屋代線廃止とともに解体されてしまうのだろうか。それならそれでしょうがないけれど、秋の蒼空の下で撮ってみたい。 手元に、国鉄時代の屋代駅の入場券があった。前後の経緯からして、18きっぷで新潟→郡山→三郷(親戚宅)/つくば万博/?(鶴見線など?)/信越線→新潟、という旅をしたようだ。懐かしい。
JR関西本線の柘植駅。電化路線の草津線との接続駅だが、基本的にはとてものんびりしている駅だ。
関西本線が西から東へと延びてきて、1890年(明治23年)にここに駅ができた。そのなごりか、右側のホーム(1番線)はレンガ積み+笠石の低いホームを嵩上げしている。おもしろいのは、その手前(画面右)の、現在も低いホームはレンガ積みではなくコンクリートのブロックのようなものが積まれている。 跨線橋はレールをプラットトラスに組んだもの。脚も古レールだ。あまりよく観察しなかったが、塗膜が厚く、パッと見た限り、陽刻が読めなかった。 反対側から。 1960年代末から、ほとんど変わっていないようだ。(それ以前の写真は、ざっと見た限りは確認できていない) 木製である点。それ以上に、側面の平行四辺形の窓がすてき。 桟まで木製。私が子供の頃住んでいた家の窓は、桟が木製だった。1981年に立て替えたときは築50年は超えていた家。目釘で桟を留めてガラスを固定する。 階段部分を上から。これは1番線側で、写真左(レール側)はベニヤ板で覆われている。ポスター掲示用のようだった。 天井には配線用の配管。この配管を追っていくと、2番線のホームにたどりつき、蛍光灯につながっているのだが、配線は二重系統になっている。すなわち、一つの配管から蛍光灯ひとつ置きに結線され、もう一つの配管から別のひとつ置きの蛍光灯に結線されている。減光用か、非常用か。 通路。屋根はキングポストトラス。配管は下弦の上に載っている。 窓はアルミサッシ。古くはここkは吹きさらしだったのではないかと思って古い画像を探したが、見つけられなかった。 通路側面の板を化粧板で覆ってポスター掲示板にしていないのは、とても好もしい。 ホーム上屋。亀山方向。屋根を支える斜材が、手前のものは二本ずつ、奥のふたつは一本である。 観察すると、二本のもののうち、内側の/\型は後付けのようだ。 端部。板張り。下端が曲線を描いているが、こういうのは貼り付けた後で切るのだろうか、それともこの形にしてから貼るのだろうか。 関西本線の駅や施設はとても歴史を感じることができて楽しい。
青森・北海道の駅における跨線橋 撮り散らしの続き。
●蘭島駅 古レールでフレームが組まれたプラットトラスタイプ。もちろん脚も古レール。外壁が木製で、フレーム以外は塩谷駅(前日のポストを参照)と同じに見える。 階段部分の屋根に、枕木方向(と言っていいのかな)に4本、部材がある。そういえば、トタン屋根は、端部にこういうのがあることを思い出したが、これ、なんだろう。屋根上に上がったときの万一のためか、雪が滑らないためか。ご存知の方はご教示くださいませ。 ●余市駅 プレートガーダータイプの跨線橋。脚は古レール。ガーダーもリベット接合で、時代を感じさせる。 この跨線橋は、いつ架けられたのだろうか。1948年の航空写真には、ないように見える。1967年はどうだろうか。よくわからない。1976年にはある。 ●倶知安駅 部材は古レール。しかし、窓の部分に斜材が来ないように設計されている。古レールをプラットトラスに組んで跨線橋を製作する場合、斜材を、窓を無視する・窓を考慮するように配置する2タイプがある、ということに気づいた。 よく見ると、レールの底部を利用して壁材を貼り付けているように見える。 ●ニセコ駅 一転して、窓を斜材が塞ぐタイプ。 屋根のスベリ止め(?)も、横棒ではなく、なんと言えばいいのだろう、取っ手タイプ(?)。 脚も古レール。壁材は、古レールの底面の裏側に貼ってある。 跨線橋の入口に扉があるのが、北国らしい。断面積が半分になるので大量の客をさばくことはできないが、冬期の雪の吹き込みを防ぐことには大変効果的だ。駅によっては、夏場は扉を外しておくことがある。 ●蘭越駅 鉄骨でベースが造られているタイプ。1965年の航空写真にもその姿が見える。脚は鋼管タイプ。 内側。鉄骨のベースがあって、その上にコンクリートで階段を造って、それをパネルで覆った感じ。 この駅で1時間半くらいあったので、周辺をいろいろ歩き回った。 ●七飯駅 ちょっと離れて七飯。古レールでプラットトラスタイプ。 窓にご注目。三段窓である…というのは誤りで、単に、目の字型の桟であるというだけ。電車でいう「三段窓」は、最下段と最上段がそれぞれ上昇・下降するもの。こちらのサイトに詳しい。 跨線橋の写真。列車の窓が開かなければ、撮影できない。北海道で乗った各停は、キハ40は窓開けOKだったが、蘭越から長万部まではキハ150だったので不満だった。私たちの世代では、列車は風を浴びてこそ。 跨線橋を見るとしたら、 ・跨線部分のフレームの部材、構造 ・階段部分の部材、構造 ・脚の部材、構造 ・窓 ・階段の踊り場の有無(高さはほぼどれも同じ) ・外壁 ・外壁とフレームの関係 ・跨線部分の屋根構造(山形か片傾斜かなど) などだろうか。 いまさらだが、「プラットトラスタイプ」というのは、トラスが |\|\|\|\|/|/|/|/| または |\|\|\|X|X|/|/|/| となっているもので、鉄(鋼鉄)のトラスを組む場合に多用される。架線を吊り下げているビームがトラス構造である場合もほとんどがプラットトラス。 なお、基本的に、プラットトラスタイプ以外の跨線橋は撮影していない。いま考えれば、ガーダータイプも撮影しておけば、なんらかの類型化ができたかもしれない。今度から、網羅するようにしよう。あと、列車内からなので無理といえば無理なのだが、脚の形式にも注目したい。今度の課題である。 |
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