DTH57、というのかはわからない。wikipediaにそう書いてあっただけで、他に資料がないのでそうしておく。
東武博物館に保存してあるED5010形5015号。ピカピカ。これがまた、触れる状態である。 DTH57形台車。目を引くのは台車枠側面(側梁)が弓形(凹型)であることと、枕梁がコイルバネ1本+ダンパであることだ。 枕バネの真上、側受の上のスペーサーが何段にもなっており、とてもバランスが悪い。 座屈しちゃうんじゃないのかと思うような側受。上揺枕は枕木方向に弓形で、ものすごく太いこともわかる。 対して下揺枕は華奢だ。もっとも、これは左右の枕梁受け(とでも言おうか)をつなぐくらいの役割しかないのかもしれない。 左右の側梁をつなぐ台車枠の中梁の太さと、その間に見える上揺枕に比べ、下揺枕のなんと頼りないことか。いや、単なる印象だけれども。 こういう、鋼鉄の塊感がとても好きだ。 PR
東武博物館の屋外に屋根付きで展示してある東武ED10。譲渡後の近江鉄道において、空色と黄色に塗装されたED4001として活躍、あるいは保存されていた姿をご記憶の方の方が多いかもしれない、というか私がそうだった。
こうして茶色に塗装されると、まったく印象が異なるものだ。台車は板台枠で、wikipedia日本語版でも形式が載っていないので、形式は不明としておく。『電気機関車展望』 には載っているだろうか、売ってしまったのが悔やまれる。 ゴリゴリとした乗り心地が伝わってきそうな台車。板バネの軸バネしかないようだ。かつ釣り掛け式…。 下部に水平方向に2本並ぶロッドは、内側が車輪内側の踏面ブレーキ引張棒、外側が車輪外側の踏面ブレーキ引張棒だ。 砂箱は両端にあり、デッキ側の砂箱にはステップもつく。その上にはデッキ。 エアタンクとブレーキロッド。 当時の電気機関車は、モーター付きの台車が連結されており、その上に車体がのっかっていた。牽引力は、連結器+台車+台車+連結器、と伝わり、台枠は無関係。だから、台車同士をつなぐ機構がある。 車体の銘板。 台枠の銘板。 どちらにも、ENGLISH ELECTRICとDICK KERRの文字があるが、デッカーを買収したEEが、子会社のデッカーで製造した…と考えるとわかりやすいが、いつまで会社としての、あるいはブランドとしてのデッカーがあったのかはわからない。
東武博物館に保存されている台車。もとは下野鉄道では101の台車で、巡り巡って銚子電鉄のデハ103で使用され、廃車後、現地に保存されたものである。花巻電鉄デハ3の台車と同じものだ。
向かってだけにモーターがある。釣り掛け式だ。 台車枠は板台枠。軸箱は、全長の短いウイングバネで保持されている。 向かって右は付随車輪、端部には排障器がある。右が車端側。 モーター側。台車枠の端梁にバネを介してモーターが乗っている。 モーターと台車枠の隙間には、それぞれ「OIL」「GREASE」と書かれた箱がある。 小型で美しい台車だ。
東武博物館に保存されている5700系の台車を見て驚いた。私はもともと私鉄車両のことはほとんど知らない。台車は私鉄におもしろいものがたくさんあるのだけれど。
パッと見ると、枕バネを板バネとするウイングバネ台車に見える。しかし、よく見ると、軸箱の上に、レール方向に板バネがある。 中央上に見える横方向のシリンダーはブレーキシリンダー、下の棒はボルスタアンカーだ。 いちばんの特徴である、軸箱の指示方式。板バネの両端は左右のコイルバネの上につながっている。上下振動を減衰できる板バネを介したウイングバネ台車、という解釈が正しい気がする。これがゲルリッツ式台車と通称されているものだ。 下から。枕梁に結合されているボルスタアンカー。枕梁の下に枕バネ(板バネ)がある。このボルスタアンカーで、車輪が創り出す(と考えるとわかりやすい)牽引力やブレーキ力を、台車の側梁から枕梁に伝え、車体に伝え、連結器に伝える。 前後面。住友のマークと「H2082」という陽刻がある。 東武博物館は、中こそ子どもがそこそこいるが、中庭は無人に近かった。近寄って鑑賞しても、だれの迷惑にならないくらい閑散としていた。趣味的にはとても素晴らしい環境だけれど、人が入るに越したことはないわけで、いや、これは余計なお世話でした。
ふと思い立って、東武博物館に行った。なにがあると知っていたわけではない、東武鉄道のことは車両も含めてほとんど知らない。でも、車両に触れたくて。
国鉄5500形と同型の、東武鉄道B1形5号機。1898年、イギリスのベイヤー・ピーコック製。 東武の蒸気機関車の特徴は、弁装置がスチーブンソン式であることだと思っている。いくつか保存されている蒸機すべてそれだ。 国鉄の制式蒸機に採用されているのはワルシャート式弁装置。上下2段になっていて、「上」が蒸気室、「下」がシリンダーである。それに対してスチーブンソン式は左右になっていて、内側が蒸気室、外側がシリンダー。よって、一般的に蒸気機関車を蒸気機関車たらしめているメカニカルな心向棒や偏心棒、リターンクランクなどが、パッと見では存在しない。シリンダーから主連棒が1本だけ伸び、そのまま車輪を回転させているだけに見える。 ボイラーの下をのぞくと、弁装置が「内側」にあるのがわかる。写真左は運転室、右が先頭。運転室から伸びているのが逆転棒(車体右側にある!)、その先が逆転機。さらに先、ボイラーの下に枕木方向にある棒が逆転棒だ。 写真右下に2本並んでいるのが弁心棒。この2本がそれぞれ、蒸気室内のピストン弁を動かし、蒸気の供給をコントロールする。 逆転機横の油壺には、きちんと油が入っていた。フェルトもきれいだった。 写真は、左が運転席、右が前部。左のフォークが連結されているのが逆転機。 運転室内。逆転機が右側にあるがわかる。 右側。 この車両は、1日数回「SLショー」を行う。これがすばらしい。下からだが、車輪を回転させるのだ。つまり、スチーブンソン式弁装置が動く様を見れるのだ。 興味深いのは、シリンダー。車輪の側から逆にピストンを動かしているため、ピストンは実際にシリンダー内で空気を動かしている。そばにいると、ピストンの右で空気を圧縮して吐き出す音、左での音、と交互に聞こえる。ピストンが左右に動いているのがわかるのだ。 写真の下にはモーターで回転する車輪がある。このためのレールの切り欠きもなかなかすてきだ。 先に「油壺には油が入っていた」と書いたが、それは、弁装置全体を日に何度も動かすからだろう。そこには後から気づいた。 入場料200円。見放題。いい施設だった。 …なぜ動画を撮らなかったのだろう…!! |
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