三笠鉄道記念館に保存されているキロ26。車体表記はオリジナルの書体ではない。写真左が前位(1位=見えない側・2位=写真側)、右が後位(3位=見えない側・4位=写真側)。前位側が駆動台車のDT22(DT22AまたはC)、後位側がTR51(同)。
詳細な解説はwikipediaにこれでもかというくらい掲載されている。ただし、台車の各部の名称を知らないと理解しづらいかもしれない。 35mmレンズではパースが出るからダメだな…。右の、車体から下りてくる管はトイレからの排水管だろうか(流し管ではない)。 台車の写真は通常、真横からのものばかりなので、ここでは立体的に構造を把握できるようなものを。 Aは、上揺れ枕。車体の荷重をここで受ける。枕バネはコイルバネ、中央のDがその減衰装置(ダンパ)だ。Cが下揺れ枕で、Bの揺れ枕吊りで台車枠に減衰後の荷重を伝えている。 中心ピン。荷重はほとんど負担しないものと記憶しているが、ちょっと確認がとれていない。 PR
C6120の従台車、LT254。従台車は、先台車と同じく通常の台車構造とは異なるのだが、外見的には板バネが一体鋳鋼製の台車枠の「中」に収められている点が興味深い。
従台車と先台車の役割は、動輪を曲線部で進向させることである。そのため、通常の台車のように、真上から見て中心部に心皿があるのではなく、台車枠からずれた場所にある。 ホビダスのサイト「編集長敬白」でC61を復元中のレポートがあり、そこに、このことがよくわかる写真があるのでご覧いただきたい。 左に見える穴が心皿の座金である。このように、構造そのものが、通常のボギー台車と異なる。 上の写真でついでに説明すると、通常のボギー台車なら枕梁などがあるべき場所が剛結されている。この、枕木方向の横梁を「横控」という。 私が興味をもつ部分は、ここだ(わかりやすくするために画像を明るくした)。 軸バネ(板バネ)が、中空になった側梁の「中」にあるのだ。日本のハドソン機の従台車は狭いスペースになんとか収めているためにかなり立体的に工夫してあるのだが、この構造にもその妙味を見いだせる。鋳鋼製の一体成形の中、このスペースを空けておくという工程、実際に鋳る作業を見てみたいものだ。 なおこのLT253はC61・C62用で、台車枠の前側が下がっている。C60・D60・D61・D62用には同系で前側がもう少し高いLT254が使われており、のちに鋳鋼製ではなく溶接組み立て式とされたLT254Aというものがある。こちらはちょっと不格好だ。 <参考> ●LT254 (出典:wikipedia) ●LT254A ・保存機巡り~留萌市見晴公園・D613 ・39679, 39655, 49601, 他 (宗谷本線・稚内機関区 1973.08) なお、テンダーの台車は通常のボギー台車に準じている。 余談。 軸バネはコイルバネ、枕バネは2列の板バネだ。鋳鋼製台車枠のLT243。 <関連項目> ・水上駅の転車台 ・水上駅の転車台の走行装置
(wikipediaより。GFDL1.2)
道路除雪車のサスペンションでは道路除雪車の前輪にサスペンションがないことを書いたが、鉄道用のラッセル車、キ100形も前位台車にはサスペンションがない。
キ100形は各地で保存されているので、実見される方はぜひ足下を覗いてほしい。また、個人的には連結器の鋳物感が秀逸なので、こちらもぜひ。前位台車はTR42という形式で、トキ15000やタキ1900などでよく見られるスリーピース台車(ベッテンドルフ台車とも)・TR41から枕バネを取り払ったものである。もともとTR42は軸バネを備えていないので、一切のバネがないことになる。また、画像右上に少し見えているだけなのでわかりづらいが、床板は木である。 (参考:TR42。軸箱は台車枠と一体であり、軸バネはない。枕バネは板バネ) (wikipediaより。GFDL1.2)
三笠鉄道記念館は、すてきなところだ。欲を言えば、もっと近づいたり触ったり上ったりしたいのだが、それは仕方ないか。
ソ80形81である。古くからTOMYTECからNゲージの鉄道模型が発売されている。 この手の事業用車両は、製造ロットによって、配置地区によって大きな差異があるのが常である。ソ81以外をみたことはないので、ソ81の特徴なのかどうかはわからないのだが、興味を覚えた機械的な可動部分を紹介する。 まず、走行装置。3軸台車を2組備える。機器室内のディーゼル発電機を搭載し(エンジンはDMH17型)、モーターでブームやワイヤーを操作する。その電力で、台車に架装したモーターで自走もできる。3軸台車の左端と中央の車輪の間に歯車が見える。これが、自走用の歯車だろう。後端(画像右端)にはアウトリガが見える。 キャブ後部。キャブの旋回には、小さな歯車を、走行装置上部の大きな歯車の外周を走らせることで行う。写真中央部にある小さな歯車がソレだ。 キャブ前部には、このように四つの走行輪が備えられている。その左右にターンバックルがあるが、これは移動時にキャブが旋回しないようにするための固定具。2枚上の台車内の歯車を見せた写真を見ると、後端にもターンバックルが見える。 真横からキャブの走行輪を見る。 台枠および台車の前部のアップ。ここが大変に興味深い。 赤い丸の部分はそれぞれの可動部分が不意に動かないようにロックするためのピンが刺さっている。 右側のピンを抜くとアウトリガを下げることができるようになる。ハンドル(棒)を回転させると、ジャッキの要領でアウトリガが地面のほうに伸びていく。また、アウトリガ自体は線路の外側に開く構造。写真には写っていないが、確か、勝手に外側に開かないようにロック機構があった気がする。 左側のピンを抜くと、レールをつかむクランプを動かすことができる。写真ではペンチのようなクランプ先端が上を向いているが、これを180度回転させて地面に向け、上部に飛び出したハンドルを回転してクランプをレール面に落とす。そこから引き上げると、自然にクランプがレールをつかみ、転動防止となる。これは前後左右の四ヶ所にある。 ほか、ブレーキパイプの取り回しと連結器部分のブレーキホースへの接続、軸バネ(板バネ)とその固定、それらの破損防止ガードなど、ひとつひとつの部品が必ず役割を持って存在している。過剰と思えるほど他の部品を守っていたりするのだが、これは、こうした労働環境では必須のものなのだろう。 * * *
事業用車は趣味的にかなり厳しい部分だが、とりわけ貨車、なかでも操重車の暗黒っぷりは一番かもしれない。趣味誌に諸元などが載ったことはほとんどなく、ディーゼルエンジンがどういう形で載っているのか、その制御板はどうなっているのか、走り装置はどうなっているのか、そういったことは一切わからない。ましてや蒸気機関を積んでいた時代のことなど知る由もない。RMライブラリーで、操重車を特集してもらえないだろうか。
三菱鉱業美唄鉄道といえば、4110形の払い下げが3両、同型の自社発注機が3両の合計7両が活躍していたことで有名だ。現在、東明駅が保存され、そこに2号機(自社発注機)が保存されている。
線路側。美しい状態で保存されている。駅前にはサイクリングターミナルがあり、レンタサイクルがある…と思うが、いまやっているかどうか不明。廃線跡は自転車道路になっている。 ホーム。ポツンと、2号機。8月の平日だ、好き放題に堪能できる。 残念ながら、運転台には入れない。 動輪径が小さいので、加減リンクの位置がこんなに低い。 さて、本機で興味を引かれたのはブレーキロッド(制動引棒)である。 写真は左が前。運転台の下にブレーキシリンダー(A)があり、制動軸腕(B)の前端(細いほう、写真左)を上下させると、後端(太いほう)に固定された軸を回転させる。それが、ロッド(制動引棒、C)を前後させる。 後部から見た画像。以下、部品を見やすくするために画像を明るくしている。この太い軸が回転すると、そこに固定されたカムがロッド(C)を前後させる。 動輪の間にロッド(C)が見える。ブレーキシューは(D)。ロッド(C)の上に見える帯板は、板台枠で、そこにブレーキシューの支持棒の根本が固定されている。 ひとつ疑問なのだが、ブレーキシューの上に伸びてきてる細い管は、冬期にシュー凍結防止用のために蒸気を噴き出す管だろうか? 写真左が前。いちばん前の第1動輪にはブレーキがなく、第2から第5動輪にのみブレーキシューがある(D)。それぞれ、ブレーキシューの支持棒の長さや固定方法には差がある。また、ブレーキロッドも各動軸間の長さの棒が連結されており、要所にターンバックルがあって引きしろを調整できるようになっている。 砂撒き管(E)は、前進用としては第2動輪の前に、後進用としては第3動輪の後ろにある。
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鉄道模型では、4110形または美唄4号機(この項で紹介したものではない)がトレインハウスからブラスが、マイクロエースからプラ製品が数回でている。どちらもリアルタイムで見ていた。マイクロエースの蒸機はプロポーションが破綻したものが多いのに、これらはスマートだった。買おうか迷ったけれど、買っていない。 いま改めてNゲージの蒸気機関車の加工をされている方のサイトで模型を見ると、実物では目につく場所だと思うのだけれど、マイクロエースは論外、トレインショップもちょっとディテールに埋もれている。残念。 ・N蒸機の世界 ・Nゲージ蒸気機関車
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このあと、我路に向かった。我路は、とても印象深いところだった。我路については後日。 |
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