現役時代には鉄道趣味から離れていたので、南部縦貫鉄道には乗っていない。2009年5月、イベントで運行されたときにたまたま近くにいたので参加した。
ディーゼルエンジンは日野DS90。といってもボア×ストロークというような諸元が私の手持ち資料でも検索でもはっきりしない。6気筒であることくらいしかわからない。 上の写真がシリンダーヘッド側で、左に出力軸が伸びる。シリンダーヘッドの下に「DS90」の陽刻がある、右から来る管が吸気、左へ伸びる管が排気。上に「DS60」の陽刻があるものも吸気管である。スペースの都合か、排気管の接続が気筒によって上からと下からに別れている。上写真左に見えている銀色のドラムはマフラー、その右の」型の部品は排気管。 角度を変えると、吸気管と排気管の位置関係がわかる。 クランク側。 シリンダーヘッド側拡大。 駆動軸。写真右から推進軸が伸びてきている。2段リンクだが、軸箱と左のバネ吊とが固定されている。おそらく推進軸との距離がずれないようにというものだろう。 うっかりしていた。もう1軸の写真も撮っておくべきだった。 PR
松尾鉱業鉄道のED25形の2号機が、八幡平市松尾歴史民俗資料館の屋外で保存されている。屋根がかけられ、全体を撮影するには厳しいが、おかげで状態はほどほどにいい。ここは「民俗資料館」という名称なので、知らない人は、ここに電気機関車が保存されていることに気づかないかもしれない。
このED252の台車である。 軸箱守式。軸バネはコイルバネ。 枕バネは2列の板バネ。 角度を変えて、枕バネと揺れ枕。 銘板。 TT-51台車 製作番号 351010 製作年月 26-6 東京芝浦電気株式会社 また角度を変えて。砂箱の複雑な形状やブレーキ引き棒の取り回しなど。 真正面。排障器 くらいか、目に見えるところでは。 社章、ナンバープレート、メーカーズプレート。 資料館内には松尾鉱山鉄道の資料や写真が多数展示してある。また、このように、ED252を移設する際の記録写真もある。 ほかにも出物がたくさんある資料館だ。入場無料、ぜひ訪れてほしい。
花巻電鉄の車両を知ったのは、1983年の『鉄道ファン』誌だった。この「馬ヅラ」にも惹かれたが、それよりも、砂利道の横に敷設されたレールの上を、砂埃をあげて走る「田舎電車」に強烈に惹きつけられた。高井薫平氏の連載、『昭和30年代の地方私鉄を訪ねて 古典ロコ・軽便・田舎電車、そして…』である。この時期、岩堀春男氏の『専用線の機関車』と並んで、非常に良質な連載だった。
こうして大人になってから対面すると、感慨もひとしおである。誌面で見てから30年。今で言えば、いま写真で知った20年前の車両を70歳になってから見るようなものだ。 連載時から考えると、それが連載された…私が読んでいた20~25年前には、こういうのが現役だったのである。まあ、いまから25年前、1987年頃だって、いまから考えると、あちこちに貨物列車も客車列車も走っていて、新潟交通だって全線走っていて、パラダイスだったのかもしれない。それを、その頃はまったく実感できていないというだけなのだ。いまこの2012年だって、25年後に見たら「機関車があったんだぜ!」とかなっているかもしれない。 それはさておき、台車。 1931年(昭和6年)雨宮製作所製のデハ3が装備するのは、雨宮オリジナルの板枠台車。枕バネはない…ように見えるが、板台枠センターの丸穴の奥に、枕木方向の板バネが見える気がする。軸バネはウイングバネ。 wikipediaによれば、1車体2モーターだったようで、たしかに向かって左(車端側)にはモーターのシルエットがない。向かって右には見える。また、この角度で見ると、枕梁が見える。 検索したら、銚子電鉄のデハ101が同系台車を履いているとRMの『台車近影』にあった(このデハ3も出てきた)。 このデハ3は、とても美しい。願わくば、車内に入って木製の臭いを堪能したい。
くりはら田園鉄道ED202の台車に関連。
くりはら田園鉄道若柳駅跡に保存されているED20形ED203。定期的に公開されているが、それ以外の時期でも柵越しに容易に眺めることができる。 当然の如く、ED202と同じ。ただし、こちらは主電動機もそのまま。
* * *
若柳の車庫の裏に、ダルマが3両ある。 詳しくないのでわからないのだけれど、wikipediaには載っていない程度にこの3両のプロフは不明。こうしてこの地に土台を設け、屋根をかけたのだから、きっとこれから整備されるのだろう。木造車の外板補修は大工作業だというが、実際の作業を見てみたいものだ。もし作業日が告知されたら、見学…いやお手伝いをしてみたい。 なお、外板を作り直したからといって、保存の価値などいささかも薄れることはない。補修、保存とはそういうものだ。蒸気機関車など、場合によっては新製時から使っている部品は台枠とキャブだけ…というと極端だが、それに近いものもある。保存というものについて、理解が深まるといいなと思っている。
くりはら田園鉄道の…と言っていいのか、それとも栗原電鉄のというべきか。くりでん発足時には、すでにこの機関車は廃車済みで、そもそもくりでんは非電化である。
ED202、三菱電機製の20トン機。もとは762mmゲージ用の18トン機だったものを、栗原電鉄の1067mm改軌にあわせて台車を交換し、20トン機になったもの。そのため、車体幅に比して台車幅が広い、Nゲージのような印象になっている。細倉マインパーク駅跡に保存されている。 その台車。 板台枠。軸バネは重ね板バネ、両軸の間にイコライザーがある。あれ? この台車はどうやって車軸を抜くのだろう。軸箱守ごとはずすのだろうか。 主電動機はとりはずされており、のぞき込むと、車軸の大歯車が見える。 おもしろいのは、通常は軸箱の横に配置される砂箱が、車体の端部方向についていることだ。改軌に伴い、軸箱が車体幅からはみ出ているほどなので、それを嫌ったか。 『鉄道ピクトリアル』2012年2月号によれば、主電動機出力は40kw×4、750V。制御方式は直接式である。 ・関連項目 くりはら田園鉄道ED203の台車 |
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