柏崎は母方の実家なので非常に馴染みがある。この夏も3回も行っている(親戚のところへは行っていない、単にぶらついただけ)のだけれど、その3回目。遅くなった昼食を取ろうと、雨が降っていたので駅前を見渡したら喫茶店があった。覗いてみて驚いた! 入ってみて、なお驚いた!
(写真はすべて許可を得て撮影) 新潟ゆかりの鉄道関係のものが展示されている。なぜか九州も少し。なにかしらシンパシーがあるのかもしれない。サボは非常に貴重なものが多い。釣り下げ式の「出雲崎行き」なんて、越後線に客車列車が走っていた時代のものだ。そして、国鉄の制帽と腕章もいろいろなものがある。 スツールの台座は保線用車両の車輪だ。それぞれ、少しずつ形が違う。飲み屋の「バー」の語源となった足置きの「バー」はレールだ。 もっとも貴重なものはこれだろうか。「祝開通 柏崎駅」。なにが開通したときのものだろうか。北越鉄道か。越後鉄道か。あるいは専用線か。 私は全然、店の人に経緯を聞かなかった。「せとうち」と違い、あまりそういう雰囲気ではなかった。WEB上には「オーナーには知識がなくてオークションで落としている」というような話があがっているが、それにしてはかなり精選された方向性を感じる。知識がないならもっと散漫になり、「コレクション」とは言い難い集め方になるはずだ。イメージとしては、糸魚川から柏崎の間で見ることができた鉄道。 なお、食事は、ハンバーグ+ナポリタンのセットを注文した。美味しかったし、満腹になった。土産は美野屋の明治饅頭。 * * *
さて、冒頭の写真。このシートの正体が知りたい。 背もたれの肩部の把手から70系電車のシートではないかと思ったのだが(80系も同じ形状)、70系は木製。70系全金車はシートの形状が違う。クハ68でもない。 写真には写っていないが、枕木方向には箱形の暖房器具収納のボックスがあり、これは電車の証拠。窓側に肘掛けがないので優等用ではない。気動車は窓下に暖房管が通るのでボックスがないはず、かつ写真もそこそこ残っているキハ04・07、キハ17系、キハ20系、いずれも違う。客車でもない。 新潟ローカルの70系の車内のカラー写真があれば解消できるのだが…。どなたかお持ち出ないだろうか。 PR
謎の車両? 工事用台車?の答えがわかった。
片上鉄道保存会により保存されている施設の一角に、これがあった。保存会の方に聞いてみると「雨から台車を守るためではないか?」とのこと。上の写真でもわかるが、フレームは木製である。木が腐らないように、屋根がかけられているというわけだ。 こちらはフレームが鉄でできたもの。こちらには屋根はない。 * * *
片上鉄道についてはネット上に多数の記事があるので、ここでは私が気づいたことなど。これは構内の開渠をまたぐ部分。これだけ幅が広いと普通は小さな桁橋を架けるのではないかと思うが、ここではレールの下に古レールを桁として渡している。それも、橋台(?)部分も埋め込まれていて、高さを正確に調整しているのかな、どうなのかな…と思ってしまう。もう少し幅が細いと、枕木間の幅にそれをあてて処理する。 こちらはおなじみのHTWベースの軌陸車。全輪駆動なので、前輪へのプロペラシャフトは…とのぞき込んだら。 (写真は、上と反対から。右が前、左が後ろ) 推進軸ははずされていた。整備中なのかもしれないし、不要、あるいはトラブルの元としてはずしてあるのかもしれない。ディーゼル機関車を整備する方々だ、これくらいはお手の物だろう。 また行きたい。
国鉄の荷物用天秤ばかりの続き。若桜駅にもあった。
秤量150kg。 支柱にはTAISHO SEISAKU -Co.LTDとある。 隼駅にもあった。 上の荷物窓口で使われていたものだろう。バネばかりで、HOKUTOWと書かれている。これは北東衡機という、いまも大田区にある会社だ。 注目したいのは秤を置く台。木材に、車輪がはまる穴がざぐられている。こういう位置留め、秤に限らず昔はよく見かけた気がする。 これで、因幡船岡駅、若桜駅、隼駅と3駅の秤を見たが、どれもメーカーが異なる。因幡船岡と隼は1930年1月20日に同時に開業、若桜はその年末、12月1日に開業。隼と若桜の秤が後年、時期を異にして更新されたということだろうか。
若桜鉄道は駅舎等が登録有形文化財となっている。因幡船岡駅の駅舎もそのひとつなのだが、展示にはいささか疑問がある。いちばんの疑問は上の写真。これ、椅子じゃないから!
鉄道省時代に作られた天秤ばかり。柱に貼られた銘板には、こうある。 因幡船岡駅 定量増錘附 注意 使用ノ際 ハ必ズ● ●目ヲ調 整スベシ その下の「D-3-1555」は後年の管理番号だろうか。 柱には昭和37年に修(理?)とある。 目盛り。こうした大型の天秤ばかりは、子供の頃、古紙回収屋さんにあったのを覚えている。 荷物の重さは、荷物を秤に乗せ、目盛りのまたがっている分銅を動かし、釣り合った位置の目盛りを読み取る…だったと思うが、最下段の写真がなんだかわからない。 この秤の使い方について、TcodeF様に教えていただきました。(9月1日追記) ●旧きものを訪ねる旅路(別館)-天秤式の秤 目盛りに「鉄道省 鷹取工場改造」とある。「正」「定」は校正時の刻印だろうが、いつのものかわからなくていいのだろうか。「正」にウ冠(?)がつき、2箇所その上からポンチしてある。「中」は不明。(佐藤信之様よりご指摘あったので同日に追記) 支柱の根元、台座にある銘板には「秤量100'0瓩 中 鉄道省鷹取工場製造」とある。 この秤、博物館モノだと思うのだが、こんな扱いであるため、自由に見られるのもまたありがたい。
津山機関区の扇形庫に隣接する「懐かしの鉄道展示室」には、タブレット閉塞機がある。あるだけではない。これは、実際に触れるし、動くのだ。上部のメーターの前にレバー式のスイッチ(プランジャーという)が2本並んでいるが、これを倒してベルを鳴らすことができるなんて! こんな展示は全国でここだけだ。閉塞のマニアはここに行くしかない。
この施設はOBの方々が説明してくださるが、「やってみたい」といえばさわらせてもらえる。詳しい手順は覚えていないが、プランジャーを操作して隣駅のベルを3回鳴らし、確認のベルが3回鳴り、電話をし、ベルを2回鳴らし、確認のベルが2回鳴り、プランジャーを押すと下の引き出しが半分開き、隣駅も押すとタブレットを取り出せる…といった手順だったと思う。 中身も見せてもらえる。 上の引き出しと、下の引き出しのつながり。電気回路。上の引き出しに収納すると、かなりの重量感のある音がしてタブレットが「落ちる」。その落ちたタブレットは、この斜めの管の中にあるようだ。 きちんと三脚を据えて撮ればよかった。また行きたい。 (関連項目) 津山のターンテーブル |
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