滋賀県の、村田鶴による一連の隧道作品群の一つ、档鳥坂(あとりざか)隧道の北側坑口。国道303号の旧道。「旧道」と書いたが、いまも国道303号だ。現在は並行して新档鳥坂トンネルがある。 ポータルは、意匠を凝らした他の村田作品と異なり、とても質素な作りだ。とはいえ見た目のバランスがとてもよく、迫石などの仕上げも丁寧。 「档」は木偏に當だが、フォントとして用意されていないようだ。 ほとんど通る人もいなそうな隧道でも照明が灯っているのは国道だからか。 巻き立ては、アーチ部分は煉瓦、起拱線より下はコンクリート。地圧により坑口に向けて力がかかり、円周状に傷むのはお約束。この水漏れはそのためか。 南側坑口。 扁額は「道通天地」。nagajisさんによれば、左端は「武彦」すなわち当時の滋賀県知事・伊藤武彦。現代の目からすればこんな短い隧道でも、県知事が揮毫するほど大切な、重大な土木工事だったということだ。 この隧道については、nagajisさんの旧道倶楽部活動報告書を読んでいただくのがいちばんだ。2000年代前半の取材に基づくレポートだが、現在と違うのは、内部が別の素材で巻き立てられていること。なぜ剥がしたのだろう。劣化したのか、それともわずかでも道幅を広げたかったのか。 PR |
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