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新潟県柏崎市に西中通というところがある。越後線の駅もある。そこにトップスというゲームセンターがあり、「うどん中華」「かけ中華」というオリジナルメニューがあるのでそれを食べに行った。越後線の本数が少ないので、柏崎駅から長岡駅行きバス(曽地峠回り)で西中通バス停まで行き、トップスにより、道路線の「西山回り」で長岡駅に抜けた。

こういう、鉄道の乗り換え駅でもなんでもないところに突然行き、街中を歩くのはとても面白いのだが、今回はそういう話しではなく。

地蔵峠を抜けるバスが非常にローカル感あって楽しい、という話しでもなく。

信濃川にかかる長生橋の西詰の信号の話である。

ここは国道351号。西から、東行きのみ2車線、西行きは1車線という変則3車線なのだが、この橋のたもとで、東行きの左レーン(バス等専用)が突如として終わる。そこには、上の写真のように、赤信号がふたつ並んでいる。

左は「バス等専用」。

信号は、まず右が青、左が赤となる。ついで赤・赤、そして青・赤となる。2車線から1車線への合流を、信号を使っていると考えればわかりやすいが、始めてここを運転したらとまどうこと必至。

長生橋の幅の都合かと思うが、橋より東、駅までの道は2車線なので、この西側は近年拡幅されたのだろう。

なお、信号機がタテ長なのは、雪国のデフォルトである。





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 中垪和簡易郵便局の近くにあった農協施設の一角に、JOMOが生きていた。建物は事務所のようだ。

レギュラーのみ。

木造二階建ての事務所建物のディテールとして。背面には補強としてコンクリートで控え壁が取り付けられている。

窓ガラス。昔はこういうガラスをよく見たが、いまではレトロ扱い。

このような位置に農協倉庫が隣接する。

倉庫は、表からは長手方向を道路に向けているように見えるが、実はL字型で、背面には奥行きを軸方向とするもう一棟がくっついている。こちらにも扉があり、荷役用の屋根がかかる。


岡山県の美咲町にある、旭川にかかる栃原橋。カンチレバープレートガーダーだ。中央径間が吊桁となっている。写真は左岸(北西)から見ている。

旭川に架かる…と書いたが、またぐのは実際は旭川湖の湖面であり、敷いて言えば支流の大瀬毘川が旭川に合流する河口部分である。

北側の親柱、左は「昭和二十八年十月竣工」、右は「栃原橋」。

南側、左は「旭川」、右は「とちはらばし」。読みがなは濁る。

周囲にはすてきなものがたくさんある。
垪和簡易郵便局
江与味橋(国道429号/岡山県美咲町)
かつてのバス待合所




岡山城のお堀(「濠」かもしれない)にカンチレバートラスが架かっている。それも、トンガリがひとつの、まるで斜張橋のようなものが。

歩道橋であるため、非常に細身。スパンが長いのにポニートラスであるため、トラス桁の高さがある。こういう、背の高いポニートラスは大好きだ。

左右のトラスを天で結んで箱状にする通常のトラス橋ならここまでの高さは必要なくなると思うが、そうすると人が通れないし強い圧迫感も出る。そのあたりのバランスの上で成り立つ(と思う)背の高いポニートラスはかっこいい。

トンガリ部分がひとつしかないので、それを挟んで両側が吊り桁かと思いきや、お城の内側(北側)が碇着桁で、外側(南側)が吊り桁だ。家の写真はお城方向を見た者で、上弦にピンが見える。トンガリの向こう側にはピンはない。

下弦のピン。

お城の内側から。


うっかり桁裏を撮り忘れた。



(画像は交通新聞社の公式サイトから)

交通新聞社新書にしては珍しい、既刊の再販ものである。本は出た瞬間は書店でも平積みになるし話題にもなるから売れ行きがいいが、数ヶ月もすると1冊を棚差しにして残りが返品され、もはやだれの目にもとまらなくなることが多く、でも優れたコンテンツはいつの時代でもやはりすぐれているわけで。既刊の優れた本を二次利用的に安価に提供する新書や文庫はそうしたシステムの上に成り立っているものもある。とはいえこの手法をとったものは交通新聞社新書では初めてではないか。

本書の原著は昭和61年に刊行されたものだ。まだ営業路線として開通する前のものだ。

* * *

本書の内容はとてもリアルで興味深いのだが、商品として大きな問題があると感じる。交通新聞社新書にありがちなのだが、本書も「編集」がなされていない。原本が「素人の手作りの本」(P317)だから、ということではない。本書の意義、目的、性格を、版元は、読者にきちんと知らせるべきであると私は考える。それはなにか。

まず、本書は「鉄建公団の本である」ということ。そうだとわかるようには書いていない。青函トンネルについて本書しか読まない読者は、直轄部隊が先進導坑を掘り、作業坑と本坑はゼネコンが掘ったということをほとんど知らぬまま読み終えるだろう。

本書が描くのは、国鉄、そして鉄建公団の直轄部隊が掘った先進導坑および技術開発である。だから、四度起こった出水事故も直轄部隊が大きく関わったものだけが採り上げられているし、48ページをも割いて描写される51-5出水は作業坑で起きたのに、そこを統括しているJVについてはほとんど触れられず、すべて国鉄が、公団が、直轄部隊がどうしたか、という描写しかない。そして本書は先進導坑の開通の描写で終わる。刊行時点では本坑も貫通しているというのに、だ。

次いで、本書は素人文芸であって、プロによるドキュメントや小説ではないということ。なにしろ登場人物が多い。多すぎる。ドキュメントや小説であれば、登場人物は絞られ、たとえばある一人の人物の視点を使って描かれたりする。それに対して本書に登場する人名は夥しい数に上り、しかも一度しか出てこない名前も多い。なにしろ約40年間もかかったのである。同じ名前の人の役職名が代わり、あるいは同じ役職名でも人名が入れ替わっていく。また、なぜか時系列が前後するため、そこでは役職の後退まで起こる。こうしたことは再編集する際に整理してあるとなおよかった。

そして、本書の登場人物の力関係がまったくわからないこと。組織図、組織の相関図が欲しい。40万人を抱える巨大な役所・国鉄、鉄建公団、民間企業。登場人物それぞれに肩書きが書いてあるのだが、上下関係すらわからない。下記の役職、どれが本省でどれが公団でどれが民間か、あるいはどれが本省でどれが現場機関か、読者はわかるだろうか?

・青函建設局長
・函館建設局長
・吉岡建設所長
・吉岡共同企業体所長
・機械課長
・電気課長
・工事第1副所長
・国鉄北海道総局長

なにしろ40年近くかかった工事である。工事中に組織も変化するだろう。そういうものをわかりやすく図表で説明するのが編集ではないのか。原本は元々内部向けに書かれたものだろうから、こういう肩書きだけでいいのだが、本書は一般読者に売るものである。再販ものとはいえ、もう少し整理すべきなのではないか。

* * *

上述のように問題点はいくつかある。また、本書に書かれた内容は、文章こそいささかクセがあり、わかりづらい部分はある。しかし、当事者ならではの声を多数収録しているのでとてもリアリティがある。登場人物の氏名をすべて塗りつぶしても内容は通じるので、改めて読み、政策としての交通路の確保ということを考えるよすがになればと思う。




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