改良された部分、赤いガーダーが見える。冒頭の写真の欄干を見ると銘板があるので橋梁名も定められているはずなのだが、それを確認していない程度にザルである。 廃道。 放棄された土木構造物がある長大区間に目が行きがちだが、大部分は、こうした短区間の改良である。時には駐車帯になり、時には廃土捨て場になる。見過ごされがちだけれど、よく見ている光景。 PR 只見線の「会津川口」(金山町)があるあたりは、1955年の市町村合併まで川口村といった。周辺の沼沢村、本名村、横田村とあわせて金山村となったあと、1958年に町制施行して現在に至っている。 「川口」というのは、その名の通り、只見川と野尻川の合流地点であることに由来する。例えば、新潟県の「越後川口」は、信濃川と魚野川のそれである(埼玉県の川口市はこの類ではないようだ)。この川口橋は、国道252号が、野尻川が只見川と合流する直前の場所に架かっている。 最初に言い訳をしておくと、このときは、橋脚に見とれてそれをどう撮るかばかり考えていて、記録として必要な写真をずいぶんと撮らずにいてしまった。なにしろ川口橋(現橋)の写真がほとんどない。銘板があるかどうかすら調べていない。反省する。 この写真でわかるとおり、川口橋の上流側に2組、旧橋の橋脚が残っている。そして、よく見るとコンクリートの桁らしきものも落ちている。 国道252号のこの区間は、1990年に川口トンネルとともに開通した(はずだ。トンネルのみしか確認できていない、要確認)。それ以前は、いまは橋脚しか残されていない旧橋と、川口トンネルのある山塊を北に迂回するルート(現在は通行止め)であった。『改訂新版カシミール3D入門編』に同梱されていた2万5000図が、まだ旧ルートだったのでそれを掲載する(入手できる最新のもの、を使用したのだが、ウオッちずは更新されていたものの、データは未更新だったようだ)。 ・地図A 川口トンネルがまだ描かれていない。また、川口橋の描かれ方が「/」のような角度がついている。 ・地図B 川口トンネルが開通している。川口橋の描かれ方が「-」となっている。川沿いに迂回する道は国道指定から外されている。 旧橋の時代を航空写真で見るとこうだ。 上の「地図A」の時代のものである。川口橋は「/」の角度である。 冒頭写真の2組の橋脚の正体はまったく調べていないが、橋梁史年表によれば、 という記載(抜粋)がある。これは、旧橋なのか、旧旧橋なのか。 現状のみを報告する。 旧橋(上)の上面は崩壊して鉄筋が剥き出しになっている。旧旧橋の上面には鉄の部材が三つと、コンクリートの突起が見える。 そして、旧橋・旧旧橋の高さはこれくらいである。豪雨の前、通常時でも、これらの橋脚は水面下にあったようだ。 旧橋の橋台の下部のえぐれ方がすごい。テトラ(じゃないよな、なんと言えばいいのだろう)が剥き出しになってゴロゴロしているのは、護岸がえぐられた跡である。それでもなお、旧旧橋の橋台が残っている。 この川口橋については、いろいろと知りたいこともあるのだが、今後の課題として記憶しておく。 1998年頃まではダートだった国道400号舟鼻峠(ふねはなとうげ)。狭隘な道で見事なつづら折れが連続していた峠道だったが、2009年10月16日に「田島バイパス」として開通した。直前の2009年9月にはその周辺をバイクで走っている。 旧道部分には、そこから西へ延びる大窪林道への分岐があったはずである。大窪林道は林間の斜面につけられたアップダウンのあまりないダートで、十数kmはあったと思う。川砂利かとおもうような丸い石で、いつも路面は湿っている印象がある。その道はどうなったのだろうか。 船鼻峠の北側にある旧道への分岐も塞がれていた。写真を撮っておけばよかった。 ここまで、すれ違うクルマはゼロ。路面にはバッタが大量に発生しており、バイクで行ったのだが、靴やズボンにバチバチ当たる。バイクやズボンに、バッタの死骸がついてしまったのはかなり辛かった。現地に到着したときには、もちろん誰もいない。私ひとりだけの空間だった。(撮影の時系列が前後しているので、上の画像には他人のクルマが写っている)。 このまま直進方向が、道道741号上遠別霧立線。ここ正修から南下し、R239霧立国道の霧立とを結ぶ予定だったが、ここからちょっと行ったところで工事は中止されている。分岐を左折すると、道道688号遠別名寄線。こちらは現在も工事中だ。 向き直ると、こんなゲートがある。 遠別名寄線のゲート。 と、突然、乗用車とタンクローリーが現れた。 ちょっとすると、初老の夫婦がクルマでやってきた。ご主人がここで釣りをするそうで、アイヤムナイ川に降りていった。 帰宅後、沿岸バスのサイトを見たら、たしかに走っている。ここ「32号」が終端なのは、転回場所がほかにないからか、それともここまで乗客が乗って来るという需要があるのか。 行き止まりだとわかっていて突っ込んできた道。片道37km。「なにもない」ことを、たしかに見た。 過去のイベントレポートはこちらに。 廃道ナイト!(メインはORJにて<PDF>) 廃道ナイト2 廃道ナイト3!!! 今回は、チケット発売が確か7月15日。しかし、18日にはチケットが完売していたと思う。カルカルで開催された過去3回はすべてチケット完売だったが、この早さは過去最速。異常。早すぎてチケット取れなかった方が、私の友人たちにも何人もいた。ざんねん! ざんねんさん!(後述) 18時、まだ外が明るいうちに、スタート! まずはヨッキさん入場、第1回と同様、自転車にて! 本当は、横山店長から「客席を突き抜けて厨房(舞台に向かって左端)に突っ込んで折り返してこようか」という提案があったらしい。 続いて、トリさんの入場。 クルマでしか隧道に入ったことがない人は、ピンとこないかもしれない。隧道は、寒いのだ。とくに峠を抜ける隧道は、あちらとこちらで気温差も標高差もあるために風の通路になっており、気温が低いだけでなく風により体感温度も下がる。 今回、ミリンダ細田氏と、まずは現役の国道隧道で調査し、廃線跡の廃隧道で調査し、道路の閉塞廃隧道にたまった水の温度を調査し、最後に仙岩トンネルを調査した。その驚くべき考察。 普通に考えると、隧道の中央部がもっとも気温が低くなりそうな気がする。しかし、そうではなく、偏りがある。また、坑口近くでは、気温の下がり方が急激である。こうしてグラフだけを見るとなんてことないけれど、なんという「疑問力」と「考察力」だろう。これこそヨッキれんさんの真骨頂。 続いて好例の『道路ファンが選ぶ残念&粋な風景』。「ふれあい橋」やら道路にある看板やらの「残念」なものに注目していくもので、事前に募集がかけられていた。いくつか発表された中から、かいわれ氏のものを。 なお、帰宅後検索すると、「残念さん」は、幕末には一般名詞化していたようだ。参考→残念さん 続いて。 ところがトリさんが地元の人に話を聞くと「坑門が延長されて落雪の被害もなくなってよかった」というような反応が来たそうだ。鑑賞者と実用者(ただし、この発言は地元の人ではあるが、ぺらぺら話したがりの人らしい)との意識の差が出た一瞬。 第3幕は、noganaさんによる発表。 次は「粋な動画」。 バアアーーーン! なんかすごいの来たよ! 栗子隧道が現役だ! 当然、路面はダート。いまでもダートだしな。この程度の旧曲線でもバスやトラックをフレームに収め切れていない。これが撮影された昭和30年代前半(たぶん)の機材の事情もわかろうというもの。 この動画で現役当時の姿を店ながら、その合間に現在の姿の画像を挟む。とてもわかりやすい、興味深い動画だった。なお、このフィルムでも、すでに山形側坑口は改修されて直線状になっており、初代坑口は「廃」として採り上げられていた。 次は「夏のオブローダー自由発表」と題して「連番名称の愉しみ」。 なお、鉄道では、おそらく山田線の閉伊川橋梁が「第三十四」まであり、最多ではなかろうか。そして、その第三十四閉伊川橋梁は、東日本大震災による津波で流失している。 いくつか例が出たのだが、これはちょっと残念な例。 ここで第一部終了。の前に、トリさんが作ったグッズの紹介。これでまた、物販コーナーもおおいそがしに。 第2部は、『熱中スタジアム』に出演したトリさんに聞く裏話。15分ほどの番組だったが、5日もロケをしたとか。トリさんは身軽にひょいひょいと廃道をあるき、道がない場所にも踏み込もうとすると、スタッフから「カメラがあるから無理…」(もしかしたら、安全への配慮かも)と言われて行けなかった場所がある等、こうした場ならではの裏話。 続いてあづさ2号さんのレポ。 そして、いよいよ廃道ナイトのメインイベント、後述レポート。だ。 いつも通り(?)時間もオーバーし、なごやかにラスト。『トリの隧道連想クイズ』 第1問は、とても簡単。三島通庸の写真や地図が3つ表示され、答えも三択。ところが第10問、ヒントは1枚の写真、回答は10択! 結果、全問正解者はなし。9問正解者が5名となった。 ここで、おひらき…から、二次会のスタート! 細田氏が眺めて育ったとある廃橋で、さまざまな渡橋方法を披露する! 「梁渡り」「抱き渡り」「尻渡り」「ハイハイ渡り」「竹竿渡り」など、名称からその内容がわかろうと言うものだ。竹竿渡りは、植村直己が単独で南極に向かったとき、クレパスに落ちてもひっかかるように、自分の身体に竹竿を横にくくりつけて歩いたという話を思い出した。ビデオでは、林鉄規格の細いレールを手に持って歩いていた。なお、細田氏はいつも「スタスタ歩き」。 そしてこれ。机上の空論。 2枚のコンパネを交互に敷きながら歩いて行く。無限軌道のようだ。もちろん、廃橋と出会うシチュエーションにベニヤ板など持ち込めないだろ!というツッコミが入る。なにより、重労働だ(笑)。 重労働すぎて、細田氏と、撮影役のヨッキれんさんはコンパネの上で横になる。そして、起きようとしたとき! プレートガーダーからはみ出ている部分には足か頭があるのだが、うっかり上半身を起こすと、コンパネごと落下する危険が! みなさん! 廃橋の上にコンパネ敷いて寝転がるのはとても危険です! かつて、鉄道として機能していた橋。そこに、フェイクとはいえ、一瞬でもレールが載った。この感動を胸に、第4回廃道ナイト、終了! 物販について。 ●廃道マグカップ(1000円)…トリさんのお手元に、まだいくつか在庫があります。お問い合わせを。→トリさんのブログまたはツイッター ●やまいが携帯ストラップ(500円)…黒と白があります。こちらもトリさんまで。 ●「危険」Tシャツ/トートバッグ…ヨッキさんが来ていたTシャツと、同じデザインのトート。会場でもバカ売れ。各2280円+送料で通販開始! →マニアパレル ●『日本の廃道』(通常号)…「日本の廃道」まで。 ●『日本の廃道』(バックナンバー/バックナンバCD#2)「日本の廃道」まで。 『日本の廃道』は、ヨッキれんさんとnagajisさんで編集しているPDF形式の同人誌。PC回線とクレジットカードがあえば、即、購入できます。これを読めば、ますます「廃道ナイト」が楽しくなる。直接のエールにもなりますので、ぜひ購入を。 |
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