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一見、同じテーマの書籍はいくつもあるし、ムックやパートワークもある、と思う人も多いだろう。でも、この本がおもしろいのは、貴重な写真を大きく見せることを意識していることと、雑誌的な作りになっている点だ。

ぼくの場合は、ライターさんには大変失礼なのだが、この種の本に書いてあることはたいて読むまでもない既知のことだ。だから、写真を中心に読んでいく。写真は、鉄道博物館をはじめ、米屋こうじさんや金盛正樹さんのモノクロ写真、吉永陽一さんのクワイ川橋梁の写真などが、時に見開き、時に1ページ大で迫ってくる。写真って大きくプリントしたものを見てなんぼ、と思っているのだけれど、それを「743円+税」で鑑賞できるのは、安い。

おもしろいのは、ムックなのに中綴じだということ。文字ばかりの書籍とも、コート紙の鉄道誌とも、よくある平綴じのムックとも違う、とても不思議な印象になっている。こうした本のほうが「鉄道好きが作った一般向けの本」よりも、鉄道好き含めて万人に親しみやすいだろうなと思う。

「編集人」はかつての同僚(といっても同じ部署ではなく、姉妹誌)、栗原紀行さん。当時もそうだったけれど、その仕事っぷりはFBで拝見してても、いかにも雑誌編集者ぽくて、わくわくする。『時空旅人』はいろいろなテーマで刊行されているが、鉄道においても、もっといろいろなアプローチもできると思う。というか、大変なのは承知で、自分がやりたい。もしアレがアレしたら申し出よう。


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