英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考(10) 油皆洞橋について、後日、現地を訪れた@hetima01さんから、「トラス間は実測で3.8メートル」との情報をいただいた。はてさて、これは鉄道橋としてどうなのか。 英国系100フィートポニーワーレントラスの幅で、寸法が明確なのは次の2橋だけだ。 ●2代目六郷川橋梁(複線)トラス間22フィート(6.706m) 出典:本邦鉄道橋の沿革に就て(久保田 敬一、PDF) ●初代武庫川橋梁(3主構複線)の、片側のトラス間15フィート(4.572m) この英国系ポニーワーレントラスはすべて鉄道橋の転用と考えていいので、元が鉄道サイズだとしても、のちの車両限界は幅3mなので、トラス間3.8mでも成り立つように見えてしまう。 こうして考えると、伊達橋などを測ってくればよかったと後悔することしきりである。橋梁観察は、必ず一度目は見落としがある。困ったものだ。 PR 歴史的鋼橋集覧に記載されている地図は誤っている。 左右のトラスの幅が詰められたということは、横桁もなんらかの影響を受けているはずだ……。 では裏側を見れば解決するかというと…… 撮影したものをトリミングしてみる。 まったくもって謎。近づいて採寸して、他の横桁と比べてようやく云々できる存在。でも、近づけない。 橋台部分はこんなだ。 有名な浜中津橋。詳細はwikipediaがあるので、そちらに任す。さらなる詳細は、土木史研究発表会論文集の1987年6月分にあったはずなのだが、ちょっとリンクが見あたらないのでわかったらリンクすることにする。歴史的鋼橋集覧もぜひ。大阪市のサイトにすらある。 水平がおかしいように見えるかも知れないが、画像右に向かって下っているから、これでいい。勾配は1/32。右が梅田方(大阪駅方)、左が新淀川方である。 浜中津橋の下は遊歩道である。もちろん最初からこうだったわけではなく、以前はここは長柄運河という独立した川だった。そのため、ここに架橋が必要だったのだ。 この桁は数奇な運命を辿った桁で、1874年に鉄道が開通した際、単線桁として使用開始された。しかし、複線化を織り込み済みであり、本来の姿は3主構(トラスが3つ、トラスの間に線路が敷かれる)であった。それの、「中央主構+側主構」のみでとりあえずは製造された。煉瓦積み隧道でいえば下駄歯仕上げにしてあるようなものである。 それが、後日複線化され、やがて道路橋に転用された。その際には最初からあった側主構が撤去され、中央主構と追加された側主構だけが転用されたのだ。土木学会をして「撤去の時期が来たら復元保存すべき貴重桁である」と言わしめる存在である。 あとは写真を並べるのみ。 <参考文献> 冒頭にリンクを貼った各文献。
先に紹介した京葉臨海鉄道 白旗川橋梁と同型の桁がある。
この区間は複線になっており、下り線がポニーワーレントラスになっている。 このトラス桁には近づくことはできない。歴史的鋼橋集覧において、白旗川橋梁と同じように「信越本線犀川橋梁上り線から撤去した鉄道院設計の桁を架設した」ということと、同じスペックが記載されている。 おもしろいのは、その犀川橋梁上り線はこのトラス桁を撤去後、もちろん新しい桁を架けたのだが、その新しい桁も歴史的鋼橋集覧に収録されていることだ。現地の開通は1888年(明治21年)8月15日であり、転用されたポニーワーレントラスは1919年(大正8年)石川島造船所製だ。ということは、このポニーワーレントラスは二代目(以降?)の桁で、いまあるのが三代目(以降?)ということになる。初代の桁がどういうものかはわからないが、おそらく信越本線の史書や絵葉書等に残っているだろう。探してみようと思う。 京葉臨海鉄道には、歴史的鋼橋集覧に掲載されているポニーワーレントラスが2連ある。そのうちのひとつがこれ、白旗川橋梁だ。場所はここ。 この桁は、信越本線犀川橋梁下り線の桁を転用したもので、同じ桁は同じく京葉臨海鉄道の浜野川橋梁(後日書く)にも転用されている。犀川は、上高地から松本に抜ける梓川の下流にして千曲川に合流するまでの名称で、長野県を象徴する河川名のひとつだ。 国道から眺めることができる。 約100フィートの4パネルのポニープラットトラス。1919年、石川島造船所製。桁下の白旗川はこのすぐ南(上流)で別れ、やがてどちらも暗渠になる。 向こう側に見えるのは、白旗水門。基本的に空いているようだ。 近づいて見る。 注目したいのは横桁の付き方。垂直材とガッチリ結合されている。垂直材から横桁に対しては、三角形のアングル材で結合されている。 最後に、東側の踏切から。 この踏切には警報機はない。信号で交通を遮断する。 これだけ近くで貨物列車を見ることができるのは幸せだ。 |
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