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この長谷川郵便局は、公的な簡素な建築の典型といえるような形。

 
出先機関、消防署、警察、学校、郵便局。そうした一連の建物に共通して感じられる印象。柱主体、規格品の窓枠、薄いクリーム色の外観、コンクリートブロック。

 
「長谷川郵便局」の文字は郵政書体。しかも、切り抜き文字ではなく手書きのようだ。偶然この位置にあったのか、新しい看板が架けられてもそのまま残されている。







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「ホロナイ」とは北海道や東北地方にいくつかある地名である。もっとも有名なのは幌内炭鉱の「幌内」だろうが、「北見幌内」と聞いて、どこを想起するだろうか。いまの北見市周辺だろうか。

 
この北見幌内郵便局の所在地は、紋別郡雄武町だ。オホーツク海に面した漁業の町。鉄道好きには「興浜南線の終点」といえば、あそこかとわかるだろう。枝幸とつなぐ「興浜線」には、ここ北見幌内にも駅が作られる予定だった。雄武(「オウム」と読むが駅名は「オム」だった)駅から10kmほど北の地点だ。

 
オホーツク海沿いの拠点の集落は、ある程度の規模がある。駅ができる予定だった集落だけあって、この郵便局もこの規模だ。平屋根で、センターから少しズレて煙突がつく。煙突の位置はかなり入口に寄っている。窓口周辺のためだろう。こちらの側面は窓が大きいので、奥はなんらかの作業スペースかもしれない。また、寒冷地だが、エアコンの室外機が見える。

 
こちらの側面は、奥に行くと窓が小さい。そのさらに奥に突き出した部分はなんだろう。

 
入口上部には、旧郵政書体による切り抜き文字で「北見幌内郵便局」。そして、内側には玄関灯。

そういえば、北海道の郵便局は、雪切り室というか風防を見ない。東北地方のコンビニなどで見かける玄関前の空間で、二重戸になっている、雪落としと防音を兼ねる部分のことだ。もしかすると、郵便局は入ってすぐのATMスペースが、その役割を果たしているのかもしれない。








 
高知県平鍋ダムの近くにある平鍋郵便局の局舎。

 
郵政書体が残っている。しかし、いずれの漢字もどこかが欠けている。これまで、この郵政書体の鋳物文字が、ガラス窓に接着されているものは見たことがない。当初からこうだったのか、それとも、改修されたらしき建物左側にあったものをここに持ってきたのか。

 
モルタル部分をトタン張りにしたのだろうか。この角度で見ると、民家のようだ。


 
定規でサッと書いたような、端正な外見。あるいは、いかにも記号化された家の形のような外見。十勝平野の南よりの国道に面して建つ上更別郵便局。ここでハガキを1枚出した。


その小さなポストはまるで、胸の前に花を一束掲げたような佇まい。

 
屋根は、ポストの朱とは異なる浅い小豆色。

 
初めて見た、赤い郵政書体。もしかしたら、本来あるべき色なのか。






 
川上郵便局。「川上」というよくある地名そのままの郵便局は、検索すると、同名のものが全国にいくつかある。国鉄時代、駅名は原則として同じにしないという指針があったようだが(しかし、同じ駅名が3駅存在するなど、まったく徹底していない)、それは、例えば「大久保駅まで」と行った場合、新宿区の駅か、秋田県の駅か、兵庫県の駅を取り違えたら大変なので、それはそれでわかる。もっとも現在では、あいまい検索というか、経路検索で「東京」と入れると「どの東京ですか」って聞かれるのもまためんどくさくはあるけれど。

上に掲げた写真は、徳島県の川上郵便局。まるで国鉄末期の、基本は無人駅なんだけれど時々駅員がいることもできるように作られたカプセル駅のようだ。


カプセル駅 古津駅


こんな、比較的新しいと思われる局舎だが、古い郵政書体が残っている。
 

でも、立地も含めて、本当に駅のようだ。
 
とはいえ、よく見ると、帽子のような赤い鉢巻きの上は、一段外側に出っ張っていて、さらに屋根がかかっている。実はこの建物は切妻なのだ。赤い鉢巻きが建物をモダンに見せているが、案外古い建物なのかもしれない。






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