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美幌峠から遠軽に抜けるには、この道道122号を国道の中継ぎにするに限る。

丘陵地帯の谷側に広がる牧草地やペパーミントの畑の中を豪快に進むワインディング、左コーナーを曲がり、最後のなだらな上りの頂点に近づくと、その向こうにいきなり視界が開ける。

クルマの視線は横長だが、バイクの視線は縦長だ。その縦長の視界を、突然上下に貫く道の形が現れる。瞬間、それが道だと認識できずに混乱する。

この丘陵からむこう丘陵を望む間に横たわる谷は、北見盆地。写真の真ん中を水平に横切るのは4車線の国道39号。標高差50メートルを駆け下る直線は、市街地を突っ切ると、再び50メートル登って左に消えていく。



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国鉄末期に廃止になった渚滑線(しょこつせん)は、名寄本線とほぼ同時期の1923年に開業している。北見山地の森林資源をはじめ、沿線開発をも目的としていた。いま、上渚滑駅跡は紋別市役所の支所となり、駅構内だったところには上渚滑11丁目団地が10棟建っている。市役所支所の周りはいまふうの町並みになっている。

市役所支所を真正面にして右を見ると、駅跡を模した施設がある。しかし、ホームと線路は、かつて渚滑線が通っていたルートからほぼ90度回転している。

ホームはやたら高い土盛り。そこに東屋があり、おそらく本物の「上渚滑駅」の看板が掲げられている。駅名標はレプリカ。



渚滑線の列車ダイヤとしては、おもしろいことに、ノンストップの渚滑発上渚滑行きという下り列車があった。741Dである。

(コンパス時刻表 1980年4月号 弘済出版社刊)

「休日運休」ということは通学生用の列車である。通常であれば、上渚滑に高校があって、その通学の便で…と思うが、上渚滑にはそういう施設はない。これは、紋別への通学生が多数乗る上り724Dに増結するための送り込み回送だろう。

…などと、往時のことを想像するとき、北海道の鉄道に憧れていた子供のころの気持ちがよみがえってくる。


●関連記事
数値地図に残る鉄道の亡霊と誤記…数値地図50000に、いまも残る渚滑線。

 
能取湖畔を走っていて、ちょっと横のダートに逸れてみた。そこに建っていた小屋に、矢羽根型の木戸があった。

漁具の小屋だろうか。海のすぐそばの木造の建物には、こうした木の戸がよく似合う。

「オホーツク海にいちばん近い駅」などという形容と、駅舎内のレストランで知られる北海道・釧網本線の北浜駅の近くに、北浜郵便局がある。目の前の国道244号は、網走市街からこの北浜のちょっと北まで4車線道路であり、交通量は多い。

嬉しいことに、郵政書体が生きている。


このクラスの郵便局の規模としては局舎がちょっと大きいが、ポストは小さい。

裏手に木造平屋の建物があった。 引き戸の両側に意匠が凝らしてある。一般の民家なのか、集会所のような建物なのかはわからない。




宗谷本線の最北部、「抜海-南稚内間」にある定番撮影地。そのすぐ脇をオロロンラインこと道道106号が通っているのだが、道道からは鉄道はほとんどわからない。

この夏、ちょっと探索というか、見定めようと思ってオロロンラインから足を踏み入れたら、線路は丘陵のかなり上のほうにある。おあつらえ向きに保線用の階段があったが、それは立ち入り禁止。とはいえ、枕木等を利用して相当しっかりと作られていた。これを利用して丘の上から写真を撮っていたのだな。

さて、なぜそんな高台を鉄道が通っているのかを、カシミール3Dで見てみよう。なお、ノシャップ岬につながるこの丘陵を「宗谷丘陵」と書いてあるのをよく見かけるが、おそらく別。



(カシミール3D+数値地図25000+10mDEM。クリックすると拡大へのリンク)

さて、北上してきた宗谷本線は、稚内の平野部…ここは最も新しい地層…に展開する稚内市街までの間に、丘陵を越えなくてはならない。よく見ると、なかなかサッと北の平野部に至るようなルートは見つからない。

眺めていると、よく考えられたルート取りだと感じてくる。勾配を押さえつつ、最大で標高46、47メートル程度のところをサッと越えている。他のルート取りでは、曲線半径がきつくなったりすることだろう。


(カシミール3D+数値地図25000+10mDEM。クリックすると拡大へのリンク)

冒頭の鳥瞰図の位置から、レンズを50mmから135mmに変えてアップしてみる。もう「ここしかない」とうのがよくわかる。

昭和40年代以降ならば、もっと手前から長大トンネルを掘ってしまうだろうか。




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