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山手線/地形散歩(2)巣鴨-駒込を過ぎたところ

山手線/地形散歩(2)巣鴨-駒込を過ぎたところ

地図・航空写真・分水嶺

山手線/地形散歩(1)池袋-巣鴨の続き。

20101112map2.jpg(杉本智彦氏制作のカシミール3Dと解説本付属地図と基盤地図5mメッシュで作成)

巣鴨から駒込の間は堀割、駒込から築堤、堀割となって田端に降りていく。巣鴨の堀割の中は標高20mほど、駒込は地平~築堤だけれど標高13mほど、田端は標高4mほど。縦断面図は持っているのだが、手元にないのでとりあえずは5m標高メッシュからの読み取り値。

【写真1】染井橋から巣鴨方向(左=山手貨物線、右=山手線)
20101112-01_R.JPG山手貨物線の擁壁は石垣、山手線の擁壁はコンクリート。あれ? ここらへんって、現・山手貨物線側が先に開通して、現・山手線側が増設部分だっけ? 要確認、自分用メモ。


【写真2】駒込駅を通り過ぎ、南側から振り返る
20101112-02_R.JPG跨線橋にひかれませんか。徐々に右上に登っていく、傾いた跨線橋。骨組みはプラットトラス。この部分、Googleのストリートビューで見ると、化粧直しする以前のものが写っている。

大きな地図で見る
これを見ると、跨線橋の骨組みはそのままに外板等を張り替えただけのようだ。いいね、不用意に全面改築せず、使えるものはそのまま使うという姿勢。

なお、駒込駅は2006年に改装され、駅入り口などが大きく変更された。Googleの衛星写真では、改装前の状態を見ることができる。ストビューは改装後、現地はまだ囲いが残って工事中なので、これらの情報は鵜呑みにしないほうがいい。

【写真3】駒込駅東口の南側と中里道架道橋
20101112-03_R.JPG石貼り(いま「いしばり」と打ったら「砭」と出てきて、こんな単語初めて知った)が悪目立ちしていて目がいくが、石垣が隠されている。こんな化粧石張りはイラネだ。

ここは自由通路。写真で言うと奥左に改札口がある。どう見ても人道なのに「制限高2.3m」とある。白い天井は鈑桁であり、その橋梁は「中里道架道橋」という名称だ。支間、わずか5.5m。

後日、ホームから撮影した。
20101112-04C.JPG線路に対して道は斜行しているので、少しずつずれて設置されている。この鈑桁は古い。

20101112-04B.jpg桁に陽刻がある。赤い文字で書いておいたので、拡大してご覧いただきたい。
LANARKSHIRE STELL Co (LT?←確認できず)D SCOTLAND
SIEMENS MARTIN
ACID PROGRESS

acid progress。なんだろう。なにを酸で処理するのだろう。

銘板もあるが、塗装でつぶれて読めない。橋梁のメーカーと考えていいのかどうか、銘板が読めないのでわからない。この区間の開業は1903年、基本的に橋梁はまだ輸入に頼っていた時代。水道橋や御茶ノ水のハーコート製の桁は1904年製だ。

LANARKSHIRE STELLについてはこちらに英文の解説がある。興味深い部分だけざっくり訳すと、
「1889年設立、1939年。1917年頃(←文脈より推測)日本の皇太子(昭和天皇だろう)が表敬訪問(?)し、興味を持って見学し、謝辞を残していった。その手紙を額装してダイニングに掲示していたが、日本語を読めないために逆さまの状態となっていて、10年後、日本語を読める人物が指摘するまでそのままだった。1919年、Messers Sperlingが全普通株を取得、Workman Clark Ltdとthe Northumberland Shipbuilding Companyと提携した。」
#そのホームページのトップサイトはこちら。読んでおいたほうが良さそうだが、まずは足下を固めないと…。とりあえずブックマーク。

また、小倉沙耶さんのサイトによれば、日本の鉄道車両の台枠も製造していたようだし(私はそこらへんの総合的な知識は持ち合わせていない)、検索するとよくヒットするサイト「我が人生の垢」によれば跨線橋の部材としても使われている。

20101112-04D.JPGこの桁は支間5.5mと短いながら、4主桁である。内側1組はちょうどレールの真下になる。架道橋であるため、桁下空間を確保する必要があり、極力鋼材の垂直方向の寸法を詰めた結果ではないかと考える。

【写真4】中里用水架道橋を北側から
20101112-04Z.jpgここにも桁下高の小さな架道橋。橋台は煉瓦とコンクリート。その理由を、
サイト山手線が渡る橋・くぐる橋では線増にまつわるのではないかと推測している。こちらのサイトには桁転用の面白い仮説が記載されていて、大変におもしろい。

20101112-05C.JPG支間は6m、桁は4主桁。

この「中里用水架道橋」は、その名からして、水路を渡る橋だったに違いない(そこらへんの知識も持っていないため、まったく検証できていない)。

20101112-05B.JPGこの部分を走行中の電車内から撮ってみた。

【写真5】中里第一隧道を北側から
20101112-05A.JPG径間が短すぎて「橋梁」に慣れなかった例…かもしれない。あれ? その最短径間っていくつだったっけ?
golgodenkaさんより「径間1m以上が橋梁」とのご指摘をいただきました。『鉄道構造物探見』(小野田滋著)に記載されていたということですが、もちろん私も参照している…はずなのですが…(恥


田端まで書くつもりだったが、長くなったのでここで切って、続く。

参考:山手線が渡る橋・くぐる橋

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『物理で広がる鉄道の魅力』(半田利弘、丸善)

『物理で広がる鉄道の魅力』(半田利弘、丸善)

鉄道の本

PB122178.JPG期待して買ったのですよ、この本。ついに出たか、と。しかし、かなり残念だった。残念、というのは私にとって残念、ということではあるのだが、たぶんかなり多くの人にとっても残念だろうと思う。なぜなら、この本は鉄道における物理をわかりやすくひもとくものではなく、帯にあるとおり、「得意な学科 物理」という人「のためにつくりました」という本なのだ。でも、物理得意なら、ここに書いてあるようなことは見ればわかるんじゃないかと思うんだけど。

私の判断では、この本は編集がまったくなされていない。著者が書きたいことを好き勝手に書いた、読み手に理解させようという気がない、自費出版レベルの本。なにしろ物理と全然関係のない「東京駅とアムステルダム中央駅」とか「駅と郵便局」というコラムが入ってたりするのだ。おかしいだろ?


私は高校1年までしか物理を勉強していないので、もしかしら「お前には語る資格なし」という反論もあるかもしれない。でも、世の中の人の何割が、大学入試レベルの物理や化学を学び、それを憶えているだろうか? 化学で言えば元素の周期表すら憶えてない人も多いんじゃないだろうか。私は日本史をそれはそれは勉強し、どの項目も400字で説明せよと言われたら800字で説明できるくらいにはなっていたと思うが、大学入試から20年経ち、相当残念なことになっている。そういうことを考えると、私にも語る資格はあるのではないかと思う。以下、私の観点で、この本の残念な点を書く。


●残念1:いきなりの物理用語(1)前提とする知識の設定への違和感

本書は、いきなり物理用語が出てくる。通常、ブルーバックスにしろ雑学系の新書にしろ、物理を楽しもうという本は、物理の基本概念を物理の用語は使わずに小学生レベルの知識や例え話で解説する。例えば「10^-1」とか書かないで「0.1」と書く。ラジアンではなく度数法(直角=90度、の角度の表現)で書く。式を暗記させるわけでなし、概念を理解させるのが目的だからだ。

本書には下記の用語が突然出てくる。高校の理系物理、理系化学レベルのものもあるが、このブログを見てくださっている方のうちどれだけの方が、「ああ、それはね…」と解説できるだろうか。

・印加電圧
・界磁コイル
・電機子コイル
・誘導起電力
・素子
・IV族
・角速度ω
・力積
・角振動数ω
・|Z|=1/(ω/C)
・自己誘導係数
・球対象
・誘電体
・準位
・遷移……

いや、調べればわかる。目の前の箱を使えばwikipediaもある(たいてい、詳しく解説されすぎていて余計にわからなくなる)。私はいままでこうしたものをそこそこ読んでいるので実はそこそこ理解はできるのだが、それにしても…。


私は、この手の本は、最初に「フレミングの左手の法則」(中学理科で習う)をおさらいし、また「コイル」とは何か、という説明から始めなければならないと思う。慣性の法則、エネルギー保存則、なんてのもおさらいすべきだ。これらを完璧に理解できている人なら、モーターが回る理屈など教えてもらわずとも知っているのだ。


●残念2:いきなりの物理用語(2)式、変数

なぜ、物理好きは小難しい言い方をしたがるのだろう?
角速度ωで回転する軸に一周でzだけ歯数がある歯車を取り付けると、単位時間あたりで送られる歯数はzω/(2Π)となるが、噛み合っているなら2つの軸でこの値は等しい。
やれやれ。
100の歯を持つ大きな歯車Aと、10の歯を持つ小さな歯車Bとがかみあっている場合、1分間にAが1回転して歯送り100だったとき、Bも1分間に歯送り100(=10回転)となる。
とか書けないものだろうか。
なんというか、「物理的な言い回し」でひとつのネタができそうだ。というかしてる人がいるなあ…。


●残念3:稚拙なイラスト

本書におけるモーターのイラスト。モーターの中身をまったく知らない人が見て、理解できるだろうか?
PB132179.JPGいろいろはしょられているが、矢印方向に電流が流れるのだろう。それすら書いてないよ。。。


たぶん、一般的な男性が思い浮かべることができるのは鉄道車両のモーター(このイラストは直流直巻電動機)ではなく、マブチモーターのようなモーター(永久磁石界磁形整流子電動機)ではないか。マブチモーターは非常に素晴らしいサイトを持っていて、そこでモーターの原理や各部の名称を説明している。

たとえばこちら。基礎の基礎、電磁石とは何か?から解説。
WS000000.JPG

こんなページもある。内容は同じだが、少しまじめ?

直流直巻電動機と永久磁石界磁形整流子電動機に本質的な違いはない。ガソリンエンジンかディーゼルエンジンかくらいの違いなので、説明はコレで十分だろう。


●残念4:誤記多し

こういうことを書くと「これだからマニアは」などと逆ギレされることがよくあるのだが、DMF16とかDMH18とか書いたらいかんでしょ。また、国鉄の形式を「キハ181」などと書くのも誤り。つまり、基本的な鉄道の知識がないのに、鉄道を説明しようとしている。こんなの、少し鉄道がわかる人に一読させれば即座に指摘される内容なのに…。

なお、DF50を抵抗制御と書いてあるのも誤りだが、これは少しだけ同情する。DF50のエンジンとジェネレータは直結していて、ジェネレータ出力は機関の回転数で制御するのだが、私の知る限り、それが掲載されていて入手しやすい本はない。入手しづらい本を含めても『ディーゼル機関車ガイドブック』(誠文堂新光社)のみだ。(レイルロードの『DF50』は未見)。液体式の制御方法がそこそこ知られているのに対して、不思議なことである。


●残念5:後半は息切れ

後半は「物理」でもなんでもない記事、ただの「鉄道の仕組み」が続く。トンネルの工法の解説や閉塞の概念、腕木式信号機の作動の仕組みなど、どこが「物理」なのか。


●残念6:無関係の記事

ここも息切れか。冒頭にも書いたが、鉄道郵便など、本書の内容とまったく関係がない。著者の専門である天文学のことが書かれているのとなんら変わらない。無関係な「コラム」とやらがなぜ掲載されているかというと、「編集」がなされていないから。かくてひとりよがりの本ができあがりましたとさ。



すべてを抜き書きして「これを説明せよ」と書きたいが、やめておく。とにかくこの本は、あくまで教科書で、これをもとに人間の口述による解説がないと物理好きな人(=聞かなくてもわかっちゃう人)以外には理解できない。

もし、この手の本を読んでみたいのであれば、グランプリ出版の各書や学研のムックのほうがよほど詳しく、わかりやすい。そちらを説明する。

ようやくチェーン交換

ようやくチェーン交換

スーパーテネレ・テネレ700

20101111-93.JPGチェーンローラーがいつの間にかなくなってしまい、走るとカラカラ音がする。リヤスプロケにかんでいるチェーンを引っ張ると、5mmほども持ち上がる。それどころか、スプロケが左右にガタガタと揺れる。ハブダンパーも逝ったか。もうダメだ。チェーン交換だ……。

20101111-91.JPGそう思って、2003年に買ったままになっていた一式を引っ張り出す。それから7年、何km乗ったんだろう。4000kmくらいしか乗ってないはず。いまはチェーンなんてヤフオクで格安で売られているから、当時、量販店で「安い!」と思って買い置きしておいたのは無駄だったかもしれないなー。

そう思いながらフロントスプロケにアプローチしようとしてカバーを開けて驚いた。

20101111-94.JPGこのばかでかいナット、32mm径! 私の工具箱には30mmディープまでしかない。32mmのソケットを買うか。でも、高いんだよな。15年くらい前、TT250Rのスプロケ交換するために30mmのディープを買ったけれど3000円以上したよ。しかも当時はインパクトレンチ持ってなかったから、結局交換しなかった(いま調べたら、なんか1000円ちょっとで32mmのソケット買えるんですけど?? 工具、かなり値下がりしてない?)。いまこのバイクは5万マイル(8万km)を超えているが、チェーンは一度交換した記憶がある。おそらく、そのときも「フロントスプロケはいいや」と思って、チェーンとリヤスプロケだけ交換したに違いない。リヤスプロケは交換した記憶があるから。その「フロントスプロケはいいや」の記憶が飛んでいる。

32mmのソケットは、たぶん3000円か、もっとする(注:しない)。それならばと思い、モトエジャーさんのところで点検がてら交換だけお願いすることにした。

それならば、チェーン一式と共にハブダンパーも持っていかねば。
20101111-92.JPG部品取り車のリヤホイールからハブダンパーだけをはずして持って行くことにした。


そして今日引き取ってきた。スーパーテネレは、ハブと、スプロケを固定してある部分が別対になっていて、その間にハブダンパーがあり、ハブ内とは別にまたベアリングがあるのだが、野沢さん曰く「その間ががたついて、ベアリングがスポッとはずれたよ」とのこと。応急処置はしてくださった。

というわけで、チェーン一式が新しくなり、またひとつ若返ったスーパーテネレ。しかし、チェーンローラー2ヶ所が脱落したままで、うるさい。また、リヤフェンダーががたついているらしく、ときどきリヤのランプ類が消灯してしまうらしい。これは今度見直してみる。

それにしても、頗る調子がいい。セル一発でエンジンがかかるっていいね。当たり前なんだけどね。


モトエジャーさんは、これからバハ1000のサポートに出る。レポートはこちら。レースに出るのはオグショーさんや元ガルルの大塚氏。大塚氏と僕は高校が同じなんだけど、当時は面識もなかったという…。いい結果を待ってます! なお、僕がバハ(レースではない)に行ったときのことはこちら

ハイウェイテクノフェア2010

ハイウェイテクノフェア2010

土木一般

革洋同(@kakuyodo)さんにお声掛けいただいて、ハイウェイテクノフェア2010に行ってきた。財団法人高速道路調査会が主催する、高速道路事業や技術開発の展示会だ。nexco各社および子会社(メンテ会社や技術開発会社)、高速道路に関わる商売をしている各社が出展している。

20101111-01.JPGまあ、こんな感じで、走行中によく目にするいろいろなものが展示されている。これらも少しずつ改良されているのがよくわかる。改良の対象は、ドライバーに対してというよりは現場作業員の安全性向上や労働力軽減と方向のようだった。まあ、そうだろうね。

20101111-02.JPGこういう行灯を展示している会社が数社あった。各社とも、反射材を工夫していたり、逆光対策を施していたり。

この写真右側に、緑と青のデリニエーターがあるけれど、これは回転子にハケがついていて、セルフクリーニングというわけだ。こういうのも各社出していた。

20101111-15.JPG「みの虫君」という。ブラシがつり下げられているのだが、これで特許申請中なのか…。

こういう、道路工事や道路に付随する商品にはダジャレネーミングや「○○くん」といったネーミングが多い…と先日どなたかが書いておられたが、それをいろいろ目の当たりにした。

印象に残ったもの。

20101111-13.JPGフタトール。ペットボトルゴミのフタをはずす機械。まとめて焼却したほうが安いよ。リサイクルすると割高なのに、さらに機械かったらもう絶望的に金かかるじゃないか。とか言っちゃダメなんだろうな。














20101111-11.JPG鉄道車両でいうカーキャッチャー、「とまるくん」。大型車用は「とまるぞー」。その会社には「音声警告装置 うっかり防止くん」もある。すごいぞ中日本。

あげるとキリがないが、ダジャレ系。
・セパレーターコーン「セパッ止(と)」
・棒に絡まない旗「カラマンデー」
・除草剤散布機「カラスンダ80」
・遠隔操作カメラ「ミルモット」
・防錆剤「ペガサビン」(「ペガ」はnexco中日本が使う言葉)
・つらら除去棒「つららん棒」

ストレート系。
・サイレントエコパネル
・エコピュアクリーン
・ふみもりぺったん(コンクリートの穴埋め剤)


そういったものがいろいろと展示してあるなかで、いちばんの関心事項は安全。その次がIT化だったように見えた。

安全という観点では、逆光防止策と、作業中に起こりうるトラブルを極力回避するものが多かった。上の「とまるくん」は、車線規制時の矢印板の表示板も兼ねていて、漫然と運転してきて車線変更し忘れてるクルマを受け止めて停止させるのが目的だ。旗振りは安全太郎になったが、それだけじゃだめなんだよね。

そしてIT化では、情報の集約。でも、別にそこまで集約しなくてもいいじゃない、と感じるシステムが多かった。

20101111-05.JPG「iPadで最新セキュリティ」。監視カメラをiPadで遠隔操作できるというのだが、別に今使ってるノートPCでいいじゃないか。このシステムを導入すると、iPadの導入経費と、iPadがモデルチェンジしたりOSが大幅にアップデートしたときに、とんでもないことになるよ。Windowsのほうがリスク少ないと思うけどな。

同じように、携帯で写真やら現場の状況をアップするシステムもあった。サイトにアクセスしてそれをやると、一斉に配信するんだって。でも、これも、集中管理室みたいなところに、個別に携帯で写真と状況を報告して、管理室が配信すればいいんじゃないの? ここらへんは「システムで受注し、お守りしていくことに商売的な意義がある」のがあからさますぎて驚いた。

また、「なんでこんなものを開発してるの?」というものもあった。
タッチパネル式のデジタルサイネージとか、蛍光灯ソケットに使えるLEDとか。そんなものは家電会社に任せておけばいいじゃない。あるいは、nexco各社が開発しなくても、総研が開発して各社に分配すればいいのに。「みの虫君」みたいなのは共有財産にすればいいのにね。

そうした、意図不明の開発商品で、目的と結果が逆転してしまったものがあった。
20101111-10.JPGこれは風力発電でLEDを表示させるのだが、このばかでかい発電機を製造するくらいなら、100V引いてくるか、12Vのバッテリー積んで数日に1回交換するほうが、ずっと経済的かつエコ(笑)なんじゃないの? 結局は毎日、ちゃんと稼働しているか確認し、数日に1回は点検しなきゃいけないんだから。あ、私はエコは大嫌いです。省エネは好きだし必要だと思うけれど。



話を戻して、以下は脈絡なく、見てきたものを書く。

これは今風の進化だなと思ったもの。
20101111-09.JPG緊急用電話が、タッチパネルになっている。「タッチパネル」という操作そのものを知らない人、特に年輩者にはツライんじゃないかなあとか、駅のタッチパネル式券売機の前で立ち尽くしている人は、東京でさえたまにいるくらいだし、とかも思うが、そういう人たちがそういう操作を学ぶことでさまざまなメリットを享受でき、かつ提供側にもメリットになるなら、どんどんやってほしい。

20101111-06.JPG作業服も、いまはゴアテックスなのか! 当然と言えば当然か。天気に関係ないものな。

20101111-07.JPG安全靴もゴアテックス!

会場内にあったサンプルに、こんなものがあった。
20101111-04.JPGなんかおかしいよね。まあ、サンプルだから、JYOBANとなっているところから、単純に間違ったのかもしれないとは思うが、ネタとして仕込んでいるのかもしれないという疑いは持っておこう(笑)。なにがそうなのかを書くと「常磐高速」がおかしい。

20101111-12.JPGこれ、掲載するのを忘れてたので追加。かわいい。もっと突っ走って欲しい。

個人的に惹かれたのはこれ。
20101111-16.JPG昭和30~40年代かな、車載動画。これ、売ったらいいんじゃないの? あるいは自社サイトなどで見られるようにしてほしい。


20101111-08.JPG外環の模型があった。高谷ジャンクションの部分だ。なかなかすごい接続形態となるそうだ。

20101111-17.JPGものすごくたくさんのパンフレットをいただいた。箱形擁壁の写真集とか、トンネル内照明のカタログとかも。写真右、「ハイウェイテクノフェア」と書いてあるのはカタログだ。ここにはいろいろなものの価格が書いてある…のはごく一部で、ほとんどは残念ながら「別途見積もり」となっている。設置費用込みで受注するのだろう。

単価があるものを書いてみる。
・からまんでー(旗)…2100円
・つららん棒…3万5700円
・パッと作業中(速度規制等の標識を覆う簡易標識)…4万1790円~5万2290円
・レインボーサインシート(路面に貼るシール状のサイン)…3万6000円/m^2
・ポストフレックス(中央線に経つ朱と白縞模様の棒)…2万1525円など

そして、実はこれが目的だった『宮地技報』。今回、橋梁メーカーでは唯一宮地鉄工所が出展していた。こちらも「道路の本を作ってまして」などと話すと「いま、ジャンクションとか好きな人いますからね。工場萌えとか」と言われた。中の人は、それらを同じカテゴリに見てるんだな。興味深い。そして『宮地技報』を「どうぞどうぞ」と言ってこちらにくださった。ありがたいことだ。

またこういう機会があったら行ってみようと思う。知悉しようとは思わないけれど、だいたい俯瞰できるようにはなりたい。それには、会って話を聞くのがいちばんだ。今日見てきたことが、巡り巡って仕事につながりますように。


『東京水路をゆく』(石坂善久著/東洋経済新報社)

『東京水路をゆく』(石坂善久著/東洋経済新報社)

閘門・水門・水路

PB092061.JPG水路を楽しむ方々のツイートやブログを拝見するにつけ、水路に行ってみたいと思っていた。さわりだけでもと思ってエイヤッと参加したのが8月28日だ(横利根閘門(茨城県←千葉ではない))。それから1ヶ月くらい経った頃だろうか、水路を「楽しむ」という視点で紹介した本が刊行される、という情報があった。聞けば、『水路をゆく・第二運河』の外輪太郎さん(パドルさん)が著者とのこと。イカロス出版の大野さんのツイートなどでよくお名前を目にしていたし、ブログも拝見していたので、発売を楽しみにしていた。そして発売日、書店に行ったらまだ搬入前で未入荷。改めて翌日だか翌々日だかに行って買い求めた。

『東京水路をゆく』。タイトルだけ聞いて、最初は地図もふんだんに使ったムックかと思っていた。書店とは会社の近くの三省堂有楽町店、そういうスタイルで探したが、旅行ガイドブックコーナーに、スピリチュアル(笑)なガイドブックなどとともに平積みになっていた。雑貨本のような、予想外にかわいい装丁だった。版元が意外な会社だった。



読み始めて感じたのは、とてもしっかりした本だということだ。記述は「です・ます」調、ときに「~ありますまい。」といった、丁寧に意見や感想を語りかけてくるような口調が織り交ぜられ、著者自信が水路を案内する形式になっているので、あえて分類すれば紀行文になるのだろうが、実用書としても正確で十分な情報がある。世の中に数多ある紀行文には、この部分(正確性)がダメなものがものすごく多い。

さらにいいのは、内容のバランス。本文は、水路、閘門、水門、橋などを、水路別に描いている。概要があって、個別の話がある。意外にも土木構造物の個別な細かい話は少なく(石坂氏は土木構造物には非常に詳しいのに!)、適度に「ツアーでその場にいった観客目線」というか、水路そのもののリアルな描写が出てくる。それが非常にわかりやすく、想像しやすい内容となっている。このバランスがいい。それを見た読者は、きっとGoogleEarthでそこを眺めたくなるに違いない。私なぞは帰宅後、gis航空写真検索から何度となく古い航空写真を閲覧してしまった。今度、2万5000分の1地形図と首っ引きで東京の水系の構成を把握してやろうと思っている。とはいえ、興味を持ったことに首を突っ込み続けて身動きできない状態になっているので、勉強会みたいなものがあると一番いいんだけれど…。

私が水路に興味を引かれるのは、おそらく道路や鉄道と同じ運命を背負っているからだと思う。水路開鑿には必ず目的がある。水路は時が経てば用済みになる。場合によっては埋められてしまい、かつてはそこに流れがあったことすら忘れられてしまう。こうした展開は、道路や鉄道がたどる経過にそっくりだ。道路や鉄道のルート変遷史のようなものをお好きな方なら、この感覚をわかっていただけると思う。

水路好きの人はもちろん、道路好き、地図好きの人も読むべし!


山手線/地形散歩(1)池袋-巣鴨

山手線/地形散歩(1)池袋-巣鴨

地図・航空写真・分水嶺

山手線で新宿から池袋に向かって走ると、新大久保と高田馬場は高架、目白は堀割、池袋は地平、巣鴨は堀割、となっている。なぜこんなことになっているのかというと、西から東(東京湾側)へと延びる武蔵野台地を南北に突っ切る形で線路が敷かれているからである。

目白付近の台地の上は標高約30m強、神田川沿いの谷は標高約10m。標高差は約20mあることになる。目白付近で話を続ければ、それが「目白台」と「その下」、たとえば目白坂などに現る。交通網で言えば、それが高架や堀割を要求する。東京の山の手側は、こうした地形を巧みに利用して鉄道路線や道路の立体交差が組まれている。

例えば田端付近。山手貨物線(湘南新宿ライン)が山手線の下をくぐる部分。
例えば目白通りと明治通りの交差点。

歩けばすぐに実感できる。地図ではなかなかわからないが、5mメッシュ標高データを使用すればすぐにわかる。こんな感じだ。
a70da130.jpg(基盤地図情報5mメッシュと、改訂新版カシミール3D入門編に同梱の地図データを重ね合わせて作成。カシミール3DはDAN杉本氏によるフリーウエア)

池袋から田端まで、堀割になったり高架になったりしているが、ほぼ標高は24m前後になっている。堀割部分は周囲より5mほど低く、大塚の高架部分は逆に8mほど高い(正確な数値ではない)。つまり、線路がなるべく平坦になるように、地形を欠き取り、地形を盛り上げていることがわかる。


では、池袋から山手線に沿って歩いてみる。内側、外側はその都度適当だが、跨線道路橋はすべて渡った。写真も全部撮ってあるけれど、冗長になるので一部にとどめておく。

まずは池袋~巣鴨間の拡大図を置く。以下このポストに限り「JR線」と書いた場合は山手線・山手貨物線(湘南新宿ラインが通る線路)を合わせたものとする。必要に応じて固有名称と書き分ける。また、両路線とも複線で、上下線が別れることがないため、4組の線路がある写真に「左=山手線」と書いた場合、左側2組が山手線のこととする。

45aa793f.jpg 

【写真1】宮仲橋から池袋方向(左=山手貨物線、右=山手線)
20101012-01.JPG宮仲橋から堀之内橋を見る。その向こう、二段構えの橋は池袋六ツ又陸橋。

左側、山手貨物線のほうが少し高い位置にあり、擁壁はコンクリート。湘南新宿ライン整備のために堀割化されたところで、それまでは地平を走っていた。そのため、擁壁がコンクリートとなっている。

右側、一段低い山手線の擁壁は石垣。谷積みに近いが、目地をモルタルで詰めているようにも見える。


【写真2】大塚駅を池袋方から見る(左=山手線、右=山手貨物線)
20101012-02.JPG大塚駅は、地形が台地上から谷へ落ち込む途中にある。そのため、池袋方から堀割の中を走ってきた山手線は地平に敷設されることなく、築堤につながる。その標高差を利用して、大塚駅池袋方では道路橋「空蝉橋」が線路をまたぎ、大塚駅巣鴨方では逆に線路が道路をまたいでいる。池袋付近では地平を走っていた山手貨物線は、この区間ではレベルを下げ、堀割区間であった。

【写真3】大塚駅南にある立体交差部分。右が「王子電車跨線線路橋」、左が「大塚架道橋」。
20101107-a2.JPG北から見ている。画面右が池袋方、左が巣鴨方。右の桁の手前に都電の停留所のカマボコ型の屋根があるのでよく見えない。

王子電車跨線線路橋:向かって右の都電を跨ぐ部分。
20101107-a1.JPG
いまいち見えづらいと思うが、カマボコ型の屋根は、JR線のプレートガーダーの部分を切り欠いている。そして、プレートガーダー下部は覆ってある。鳩などが入り込まないようにするためだと推測する。

大塚架道橋:向かって左側、道路を跨ぐ部分。全体像は割愛。
20101107-a3.JPG橋台に、このように4段の段差が設けられている。一番上は桁受けだとして、他の2ヶ所は装飾的な意味か。煉瓦積みだが隅石を配してあり、段違いになる部分は帯石となっている。

都電側の橋台は白く塗られている。道路側の煉瓦との連続性はないので、この橋台はコンクリート製なのかもしれない(当てずっぽうです)。

【写真4】大塚79号架道橋:都道436号を跨ぐ。北側から。
20101107-B2.JPG橋台ごと白く塗られたRC桁。

大塚79号架道橋:南側から桁の裏側。
20101107-B.JPG

【写真5】平松架道橋(南から見る)
20101107-C.JPG南から北に架けて上り坂になっている。この付近、JR線は築堤上を通っている。


【写真6】宮下橋から巣鴨駅方面(左=山手線、右=山手貨物線)
20101012-03.JPGこの付近は4線とも堀割となっている。両側の擁壁ともに同じ石垣のように見受けられる。同時に施工されたものか。

(続く)

参考資料:山手線が渡る橋・くぐる橋(ものすごく資料性が高いサイトです。さまざまな確認作業を大幅に省略することができました。感謝します。)



天王洲ふれあい橋~最新のピン結合プラットトラス

天王洲ふれあい橋~最新のピン結合プラットトラス

プラットトラス


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首都高羽田線を走っていると、天王洲付近で内陸側にピン結合のプラットトラスが見えて驚いたことはないだろうか。それが、天王洲ふれあい橋。先に紹介した芝浦橋から旧海岸通りを南下し、天王洲運河を渡るときに東側(左側)に見える。

この橋は、近年建造されたピン結合のプラットトラスであるという点で、おそらくそんなものはこれひとつしかない。名称が、なんの謂われもない、かえって無個性なふれあい橋であることだけが非常に残念だ。

20101106-10.JPG水平が出てなくて酔いそうだが、橋門。

20101106-04.JPG中。

休日の午後だったからか、人が途切れることがない。渡った向こうは東京海洋大学(昔の商船大学)、周辺は品川駅近くで住宅街でもある。また、運河に沿って遊歩道があり、開放感あふれたスペースになっている。この写真でいえば左側にオサレなカフェがあり、とてもいいにおいのパンを売っていて、中あるいはテラスでお茶ができる。スノッブな休日の午後を楽しむには非常にいい感じだった。

さて、ピン結合部を見る。
20101106-02.JPG20101106-09.JPG下弦と斜材、垂直材の結合部。各部材は、ゴムを介して接合している。きちんとアイバーの形状をしており、ピンはボルト。

なんということだ、うっかりと裏側を撮らなかったのだが、こうして見る限り、ピン結合プラットトラスのセオリー通り、左右の垂直材が上下で結合されて軸方向が□型となり、それをアイバーがつないている構造になっているようだ。床版は、下横構の上に縦桁を渡し、その上に設置されていると思うが、それは確認していない。迂闊!

20101106-03.JPG上部はこんな。上横構とピンがどういう関係にあるのかはわからなかった。

20101106-07.JPG中央格間、斜材がX字型になる部分。通常、ここは斜材同士が干渉しないように少しずれるのだが、このふれあい橋では完全に重なっている。このクロス部分を拡大すると、こうだ。
20101106-08.JPG片方の斜材は1本の棒で、もう片方の斜材は中央で2分割し、そこをピンでもう片方に接合している。

北側に渡って、東側を撮る。
20101106-06.JPG
また戻って垂直材。
20101106-05.JPGこの垂直材に、このふれあい橋の精神が込められている。レーシングが施してあり、しかもリベットであるかのように見せているのだ。



以下は私の勝手な想像である。

このふれあい橋は、もともとは天王洲アイルから品川駅に行くための近道として設置された人道橋である(天王洲開発協議会による)。通常、こうした人道橋は、開放的な橋にする。橋長69.3m。プレートガーダーでできないスパンではない。あるいは斜張橋が採用されやすいスパンかもしれない。

なにしろ人が歩く道だ。トラス橋は、中を歩く人にとっては檻のように感じることもあるだろう。天蓋も部材で覆われているので、人道橋としてはもっとも敬遠される。それなのにトラス橋が採用されたのは、レトロ感を演出するために違いない。そういう意味で、現代の技術で作る「形鋼をガセットプレートで剛結したトラス橋」ではまったく意味がなく、「レーシングのある、リベットを多用したトラス橋」でなければならないのだ。それを徹底的に作り込むと、ピン結合のプラットトラスとなる(プラットトラスは、ピン結合に向いた形式である)。

たしかに「運河」という空間には、近代的な斜張橋よりも、こうしたレトロなイメージを持つ鋼橋のほうが似合う気がする。また、新築されたビルが林立する天王洲アイルという土地柄にこのようなレトロなイメージを持つ鋼橋があると、浮ついた印象がかなり減る。歴史があった場所を再開発した、というような印象になる。横浜の赤レンガ倉庫や汽車道と同じ手法だ。

実際に歩いてみると、鋼材の圧迫感などはまったく気にならない。横浜の汽車道も、三つの古い鋼橋が残されてアクセントとなっており、そこで写真を撮る人も多い。

このリベット風のボルトについてはこちらのブログに詳細がある。その前のエントリにはトラスの解析もある。この「トルシア形高力ボルト」については、こんな蘊蓄もあった。いままで、橋のボルトに注意したことはなかったが(リベットかボルトのどちらかだと思っていた)、この形式のボルトかどうかも今後、見て行きたいと思う。

最後に、施工した宮地鉄工所のサイトをご覧いただきたい。意外にも、このふれあい橋はポンツーン工法で架けられた。このサイトを見て私が不思議に思ったのは、ポンツーンの艀における橋桁の受け方だ。橋桁というのは両端下部の支承で支えるようにできているのだが、こうしたピントラスが艀に乗る場合は下弦か、下弦を左右に結ぶ下横構が支点となって桁全体を支える。そうしたときに、どこかしら破断が生じたりしないのだろうかということだ。そこらへんも踏まえた上で設計されているはずだが、光景としては不思議な感じがする。


芝浦橋・芝浦併用橋(関連情報)

芝浦橋・芝浦併用橋(関連情報)

橋梁一般

昨日のエントリ芝浦橋・芝浦併用橋は長くなったので割愛したことなど。これらの橋の関連情報について。主として銘板について。


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●芝浦橋(道路橋)の他径間

20101104-17.jpg芝浦橋は1径間ではなく、2径間だ。トラス桁の北側に鈑桁がかかる。上記地図の、ピクのマーカーがその部分だ。衛星写真を拡大すると、道路面の継ぎ目がわかるだろう。

その短い桁の西側の面に、銘板がある。
1970年6月
東京都港区建造
鋼示(1984)一等橋
製作 横河橋梁製作所 千葉工場
材質 ●●●●●、SS41

20101104-18.JPG引いて見ると、銘板の位置がわかる。また、床版の厚さが、トラス桁のほうが薄いことがわかる。理由はまったくわからない。

支承には「横長の楕円形、中に縦三本線」の陽刻があるのだが、メーカーはわからない。いや、社団法人日本支承協会のサイトも見たのだが、わからなかった。毒を食らわば皿まで。支承もコレクションしとかないといけないかもしれない。

20101105-01.JPG前後方向。私の影つき(笑)

西側のビームとその橋脚
20101104-21.JPG「2」と書いてあるのは貨物線の鋼鉄製の箱桁。それが乗るビームも鋼鉄製。その橋脚に銘板らしきものが見える。対岸の橋脚にも見える。

20101104-13.jpg高浜西運河橋りょう
設計 日本国有鉄道東京第一工事局
施工 三井建設株式会社
設計荷重 N-18 KS-18
基礎工 場所打コンクリート杭φ150cm L=9.5m 5本
基礎根入 けた座面から22.3m
着手 昭和44年6月24日
しゅん工 昭和46年8月9日(注:1971年)

そうか、橋脚にも活荷重があるのか。あたりまえといえばあたりまえだが、上に乗る桁の重量(RC製のほうが鋼製よりも重いはず)にも左右されるし、いまある桁の重量を前提に設計されているのだろうか。また、表記が、塗装標記や橋梁制作会社の表記と異なる点も興味深い。この当時から「橋りょう」だったのだな。

いや、それよりもN-18という標記に注目。N荷重だ。新幹線貨物を想定した、車体長13.5mの活荷重だ。ということは、1970年代まで、新幹線貨物は、土木構造物において、一応は想定されていたのだ。状況証拠から、思わぬことを発見してしまったのでフォントを赤くしてしまった。KS-18標記は在来線の活荷重であるから、この橋脚は、新幹線(貨物)と在来線のふたつを想定していることがわかる。

20101105-05.jpg西側のビームを引いて見ると、こう。写っているのは、上記写真の隣りの径間だ。貨物線の桁(左側)は端部が欠き取られていてビームに吊り掛けてあり、新幹線の桁(右側)はビームを嵩上げして橋脚としている。


●東側のビーム
20101105-03.JPGこちらは西側と異なり、貨物線(左側)は単純にビームの上に乗っており、新幹線の桁(右側)はビームと独立した橋脚を持っている。

20101105-02.jpgこれがまた律儀に塗装標記がある。

橋りょう名 高浜第二西運河橋りょう
位置 元汐留-東京貨物(タ)3K847M84
支間 28M500
塗装年月 1991年6月
塗装回数 3回塗り
塗装種別及塗料名 下塗 シアナミド鉛さび止めペイント
中上塗 長油性フタル酸樹脂塗料
塗料メーカ 日本ペイント株式会社
施工者 建設塗装工業株式会社

1991年の時点では、汐留駅はなくなっていたがこの路線は生きていた。それが標記に現れ「元汐留」となっているのだろうか。

銘板。
20101105-6.jpg日本国有鉄道 1971 KS-18
SS46
宮地鉄工所 東京工場

おお、宮地! なぜここで宮地なんだ。周辺の桁は全部横河橋梁なのに、なぜこのビームだけ異なるんだ。

そして、KS-18。新幹線の桁は、上記の通り、別に設けた橋脚に乗っかっているから考慮する必要がない、というわけだ。

以上、周辺情報。


芝浦橋・芝浦併用橋

芝浦橋・芝浦併用橋

ワーレントラス

20101104-01.JPG

タグを一つしかつけられないのがもどかしい橋。高浜西運河にかかる道路橋の「芝浦橋」、その上にかかるのが東海道新幹線大井回送線の「芝浦併用橋」(手前)と休止状態の貨物線「芝浦併用橋」(奥)だ。

ここで「併用橋?」と思った方はするどい。(鉄道・道路)併用橋とは、鉄道と道路がともに同じ桁を走行する橋である。有名なものでは東京の勝鬨橋(都電)、愛知の犬山橋(名鉄)、岐阜の忠節橋(名鉄、右写真、 GNU Free Documentation License )がある(どれも鉄道は既に走っていない)。この橋は、道路部分と鉄道部分が同じ面に乗っているわけではないのに、「併用橋」と名付けられている。つまり、ひとつの桁を、道路と鉄道が供用しているということが名称からわかるわけで、分類としてはそうなるわけだ。



また、この芝浦橋を見た人は、関西本線第四大和川橋梁(大阪府)を連想するに違いない。こういう橋だ。ここに見えるトラスは「桁受トラス」と呼ばれ、通常は鋼製の箱を渡してビームとするのだが、ここではどうしたわけか、トラスがその代わりをしている。その理由が明記された文献にはいまだあたっていない。
.


さて、芝浦橋はここにある。東京都の海っぺり、運河にかかる橋だ。


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先に整理する。

道路橋の芝浦橋は、1970年5月、東京都港区建造。一等橋。
新幹線の芝浦併用橋は、1970年、日本国有鉄道。NP-18。1973年9月1日開通。
貨物線の芝浦併用橋は、1972年、日本国有鉄道。KSー18。1973年10月1日開通。現在休止中。

三橋とも、横河橋梁製だ。貨物線の桁のみ製造年が異なるが、設計は一体でやっていたと考えるのが自然だろう。

それ以前は、細い橋がかかるだけだったようだ。国土変遷アーカイブより転載。
20101104map.jpg.

どんどんディテールを見て行こう。

20101104-02.JPG冒頭の画像もそうだが、これが南側(新幹線側)。芝浦橋(道路橋)そのものは、斜橋ではなく通常の橋なのだが、その上を斜めに新幹線の桁が横切っている。その桁の脚が、芝浦橋のトラスに乗っかっているという構図だ。向かって右側が、端柱より出っ張っているというのがすごい。

そもそも、この程度の長さの橋なら、一等橋(活荷重の基準の一つ)とはいえ、トラス橋にする必要などないだろう。単純な上路プレートガーダー橋で十分だと思う。それなのに、この橋の側面にトラスがあるのは、トラスがその上を横切る桁の橋脚の役割を果たすからだろう。

真横(西から東側のトラスを見る)から。
20101104-06.JPG20101104-07.JPGトラスは5格間(△が5つ)なので、上左写真の右端と、上右写真の左端は同じ部分。

左側が貨物線の桁、右側が新幹線の橋脚。貨物線は、トラスを橋脚として使用し、新幹線は橋脚を介してトラスに接続している。また、貨物線に架線が張っていないのがわかるだろうか。

反対側(西側)
20101104-03.JPG新幹線の桁が、斜めに横切っているのがわかるだろう。新幹線の桁の橋脚の位置が、東側と異なる。

これも横から(東から西側のトラスを見る)
20101104-04.JPG20101104-05.JPG同様に、5格間なので上左写真の右端の△と上右写真の左端の△は同じものだ。

こちらから見ると、左が新幹線、道が貨物線。トラスへの乗っかかり方は変わらない。

寄ってみる。まずは新幹線の桁を支えるほう。
20101104-08.JPGトラスの上弦と、橋脚が剛結されている。いや、もともと上弦は、橋脚を剛結するためにこのふくらみと出っ張り(帯状にボルトが多数並ぶ部分)を持って製造されているようだ。


貨物線のほう。
20101104-09.JPGこちらはトラスに乗っかっているわけではなく、もはやトラスの上横構のような役割を兼ねているのではないか。こちらも、トラスの上弦に出っ張り(やはり、帯状にぼるとが見える部分)を備えた状態で製造し、そこに桁を剛結したのではないか。なんともすごい構造だ。

橋の上から、公園が見えた(地図参照)。そこに行ってみると、このように西側が見える。
20101104-19.JPG繰り返すが、左が貨物線ん、右が新幹線。こうして見ることで、画像右側、トラス側面に銘板があることが確認できた。

地図に示した公園から、支承を見る。
20101104-18.JPG道路橋だけで考えると、異様にでかい支承だ。だが、上に乗る桁と活荷重を考えれば、この大きさも納得だ。これは北西の支承。南西の支承も同様のピン支承だった。この支承部、トラスに縦長の部品をくっつけて、その接合面を鉛直方向にいったところにピンを設けて支承にしている。

北側。
20101104-22.JPG貨物線の桁が、トラスと一体化しているのがよくわかる。また、この径間だけ桁高さが低くされている。もともと、この芝浦橋は運河にかかる橋梁なので、桁下高さはある程度確保しなくてはならないので道路面を下げることはできない。それがこのような形を生んだのだろう。

これらのすべてに銘板があるので、掲載する。

●芝浦橋(道路橋)
20101104-20.JPG1970年5月
東京都港区建造
鋼示(1964)一等橋
製作 横河橋梁製作所 千葉工場
材質 SMA50S...SS41

●新幹線の桁
20101104-16.jpg日本国有鉄道
1970 NP-18
SS-40
横河橋梁製作所 千葉工場

材質
主桁 上フランジ・SMA41(?)
ウェブ・同上
下フランジ・同上
○○ ・SMA41

●貨物線の桁
20101104-11.jpg日本国有鉄道
1972 KSー18
WVBC 817-3
横河橋梁製作所 千葉工場

続いて塗装標記。
●新幹線の桁

20101104-15.JPG橋りょう名 芝浦併用橋
位置 大井回送線 5K696M
支間 12M471
塗装年月 1999年1月
塗装回数 2回塗
塗装種別及び塗料名 補修塗 亜酸化鉛さび止めペイント
中.上塗り 長油性フタル酸樹脂塗料(中)灰色1号 (上)灰色2号
塗料メーカ 大日本塗料株式会社
施工者 明治塗工株式会社

●貨物線の桁
20101104-10.JPG橋りょう名 芝浦併用橋
位置 元汐留東京貨物ターミナル間 3K758M16
支間 12M70
塗装年月 1990年10月
塗装回数 3回塗
塗装種別及塗料名 下塗 鉛系さび止めペイント
中・上塗 長油性フタル酸樹脂塗料
塗料メーカ 大日本塗料(株)
施工者 (株)中村塗装店

「元汐留」というのがなぜそうなったのか、知りたい。



とりあえずここまで。
この橋の紹介は『横河橋梁技報』創刊号(1972年1月号)に記載があるはずだ。いつか目にしてみたい。


参考サイト:『水路をゆく・第二運河』


インドネシアのCikubang Bridge(続)

インドネシアのCikubang Bridge(続)

プラットトラス

インドネシアのトレリストラス+ランガー(?)+トレッスル橋脚というエントリを9月8日に書いた。先日、それを調べるきっかけとなった米屋浩二さんのお会いする機会を得た。

「現地では、こんなビデオが売ってるんですよ」

20101101.jpg.

この橋梁の画像がgooglemapsに貼り付けられていることから、ファンが少しはいることはわかるが、ビデオまで出ているとは! 

20101101-1.jpgラチストラス+逆ランガーの補強! しかもこの橋には秘密がある!


開けてしまった箱の蓋、このまま閉じておこう…。


なお、Cikubang Bridgeの写真は『日本カメラ』に掲載されているとのこと。拝見してこようっと。


このとき、米屋さんが「買っちゃいました」と言って取り出したものを見て驚いた。バイテンのフィルム。使ったことのある人は知っているが、実物を見たのは初めて。今月7日まで、長野電鉄の信濃川田駅で米屋さんの写真展を開催しているが、そこで実物を見られるはずだ。下記告知ページの画像がそれ。

http://railf.jp/event/2010/10/27/192900.html


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