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利尻島の本泊郵便局(ほんどまり。「ぽん」じゃないのだな)。正面左の明かり取り窓が天地方向に大きく、こじゃれた民家のようでもある。素人が考えた家、のような外見をしていることが多い郵便局舎において、なかなかかっこいい。

 

これだけ道路から奥まっていても、「郵便局」「ゆうちょ銀行」のサインは、道路の軸方向を向いている。

玄関前のブルーのタイルが美しい。通常の、いかにもコスト最優先で造られた郵便局舎とは違い、銀行くらいの上品な印象がある。そのタイルに郵便局名が浮き上がっているのは、あたかも国鉄稚内駅(旧駅舎・解体済み)や柏崎駅建築(塗装変更済み…)のようだ。

旧郵政書体ではない。しかし「郵」のおおざとの形は旧書体とも現書体とも違う。また、現在の郵政書体は(おそらく)このような極端な長体・字間は1文字分、といったような使い方をしないと思うので、この切り文字を作るときに、古い郵政書体になんらかのアレンジが加わったのだろうか。


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利尻島で見かけた。民家にレンズを向けるのはためらわれるのだが、窓などには板が打ち付けられており、使われていないかもしれないと自分に言い訳をして…いや、撮らずにはいられなかった。

正面から見ると、玄関に向けてのマンサード屋根の重ね合わせ。しかも玄関部分は5折。
最初、この角度で遭遇した。この角度では曲がり家のようにも見えるが、平側(道路側)に折れ曲がっているわけではなく、玄関部分を除けば、玄関の上に屋根を差し掛けるような形になっている。(この写真のリンク先=原寸で見るとピントが合っていない)

この角度で見ると、逆方向(奥行き方向)にL字型になっていることがわかる。その奥行き方向は不同沈下している。

利尻島内でもっとも惹かれた建物だった。

稚内駅の北東にかけて、いまのANAクラウンプラザホテルや防波ドームも含めて、すべて港湾施設だったといっていい。いまのハートランドフェリー、当時は東日本海フェリーといったが、そのターミナルも防波ドームの近くにあった。そのフェリーターミナルは移転したが、その近くに日通の倉庫がいくつか残る。

体育館のような、あるいは農業倉庫のような。妻面にマルツウマーク。横に見えているトラックは、日通稚内のセメントバラ積み輸送用で、1台は「日鐵高炉セメント」とある。

側面に回ると、同じスタイルの煉瓦積の倉庫。その裏手には日鐵セメントのサイロ。

(Kashmir3D+地理院地図(空中写真)に加筆。右下の黄色い枠が、この倉庫)

かつてはこの空中写真のように、この倉庫は岸壁に面していた。どんな船が岸壁についていたのかはわからないが、とにかく、荷揚げしてすぐのところにある倉庫だった。

今は下のように、岸壁の先も埋め立てられ、そこにフェリーターミナルが移転してきている。


大きな地図で見る


稚内のフェリー埠頭近くにある消火栓。この向きを正面とすると、左右に口がついている。そして、そのバルブは正面についているのだが、向かって左のは逆ネジ(時計回りで緩む)になっているようだ。




【2014.8.29追記】
江原圭亮さんから「ネジではなく、ボールバルブ(90度回すと全開になるコック)ではないか」とのご指摘をいただきました。「どちらに回しても開く、でも干渉するから回転方向を記してある」ということのようです。取説があるわけではないので検証はできていませんが、ありがとうございました。


兜沼、勇知、抜海。子供の頃、はるか北の果てに恋い焦がれた地名たち。そのひとつ、抜海に建つ、抜海郵便局。それほど古くはない建物だが、おそらく外壁と屋根は塗り直されている。

昔の郵政書体。刺さるように尖った明朝体が、通常ならば壁から支持棒で浮いているところ、ここでは壁に直接貼られている。

真正面から見ると、右に大きな⇑(矢印)型の母屋。その左に屋根を延長する形の張り出し。おもしろいのは、矢印の傘の裏までみっちりと肉が詰まっているところだ。…この表現ではわかりづらいか。屋根だけが張り出すのではなく、壁から水平方向に建物が伸びているのだ。

こうして撮影していたら、郵便物収集車が来て、ポストの中身を運んでいった。



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