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翌日朝から豊稔池に行くために、徳島県の池田(現三好市)で夜を明かした。「徳島の池田」といえば、高校野球の池田高校で全国に名を馳せている街。私ですら「蔦監督」を知っているくらいの。
 
夜に着いてスーパーで夕食を買い込み、街中の銭湯に行くと、思いのほかたくさんの客がいる。高校球児たちだ。脱衣所には「池田高校専用」と書かれた棚。そこで聞いた話によると、寮にも風呂はあるのだが、ここに来ることも多いそうだ。寮の風呂よりも、開放的な大浴場。

風呂から出て、街を一回り。「池田町」だったころでも人口1万5000を超えるので、大きな街ではあるのだが、それでも意外に感じるほど商店街は大きかった。喫茶店がいくつかあるくらいに。

翌朝、一回りした。






 
アーケードは「Central Road Ekimae」、略してCRE。

 
 
「紀」の糸偏のアレンジ。「パーラ」も収まりがいい。こんなきれいな喫茶店、でも荘重すぎてさすがに開いていない。鉄道旅行で阿波池田を訪れ、ここでお昼を食べたい。

 
 
 
 
 
 
 
阿波池田からは、高速バスの大阪行きが毎日6往復、神戸行きが3往復ある。もちろん徳島県内の街から客を拾いつつ…だが、それだけ人の流動があるということか。この夜も、何人もが高速バスから池田に降り立った。

* * *

同じく徳島県石井町のミウラベーカリー。残念ながらこの日は開いていなかったが、開いていたら絶対に立ち寄っていた。

 

 






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長野電鉄屋代線の松代駅から出ている道が突き当たるところに、この大きな家がある。一隅が商店になっているのだが、軒下の看板がすてきだ。

  カモ井食品。千代田のソーセーヂ。カゴメケチヤップ、カゴメソース。キリンラーメン。

この商店は、左の戸側と右の戸側で、店内の雰囲気が全然違うのだろうな。


人によって惹かれる要素は異なるだろうが、私には『私が好きな写植文字、「イボテ」「イダシェ」「イナミン」等の作者である』稲田茂氏が手書きで仕上げた書体サンプル2100である。既刊かつプレミアがついていた3冊をまとめたもの。

中身はこちらを見てほしい。これが延々続く。眺めていることが楽しい。『ピクトさんの本』『タイポさんぽ』と同じカテゴリに、専門家ではない私は感じる。

ただし、本書に掲載されているものはトップのグラフィックデザイナーが描いたものなので、まったく破調がない。「お花ライズ」やクリーニング屋さんのクルクル文字につながる要素も収められている。それらは、まだまだ健全な姿をしている。そういう意味では「眺める」楽しさには若干欠けるかもしれないが、質の高いものをたくさん見ることは、街中で破調タイポに楽しさを見出すことにもつながるだろう。

(関連項目)タイポさんぽ(藤本健太郎著/誠文堂新光社)

* * *

1990年代、漫画のタイトルや男性週刊誌の記事タイトルは「レタリング屋さん」が描いていた。私が週刊漫画誌に携わっていたときは出版業界も漫画業界もまだまだ右肩上がりの頃でもあり、読み切りの1本のためにさえ、ロゴを制作してもらっていた。レタリング屋さんは独自に本書のような「書体見本」をもっており、我々編集部はそれを見て「○番のように」と発注していた。たいてい、ケント紙の上にペンで描かれた原本が届くので、それを写植屋さんに依頼して紙焼き(印画紙出力した白黒2階調のプリント)を作ってもらった。連載の場合は複数の紙焼きを作り、タイトルページの上にトレーシングペーパーを貼り、その上にその紙焼きを写植糊でダイレクトに貼り、「右下シャドウ5mm」などと指定して入稿していた。

一般的に、レタリングロゴひとつ2万円~3万円くらいだったと思う。漫画の1ページあたりの原稿料を考えれば、読み切りなら、ロゴなどなくていいから漫画家に多く支払ったほうがいいのではないか…といまなら思う。そういえば一度、平行すら出てないレタリング屋さんに5万円請求されたことがある。さすがに「それはないんじゃないの」と交渉したが、相場としてはそういう金額だった。先日、そのロゴ屋さんの前を通ったら、いまでもその名称で事務所があり、とても驚いた。まだ仕事があるのか…!

その後、勤務先に限らず各出版社はPCを導入しはじめ、安価なダイナフォントで作られたロゴが氾濫しはじめる。『のだめカンタービレ』のロゴなどを見ると「最初は金かける気がなかったんだろうな」というのがよくわかる。映画版はよくがんばってアレンジしたと思うが「のだめ」の文字にも手をつけて欲しかった。

* * *

いまでもこうしたレタリングが生きているのは、漫画や文芸書、映画のタイトルだ。既存のフォントに似ていても、よく見ると手書きで起こされているものもある。それがベクトルデータでできていたとしても、だ。そういう目で、そういう部分を見て欲しい。なお、それ以外のジャンルは既存のフォントを使っていることがほとんどだと思う。装丁家に存分に仕事ができるのは漫画や文芸書だから、そこに人が集まるのだ。

なお、いま、文字は「フォント」と呼ばれることが多い。看板屋が手書きで書いた文字さえも、だ。しかし「フォント」は近代PC(MacあるいはDOS/V)と同時に導入された「一揃いの書体」という概念だと私は定義している。だから、本書に掲載されている文字を「フォント」とは言って欲しくないというのは個人的願望。

松尾歴史民俗資料館というところに行ってきた。名称は「歴史民俗」であるが、事実上、松尾鉱山の資料館である。資料館前には松尾鉱山鉄道の電気機関車、ED251まで展示してある。しかし、公式サイトはなく、八幡平市観光案内データベースにも「先人が古くから使ってきた馬ソリや長持などの生活用具、周辺の縄文遺跡から出土した土器、かつて東洋一の硫黄鉱山として栄え「雲上の楽園」と呼ばれた松尾鉱山の関係資料を展示しています。」というような紹介しかなされていない。なんというか、とてもひどいと思う。

大変な資料、それも原本を自由に閲覧できるのだが、なかからふたつ。

20120715_000.JPG松尾工業の社章。

20120715_001.JPGそれと対峙する、労働組合旗。「FML 全鉱 松尾鉱業本社労働組合」。

全鉱とは「全日本金属鉱山労働組合連合会」のこと。全鉱連ともいうようで、どちらの言い方がメジャーなのかはわからない。検索してもほとんどヒットしない。しかし、一時は総評議長をも輩出した労組の連合である。


この資料館はすごい。生の資料を直に閲覧できるだけでなく、末鉱山の経営史、労働者史が併存している。もちろん、わたしなどには労働者史がどれだけの重さ(軽さ)で扱われているのかすらわからないのだが、こうして露組合旗が飾ってあるということで、ある程度は目安となるだろう。


なお、屋外のED251についての資料も多々ある。ぜひ。

20120325_006.JPGある木造住宅。人が住まなくなってずいぶん経つようだ。

玄関(写真右)の左側にコンパネが打ち付けられている。その隙間に、赤い星が見えた。東京ガスの旧ロゴだ。

そのすぐ上と二つ下は東京都水道局の「専用」と書かれたプレート。すぐ下は不明。最下段二つは日本赤十字社会員(社員)章だろう。町内会などを通じて社員になることが多く、かなりの家の玄関で見かけるものだ。


 


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