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奥多摩湖に架かる「奥多摩5橋」の一つ、峰谷橋。中路のブレーストリブアーチ。支間123mは、1957年の架設当時は国内最長だった。この美しい橋は、近くに視点場がないのが惜しい。

 
ブレーストリブアーチ特有の、橋門構上部が軸方向に上に反っているように見えるのがかっこいい。平成初期の修景で横長の橋名版がついた。

 
その裏、ボルトが突き出した部分の塗装が剥離して、錆が…。


鋼材が縦横に張り巡らされた、篭のような印象。それでもアーチはトラスよりもずいぶんと明るい。

 
 
側面に後付けされた歩道からは、部材の中をのぞき込める。ひたすら続くリベット。

 
銘板。

1957年8月
東京都水道局建造
建示(1955)二等橋
製作株式会社東京鉄骨橋梁製作所
材質 SS41

 
歩道が部材と干渉する部分には大きな穴が開いており、鋼板でふさいである。その、リベットを避けるほどの細かさ。



橋そのものについては『東京奥多摩町・青梅街道の昭和前期における橋梁の進展に関する研究』(紅林章央・前田研 一・伊東孝/PDF)に詳しい。









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ELPのキーボーディストとして有名なキース・エマーソンが、ELP結成前に率いていたバンドがTHE NICE。そのアルバム、その名も「FIVE BRIDGES」のジャケットがコレだ。

ブレーストリブアーチを魚眼レンズで撮影し、その写真の下半分を組み合わせて構成したものだ。この橋の正体がふと気になったのだが、答えはwikipediaの英語版に書いてあった。なんでも検索できる時代は素晴らしい。

この橋は、イギリスのタイン川にかかるタイン橋(Tyne Bridge)。wikipedia日本語版には「タイン川」も「タイン橋」も項目はないのだが、Yahoo!辞書で「tyne」を引くと、タイン橋の解説がある。辞書、すばらしい。

上の写真では長大な径間を擁する橋に見える。実際、橋長は389m、最大スパンは161.8m、桁下高さ26m。1928年の建造時は世界最長のアーチ橋だった。しかし、現在の様子はどうだろう。

File:Tyne Bridge.jpg
(この画像の取り扱いは Creative CommonsAttribution-Share Alike 3.0 Unported ライセンスによる)

大きさは変わらないのに、周囲に高層建造物が林立しているために、小さく見える。奥のドームや高層ビルのせいもあろう。なにより、桁下を通過する客船の大きさが、タイン橋を小さく見せている。


時は移り、現在、世界最大のアーチ橋は、2009年開通の中国の朝天門長江大橋である。橋長はタイン橋の約4.5倍の1741m、最大スパンは約3.4倍の552m。と聞くと、「さすが現代の橋梁技術!」などと思うだろう。しかし、このタイン橋が開通したわずか3年後、1931年には、アメリカのベイヨーン橋(Bayonne Bridge)が、橋長1762m、最大スパン511mで開通している。この、スパン511mと552mの差、41mがどれだけの重みを持つか、私にはわからないが、受ける印象としては「ほぼその時点で現在と一緒じゃないか」となると思う。架設開始は、タイン橋の開通と同じ1928年である(月日まで調べていない)。

なお、このタイン橋の所在地はここである。
大きな地図で見る


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