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鉄道車両の保存をはじめ、鉄道の歴史を趣味的な観点からも追求する笹田さんによる、鉄道の遺構を探訪した記録。2023年刊の『鉄道「裏」巡礼』と対をなすタイトルだ。

遺構といっても廃線跡はあまりなく、未成線や未成駅、あるいは未成の施設を多く採り上げている。有名なものもあれば、おそらくほとんど知られていないのではないかというものもある。有名なものといってもおいそれと立ち入ることができない名羽線を2024年に訪ねているのは、本書のカバーにして巻頭にその記事があることでわかるとおり、本書の目玉というものだろう。

 
個人的に惹かれたのは、吹田操車場にあった幻の高架橋と、呼子線の高架橋群だ。どちらもいまは解体され、現存しない。こうした施設が計画・建設されるも、それが時代をまったく見据えておらず、やがて邪魔者扱いされて役割を果たすことなく消えていく、というような「税金の無駄遣い」に、それは許してはならないことではなるのだけれど、そこに人間くささを感じる。


吹田操車場の高架橋は、上の国土地理院の空中写真(1974-1978)にもその姿が映っている。1989年の空中写真では確認できるが、1999年のものでは既に撤去されている。


「ほとんど知られていないのではないか」と書いたのは、例えば岩脇蒸気機関車避難壕だ。こうしたところも丹念に情報を拾い、北海道から九州まで、十代のころから現在(笹田さんは私と同い年だ)に至るまで実際に訪ね続けていること、その熱意はとうてい真似できないが、いろいろと参考にしてGoogleMapsにピンを立てた。

こうした本は、「知っていたけれど行ったことがなかったところ」を「行きたいところ」に昇格させる役割を果たす。今後数年かけて、いくつかの気になるところに行こう。








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