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駅舎正面以外は大好きな駅、水上。夏には3番線の向こうの水の流れの音が涼やかだし、冬には舞う雪が構内の照明に照らし出される。冬はいつも濡れている跨線橋もいい雰囲気だ。駅舎の建築年はわからないが、昭和30年代に多くあったような造りと意匠をしている。ホーム側、腰部がタイル張りになっているあたりにそれが見て取れる。

現在、駅舎の正面入口付近が増築され、ちょっと悲しい姿になっているが、その土台はいかにもな国鉄駅舎である。その水上駅1番線のホーム上屋の支柱は一部に古レールが使われている。

20120403_000.JPG屋根は木製で片流れ…のように見えるが、V字形になっている。支柱は古レールをY字に組んだものの上部にフタをするように、少し曲げたレールが枕木方向に添えられている。Y字の腕は、画像左の駅舎方向も右の線路方向も独立しており、たとえば駅舎にもたれかかっているということはない。

使われている部材はそれぞれレール底面同士をリベット留めしている。そこに木製の垂木(レール方向)を通して屋根板を貼っている。

20120403_001.JPG


支柱部分。フタ部分のレール腹部を利用してケーブルが這っている。

20120403_002.JPGV字形の屋根板の底を、レール方向にトラス構造の部材がついている。このパターンはよく見るが、各支柱を連結すると同時に、それによって補強しているということだろうか。

このトラス構造の部材は至るところで見かけるが、この水上駅のものはガセット的なものがついている。

高崎方を見ると、古レール支柱の木製上屋とは別の、鉄骨+波板屋根の上屋になっている。少し行き、振り返る形で最上段の画像と同じ向きで撮る。
20120403_004.JPGこんなに太くなくてもいいような…。

その境目は。
20120403_005.JPG屋根の垂木もトラスの部材もぶった切られている。なんらかの問題があって改築されたのだろうか。

20120403_003.JPG古レール部と鉄骨部ではこれだけ異なる。しかし、こんなことになっても乗客には気づかれないのだろうなあ。



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長野駅の番線の呼称は変則的だ。かつて、善光寺を模した駅本屋があったころ、駅舎側の第1ホームが1番線、第2ホームが2番線・3番線…と、順送りに7番線まであった(『国鉄全線各駅停車6 中央・上信越440駅』に図がある)。しかし、現在は橋上駅舎となり、第1ホームは使用されておらず、第2ホームが1番線・2番線、第3ホームが3番線・4番線・5番線、第4ホームが6番線・7番線となっている。

第3ホームはどうなっているかというと、東側の中央で分断し、車止めを設置した上で、北側を4番線、南側を3番線としている。wikipediaによれば、こうなったのは橋上駅舎化時(1996年)ではなく、2000年12月1日である。

その、分断したあたりから北側のホーム上屋の支柱に古レールが使われている。
20120327_05.JPG北から南を見ている。ホーム中央の自動販売機の上あたりから向こうが、新しい屋根と支柱だ。自販機の右に写っている男性の後方に白い板がみえるが、これが分断された車止めの上に設置してある板である。

ご覧の通り、手前(北側)の支柱は古レール。しかし、屋根は波形鋼鈑であり、支柱が塗り替えられた上に清掃が行き届いてピカピカ光るほどなので、一見、古レールであることに気がつきづらい。

接合部をアップ。
20120327_06.JPG

振り返ると…
20120327_08.JPGこうなっている。垂木(枕木方向の梁)が鈍角である。支柱は踏面あわせ。軒桁(線路方向の桁)との接合もおもしろそうだ。

20120327_02.JPG軒桁と支柱を真横から見ると、こう。

20120327_04.JPG接合部をアップにするとこう。支柱は貫通し、軒桁が乗るような支え板を用意し、軒桁は支柱に横方向でくっついている。

20120327_07.JPG真横から見るとこう。


軒桁にレールを使う例って、あまりなかった気がする。でも、そこにレールが使われているからこそ、屋根の下が直線になり、スッキリする。


なお、支柱は塗膜が厚いため、古レールの調査はできなかった。



屋代駅にある、長野電鉄屋代線の跨線橋を見に行ったのだが、ついでに見た、しなの鉄道屋代駅のホーム上屋。

20120307_003.JPG1番線から、島式ホームの2・3番線を見る。その向こうはホームのない4番線を挟んで長野電鉄の5番線。

20120307_000.JPG上屋はこう。屋根を支える垂木(枕木方向の/\形の部材)はトラス構造。また、支柱の側面は板材で囲われている。これは補強だろうか、美化だろうか。根本を見る限り、補強かなあ。

20120307_001.JPG支柱は、母屋(線路方向)、梁と垂木(枕木方向)を支えている。…いやそれより、「どっちが」なのかわからないが、オフセットされている。写真左の支柱は外側に、右の支柱は内側に。



20120307_002.JPG支柱の上部…と思っていま気づいたのだが、母屋が段違いになっており、腕が1本ない。

さらにさらに。
20120307_004.jpg他の写真に偶然写っていたのだが(だから色は飛ばしてある)、篠ノ井側の支柱はY字形の古レールだった。ちゃんと見ておけばよかった。

ここで定型句、「また行こうっと」。



 
20120226_000.JPG東武野田線の岩槻駅の3・4番線ホーム。跨線橋から1組置いた位置のホーム上屋支柱が、古レールだった。

興味深いことに、この1組だけなのである。それも、他の木製支柱と異なり、ホーム中央の1本脚。他の木製支柱はご覧の通り、ホームに2本の脚を下ろしている。脚部分は、よくあるように、レール底面を接合している。レールはカーネギースチール、1900年(と読めたがちょっと不安)。

20120226_001.JPG屋根の真下はこんな感じ。左右のレールを板で挟み込み、その中央から棟木(線路方向の、屋根の背骨にあたる部材)を支える真束が上に延びている。その付け根には、棟木からの補強材。

20120226_002.JPG木製支柱のほうはというと、このようにズラリと。

脚には、線路方向からと枕木方向から、それぞれ補強材が入っている。補強材が脚に接合される部分では、枕木方向同士、線路方向同士が1本のボルトでつながっている。そのため、両者の位置が少しだけ上下にずれている。

20120226_003.JPG古レールの脚と異なり、垂木(枕木方向の屋根材の裏の部材)を支える形になっている。そして、枕木方向の補強材が、棟木を支えている。



木製支柱のホーム上屋の組み方を集めてみたい。また課題が増えた(笑)。




 
20111109_001.JPG兵庫県の兵庫駅のホーム。このクラシックな感じはとても意外だった。いや、東京の都心でも時代を感じるホーム上屋なんていくらでもあるんだけれど。

面白いと思ったのは、上屋を支える鉄骨がアーチ状になっているということ。そして、古レールを使っていないということ。

すべての柱に排水管が添えられているので見えないのだが(現地ではそこに気がついていないので観察していない)、この柱はY字型に形成されたものを「YY」と並べて接合部をリベット留めし、アーチを形成している。柱と柱の間には横構が入り、縦桁等との間にできた四角形の対角線を結び、ターンバックルを配置している。

形状も美しいが、見た目もきれい。ここ、好き。


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