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ロン・チャーナウ著の『モルガン家』(日経)上と下の1/3くらいをようやく読み終わった。モルガン家3代を知ることができればそれでいい。以前、2~3章分だけ読んだことがあったが、今回、あらためて登場人物の人となりを確認しながら読んだため、2ヶ月近くかかった。通勤時の行きの30分しか読む時間がなかったという事情もある。帰宅時は眠りこけているのだ。

この本に手を出したきっかけは、1901年のノーザン・パシフィック鉄道の株価暴騰→1901年恐慌(wikipedia記事参照)、の流れをもっと広い視野から把握するためだったが、もともとモルガンは「鉄道王」でもありながら、同世代の「泥棒貴族(ラバー・バロン)」たちとは一線を画する存在だったということで興味を持った。日本で言えば、かなり違うが、政治家でないという点で渋沢栄一・五島慶太・小林一三といったあたりに興味を持ったと思ってもらって大筋は間違いではない。モルガン周辺のジェームス・ジェローム・ヒルや、エドワード・ヘンリー・ハリマンらについてもいろいろ読み漁った。

しかし、本書を読み直しても、以前ノーザン・パシフィック鉄道について読んだ章以外では、あまりアメリカの鉄道史理解のための記述はなかった。バン・スウェリンゲン兄弟(本書中ではヴァンスワリジャンと表記)の持つ鉄道網と株についてのことくらいか。といっても、スウェリンゲン兄弟の手中にあった鉄道網についての体系的な解説はない。スウェリンゲンは、チェサピーク・アンド・オハイオ鉄道やニッケル・プレート鉄道など、アメリカ東部の大鉄道をいくつも保有していたのにも関わらず、その解説がないというのは、一般向け図書としてはどうなのかと疑問に思う。これらの鉄道がアメリカにおいて、あるいは世界の鉄道史においてどんな役割を果たしたのかということは、一般の日本の鉄道ファンですらほとんど知らないはずだ。日本の鉄道ファンは日本、それも国鉄>JRが主流も主流なので、雑誌等で体系的に解説されているものを見たことがない。ましてや一般人においてをや、である。1920年代までのアメリカの株式市場において、鉄道株がどういう存在であったか、その解説がないので、スウェリンゲン兄弟はただの奇人として描かれているのは非常に残念だ。


本書は、外国人名の表記法が独特である。いわく(左が本書、右が私の認識)、
・シーアドア・ローズベルト……セオドア・ルーズベルト(大統領)
・マクダヌルド……マクドナルド(英首相)
をはじめとして、原音主義なのだろう、モロウがマロウ、トーマスがトマスになっていたりして、それらの人物の来歴を調べながら読むのに苦労した。

それにしても、本書に登場する人物の名前を見ると、アメリカ人といっても来歴がさまざまなので、名前の表記法はつくづく難しいと思わされる。昭和天皇が日露戦争時の借款に対して謝意を表明したことのある「ヤコブ・シフ」は「ジェーコブ」「ジェイコブ」とも表記されるし、ロスチャイルドだってロートシルトと表記されることもある。ラフォレットかラフォーレか、ラモントかラモンか、ファーディナンドかフェルディナンドか、、、

いましばらくこの時代の本を読み続ける予定だ。



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