
中央本線や飯田線の各駅には、「災害用桁」と称した予備の鈑桁が保管してある。ここに示すのは、須原駅にあったものだ。電車の窓ごしに撮影したため、色がにごっている。
見てわかるように、スティッフナーがJ型をしており、ポーナル型のひとつである。ポーナル型にもいくつかのバリエーションがあるが、対傾構の部材の形状を見なければ判断できないので、この角度からだけではわからない。
イギリス人のチャールズ・ポーナルがこの通称「ポーナル型」を設計し国鉄に制定されたのは1885年~1889年(作錬式)、1897年(作30年式)、1904年(作37年式)。その間に橋梁のイギリスプラクティスからアメリカプラクティスへの大転換が起こるのだが、それを考えるとこの桁は100年以上前に製造されたものである。当時のことであるから、おそらく製造もイギリスないしアメリカ(アメリカンの会社に、イギリス流の桁を製造させたことはある)であろう。
この写真では見えない(あるいはない)が、災害用桁にもきちんと塗装標記がなされており、他の駅で見たものには「災害用けた」と明記してあった。そして律儀に(?)塗装の工程と年月が記されていた。
詳細は、電車の窓越しではなく、実見しなくてはなんの判断もできまい。実見すれば、なにか(自分にとっては)新しい発見があるかもしれない。
なお、スティッフナーがJ型であるのは上記の3形式に限るわけではなく、関西鉄道や日本鉄道ではまた別の形式が使われていた。ここでの可能性をいうならば、関西鉄道のものである可能性はないわけではない。とにかく、この桁の出自がどこであるか、とても気になる。
追記:訪問記事
中央本線須原駅 災害用桁(ポーナル桁)
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