内村川の谷間の国道を東に向かって走っていると、畑の中に「モービロイル」と書かれたブロック塀が現れる。ほとんどは空色(が褪色した色)、下部は小豆色(が褪色した色)で塗られた防火壁。
その向かい、つまり右には本殿がある。 広大な敷地に、荒らされもせずに残るモービル石油の給油所。 防火壁には「軽油89円」とある。いつの水準だろう、2006年には軽油は100円こなっていた気がする。 ガソリンスタンド然としたたたずまいのサービスルーム。かつてはこの大きなガラス窓の向こうにドライバーが休むソファがあり、事務机の付近は書類で溢れており…。いまも室内には当時販売されていたままの商品が未開封(多分)のまま残されている。 いわゆる「廃墟趣味」はないので、侵入などはしない。あくまでも「自由に勝手に歩いても(たぶん)怒られない対称」として閉鎖された給油所で観察しているの。 外にはほとんど遺留品はないのだが、ここに目が行った。 (上) 「使后は元の所え 空気圧力計掛ケ」 (下) 「空気バルプは 使用后はしめる事」 そして。 「モービロイル」という、Mobil Oilを英語で読むと続いて聞こえてしまうという表記をそのまま採用したこと。そこにあったエアゲージは、イギリスのPCL製だったこと。モービルはアメリカの企業であるし、この二つはまったく関係ないのだけれど、なにか嬉しい気がした。 なお、PCLはいまも存在する。 http://www.pclairtechnology.com/ (続き) PR
9月のある暑い日、スーパーテネレで利根川の橋梁を撮って回った。行きがけの駄賃的にC61も見た。
岩本の北、左(西)から上越線、国道17号、利根川、と並走する場所。片品川との合流地点のすぐ上流には、国道17号から直角に曲がって利根川を渡っていく戸鹿野橋がある。そのすぐ北に、このMobilはある。 波のような屋根。それも、支柱が偏っている。電球はひとつだけ灯っている。これは、明るさのためではなく、クルマから「光っている何か=ガソリンスタンド」と認識してもらうためのサインだろう。 写真は、周辺の状況等の事情により、超広角で撮ったものをトリミングしている。左には事務所、右は防火壁とポールサインがある。屋根の向こうには洗車機もある。これだけの広さだが、計量機は2基。 この日は快晴だったが、あの屋根に当たる雨音を聞いてみたい。雨の日にバイクで訪ねたら…やっぱりそそくさと退散してしまうだろうな。バイクの場合、雨の、こういう給油所はつらいから。 場所はここ。
国道17号で三国峠を越え、新潟県に入ると、すぐに苗場プリンスホテルの門前町とでもいおうか(実際の成り立ちは違う)、三国や浅貝の集落がある。そこで、いつも得も言われぬ感情に襲われる。かつての清里の雰囲気とでもいおうか、ものすごい人数の行楽客を収容できるはずの場所なのに、そんな行楽客は皆無で、いるのは合宿の学生たちばかり。行楽客相手の店も、営業してるんだかしてないんだか、わからぬほどだ。ここで商売が成り立つとは、どうしても思えない。
そんな中に、コインパーキングがある。 両サイドに防火壁。まごうことなきガソリンスタンド。 この壁の色はゼネラル石油。壁の文字は、上段は不明、二段目はNAEBA。 張り紙が、貼られ、剥がされ。塗装はひび割れて落ちている。これが補修される日は、来るのだろうか。
雨の朝、えちぜん鉄道沿いをクルマで走っていたら、すてきなモービルが現れた。
憧れの、2連の円形キャノピーベース…? ガソリンスタンド・ノートのsgmさんのお話を聞いてから、モービルにばかり目が行くようになった。キャノピー(天蓋)にもいくつもの話があって、モービルが手がけたこの円形の意匠がとても好もしく思えたからだ。 そのときのようすは江東ドボクマッピング 新観光講座 ガソリンスタンド編をご覧いただくとして。 その円形キャノピーも、経年によって建て替えが進んでいるようだ。そんななかでこれを見つけたので、「これは!」と思ったのだが…事実は違った。 sgmさんによれば、「円形キャノピーが不評だったため、後に登場したペガサス21型というタイプで、改修したものではなく、まったくの新造です。」とのこと。残念。 「ペガサス21」とかググっても、給油所のことなど出てこない。いや、「ペガサス21○○」というモービルの給油所は出てくるけれど。こういう意匠の流れは知りたい。さて、どこから攻めるかな…。
1月3日、天竜浜名湖鉄道に乗っているとき、sgmさんから「沿線おすすめのガソリンスタンド」の情報をいただいた。どこか途中駅で降りることができる程度のゆったりしたスケジュールで乗り鉄していたときだ。
最近、sgmさんの教育の賜か、私は車窓風景のひとつとしてガソリンスタンドを見ると、凝視してしまうようになっている。サインポールやキャノピー(天蓋)、そして列車の車内からならではの防火壁の裏側などが気になるのだ。また、そのたたずまいも重要な要素だ。前週、直江津付近に行ったときには谷浜駅西側の、波しぶきが5mほども上がっている荒れる日本海を背にしたスタンド(出光だったか)に非常に惹かれたりした。ただし、そのときは横殴りの雨だったため、やめてしまった。 そんな経緯があって、いただいた情報を元に桜木駅手前のモービルを車内から眺めた。ふと降りてみたくなった。暗闇の、それほど多くない交通量の県道のロードサイドに灯る、ガソリンスタンドの光が、とてもいじらしいというか、しんみりしていたのだ。バイクに寝袋だけ積んで下道ばかり走っていた頃、夜のロードサイドで見るガソリンスタンドの光は、それはそれは暖かく感じたものだった。通るクルマもほとんどないのに、立ち寄れば元気な人が出てきて、ササッと仕事をしてくれる。自分は給油して、どこか無人駅やバス停で銀マットだけ敷いて眠る。そんなことばかりしていた。 まあ、そんな気持ちを思いだしてしまったので次の桜川駅で降り、歩いてモービルに向かった。それほど遠くないはずだ。…歩道もない県道を行くと、すぐにあった。おあつらえ向きに、道を挟んだ反対側は空き地になっている。 許可を取っているわけではない。こちらは徒歩だし、不審な目で見られかねないし。店員さんをキャノピーの支柱で隠してパチリ。手持ちでこんなものが撮れてしまうんだものなあ。デジタルカメラはすごい。 私はキャノピーの逆台形の支柱にデザイン性を見たので、それがわかるようにもう1枚。 赤いペガサスが映える。横長のモービルのサインポールもかっこいい。こうしたものをインテリアに置きたいという気持ちが少しわかる気がする。自分がしたいとは思わないけれど。死蔵するだけだしね。モノはあるべき場所にあってこそ。 明日(8日)も電車に乗る。今度は車内から見えるガソリンスタンドも撮ってみようか。数を見ることで、なんらかの傾向でも言えたらおもしろいと思う。 |
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